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定点観測⑥旅の思い出エッセイ-その2【小島】

3/1になりました。定点観測のお時間です。

みなさんこんばんは。そしてお久しぶりです。銀ぶちペンギンの【小島】です。

 先日も報告させていただきましたが、現在ぼくは動画制作スキルを手に入れるため日々奮闘中であります。もう少し具体的に言うと、写真活動の中で知り合った飲食店にお店の公式instagramを運用する業務を任されています。その中で写真・動画撮影やSNS運用に伴うマーケティングなど、経営戦略の一端を担っている。という状況です。

 文字に起こすと大層なことをしているような感じになりますが、実際はまだなんの実績もない素人。オーナーや店長の期待を裏切らぬよう日々勉強しながら"実戦"しています。

 なのでnoteに関しては相方の【森】に丸投げ状態になってしまっているのです。そんな相方の【森】も次の短編公募に向けて意識を集中させているところ。温かく見守ってもらえると幸いです。



 近況報告は最近も散々(むしろ近況報告しかしてないレベル)しているのでこの辺で終わります。

 今回の定点観測は【小島】の旅の思い出エッセイシリーズその2です。

 (いや、だから、”定点観測”とは……?)

ひとり旅記①「そんな今日、小島くんと出会ってしまったってわけよ」-その2

※今回のお話は前回からの続きです。読まれていないからは前回の記事をチェックしてください↓

そうして気づいたら、僕は名古屋駅から広島駅に向かって新幹線に乗っていました。片道13540円。高いと感じなかった。ホテルの予約もしていませんでしたが、不安はありませんでした。それ以上に「今から俺はすごく価値のある時間を過ごすのだろう」という期待感で溢れていました。

新幹線が神戸を越えたところから一気に気分が高揚したのを覚えています。初めての中国地方。京都ー大阪ー神戸の栄えた街並みから建物がグッと低くなり、その奥には山並みが見える。ゆとりある鉢を与えられた盆栽のように、土地を広々と使った立派な赤瓦の家屋がポツポツとある。寂びれた漁船が綺麗に並んだ小さな港町をいくつも通過していく。

そうやって窓の景色を眺めていると、あっという間に広島駅に着いた。

そしてそのままJRに乗り換えて、厳島神社のある宮島行きのフェリーが出ている宮島口駅を目指しました。

宮島口駅を降りると、三連休初日ということもあってたくさんの観光客がいました。さすがは日本有数の人気観光地。

そんな宮島口駅のすぐ前に店舗をかまえる「あなごめし うえの」が僕の最初の目的地でした。

あなごめしとはうなぎの蒲焼きならぬ、あなごの蒲焼きをどんぶりに乗っけって食べる広島の名物です。「うえの」は超人気店なのでこの日もめちゃくちゃ人が入っていました。とりあえず「満席の時に名前を書くアレ」に名前を記入。書きながらアレを管理していた受付のおばちゃんに「どれくらい待ちですか?」尋ねると、相席で案内しているにも関わらず1時間待ちだという。しかも記入したのは朝10:30くらいだったにも関わらずです。

といっても僕は独り客ですから、何かしらでススっと入れるだろうと思っていたのですが、ホントに1時間くらい経ってからおばちゃんに「コジマさーん」と呼ばれたので、返事をして入店しました。

きれいな木目の四人掛けテーブルに案内され「今はテーブル空いてますけど、お客さんコチラに案内すると思うから相席でお願いしますね」と言われてメニュー表を見ながら待っていると、おばちゃんが若い男性のふたり組を案内してきました。

相席なんて初めてだからどんな反応が正解か分からず、軽ーく顎を下げるくらいのお辞儀をかましたところでおばちゃんが僕に聞きました。

「ごめんなさい。……あなた名前なんだった?」

僕は質問の意図がイマイチ汲み取れず、少し間を空けてから機械的に「小島。です」と答えると、「ぁああ~そういうことね」とおばちゃんは何か腑に落ちたらしい。

「あぁ、アタシね、小島(こじま)さんじゃなくて、小島(おじま)さんを呼んだんだよね」

…………? 一瞬よくわからず、なんとなく若いふたり組に目を向けると、ふたりもなんか驚いた顔をしていました。

そう。つまり、僕と同じ漢字で別読みの小島(おじま)さんが名前を書いていて、おばちゃんは(おじま)さんを呼んだのに僕が聞き間違えて先に返事をして店に入ってしまったのでした。

つまりつまり、僕はまだ呼ばれていないので順番飛ばしをしてしまったのです。

状況を理解して「えっ!あっ!すいません。聞き間違えました。出ます!」とリュックを持って席を立とうとしたら、おばちゃんが「あぁもういいよ!しょうがないしょうがない。もう入っちゃったんだから。このまま食べてきな」と言ってくれました。

3人になったテーブル。小島さんは「ややこしいねっ」と笑ってくれてすぐに場は和みました。もうひとりは早川さん。"早川"と書いてくれていたらこんなことは起きなかったのにね。

ふたりは僕の2つ年上の社会人でした。東京の有名大学卒で東京の会社に就職したが、新卒は初め1年間支社に配属されるカリキュラムらしく、ふたりは広島支社に来ていたのでした。

しかしこの3月で1年間の配属が終了し東京に戻る。というタイミングでした。

もちろんふたりは宮島を何度も観光していたのですが、この「うえの」だけはいつも客で溢れているので入らなかったそうです。

「けど、もう宮島に来るのも最後になると思うから、待ってでもいいからうえの入っとくかーってことになったの」

「だから俺たちも今日、うえののあなごめし初めてってわけ。な?」

「そうそう。そんな今日。小島くんと出会ってしまったってわけよ」

「まじですか(笑)。面白いことになりましたね(笑)」

「そうなんよ。小島くんどっからきたの? 広島じゃないでしょ?」

当然バレる。デカめのリュックを背負って、ひとりで人気観光地の人気店で順番飛ばしをするやつは絶対地元の子じゃない。

そんな感じで身の上話で盛り上がり、僕は小島さん・早川さんとすぐに打ち解けた。いや、打ち解けすぎた。

この後結局、宮島を一緒に回ることになり、ふたりがよく行く銭湯に連れて行ってもらい、夜は行きつけのお好み焼き屋さんで奢ってもらっていた。

ひとり旅の予定だったのに、1日中一緒にいたのです。

最後、お別れの時にLINEを交換して「もしホテルが見つからなかったら連絡してこいよ!」と言ってくれたお二人。

小島さんは特に僕のことを気に入ってくれて、名古屋に会いに来てくれたり、逆に僕が東京に遊びに行ったりと数年に渡って付き合いがありました。ここにもいくつかエピソードがあるのでタイミングがあればお話します。

もうかれこれ5年くらい会ってないかもです。

……あぁ。絶対今年会いに行こう。そろそろ結婚とかしてんのかなぁ。。

はい。ここで終わります。時間が取れなかったのでいつにも増してお見苦しい文章かと思います。申し訳ありません!!

では今回の定点観測おわり。

(いや、だから、”定点観測”とは。)


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