![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/141977166/rectangle_large_type_2_4120879d57ae51877b9139854225679a.png?width=800)
最新生成AIさえあれば、色塗りも立体化も、5分でできる――Adobe Fireflyを試してみた(2024年5月版)
Adobe Firefly Image 3 Foundation モデル(ベータ版)登場
前回の「Adobe Fireflyを試してみた」から3ヵ月。この間、各種生成AIはさまざまなアップデートが行われ、今年もまた生成AIが人間社会に大きな影響を与えそうな気配です。
そんな中、記事で取り上げているAdobe Fireflyの最新メジャーリリース「Adobe Firefly Image 3 Foundation モデル(ベータ版)」が登場しました。
この最新版は、従来のバージョンに比べて各種パフォーマンスやコントロールが大幅に向上したもので、中でも過去の記事でも課題として取り上げていた指示通りの画像生成や再現のしやすさが改良されているのが特徴です。
加えて、Adobe Firefly Image 3 Foundation モデルのベータ版は、Adobe Photoshopベータ版とAdobe Firefly web版のどちらからも利用可能なので、手軽に最新のAdobe Fireflyの実力を体験できます。
Adobe Firefly、コントロールの向上が何をもたらすのか?
コントロール、すなわち使い勝手・操作性が大幅に向上しました。過去の記事でも紹介したように、登場直後のAdobe Fireflyを使うには、ちょっとしたコツ、とくにプロンプト(指示)の工夫が必要でした。
今回、次の5点の改善・強化が行われています。
①参照画像
事前に用意した画像を参考資料として、その画像を反映した結果を得ることができるようになりました。これにより、旧バージョンに比べて、よりイメージ通りの画像生成が行えます。
②画像を生成
テキスト入力だけで完全な画像を作り出す機能にAdobe Photoshop内から初めてアクセスできるようになりました。アイデア出しや、ゼロからの画像作成が可能です。
③背景を生成
背景の入れ替えや作成だけでなく、既存の画像にシームレスにブレンドするコンテンツを今までより簡単に生成できます。
④類似を生成
生成された画像の中からお気に入りの画像を選択して、「類似を生成」で参照として使用します。お気に入りのものが見つかるまで、クリックしてコンテンツやスタイルが似たバリエーションの画像の生成を繰り返します。
⑤ディテールを向上
シャープさと鮮明度を向上させるため、画像のディテールを目立たせることができます。見た目をくっきりとさせ、ストック品質の画像とより調和する質の高い画像に仕上がります。
つまり、今までは頭の中のイメージをAdobe Fireflyに理解してもらえるようなプロンプト(指示)を考えることに頭を悩ましていたかと思いますが、たとえば①③④の新機能であれば、事前にある程度イメージした画像を1枚用意しておくことで、それをもとにした新しい画像生成が行えます。
また、②⑤は、Photoshopを効果的に活用したり、レタッチをする際のサポートが行えるようになっています。
と、説明をしましたが、ものは試し、さっそく今回の「Adobe Fireflyを試してみた」を実施してみましょう!
それでは、今回は最新機能の中から、コントロールに追加された「①参照画像」について紹介します。
参照画像があるだけで、一気に世界が広がる!
主役はもちろんミネオ君
今回もweb版のAdobe Fireflyで試してみます。記事の主役はもちろんこの方、ミネオ君です。
![](https://assets.st-note.com/img/1716190926696-qCDJEhxBuj.png?width=800)
ミネオ君誕生秘話については、以下の記事をご覧ください。
Adobe Firefly web版にログイン
まずはこれまで通り、Adobe Firefly web版にAdobeアカウントでログインしましょう。
そうすると、メニュー画面に移ります。今回はこの中から「テキストから画像生成」を選びます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716255803019-0E8VWT6RC9.png?width=800)
プロンプト入力部分にまずは、ミネオ君誕生のときと同じ、「デザインやイラストに関する知識のあるかわいいロボット」と入力して実行してみます。
するとこんな結果が出ました。
![](https://assets.st-note.com/img/1716256166030-Mdg3AM3QXw.png?width=800)
劇画タッチのロボットが出てきました。ちょっとだけミネオ君にも似ていますかね笑
参照画像を使うと、イメージした画像に近い結果が得られる
ここから、新機能の「参照画像」を使ってみましょう。
まず、左メニューにある「構成」のところに、あらかじめ用意しておいたミネオ君の画像をドラッグ&ドロップします。
![](https://assets.st-note.com/img/1716191955085-2h8ibIZwMW.png)
このとき、最初に以下のようなダイアログが出ます。これは、アップロードする画像について、あなた自身が使用権限を持っているかどうか、簡単に言うと著作権上、問題がないかどうかの確認です。
著作権については過去の記事でも紹介していますが、十分にご注意ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1716256255575-CxuGlteak3.png)
「続行」を押すと下図の状態になりますので、そのまま、プロンプトは変えずに再び生成を押してみてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1716191988824-LjVUQeLfdV.png)
生成、と。
![](https://assets.st-note.com/img/1716256395549-rlyWx7W4HZ.png?width=800)
最初に生成した画像と比べて、さらにミネオ君の見た目に近いキャラが出てきましたね。これが参照画像機能です。
どういうことかというと、アップロードした画像(ここではミネオ君の原画)をベースにした「デザインやイラストに関する知識のあるかわいいロボット」を書き直してくれているのです。
なお、背景についてはとくに指定していなかったために、Adobe Firefly側で判断して生成してくれています。
また、強度のスライドバーでアップロード画像との輪郭と深度の一致度(非常に簡単に説明するとどのぐらい同じか)を調整できます。記事執筆時点では0・50%・100%の3段階となっていました。
あとはプロンプトを調整することで、さまざまなパターンのものがあっという間に作れます。
たとえば、プロンプトに「背景は無地で白」「パステルカラー」を追加して調整してみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1716256561726-qYF9THt1Qn.png?width=800)
生成、と。
![](https://assets.st-note.com/img/1716256667791-58c9qcDh1B.png?width=800)
このように、元の画像(ミネオ君)を使って、さまざまなアレンジが簡単に行えるようになりました。
この他、たとえば「コンテンツの種類」として「アート」を選択し、プロンプトに「立体的」という言葉を追加してみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716256831953-uHNcFXdlJ7.png?width=800)
生成、と。
![](https://assets.st-note.com/img/1716256880471-vLvjYGiw7Y.png?width=800)
どうでしょうか。
モノクロ・線画でシンプルだったミネオ君が、一気にカラー・3D化で、ちょっとした映画のキャラクターのようなビジュアルのミネオ君に。
ちなみにここまでの所要時間は、ほんの5分ほど※。
※画像はあらかじめ用意しておきました。
これが、最新のAdobe Fireflyの機能の1つ「参照画像」の実力です。
イメージの可視化から生まれる、新しいクリエイティブ
以上、最新(2024年5月)のAdobe Fireflyの実力を試してみました。今回は、もともとあったイメージを、生成AIの力を使って、さまざまな絵画手法の追加やアレンジ、各種加工を、簡単に加えられるようになりました。
これだけではいわゆるレタッチソフトの延長線と考えられますが、ここでミネオ君の存在をもとに考えてみましょう。
テキストだけでどんどん作れる画像メディア
先の記事でも紹介した通り、ミネオ君はAdobe Fireflyに「テキスト」を入力して誕生しました。生成AI登場以前のデザイン・描画というのは、ペンや筆などを使って描くことが前提でしたが、そこ(テキスト入力で画像化された点)に大きな違いがあります。
そして、今回、テキストで生み出された画像に、さらにテキスト情報を追加して、タッチの変更、色味の追加を行っています。ただし、そこに「参照画像」という画像が加わっています。
言葉で表現すると「人間が文字と画像という素材を使い、生成AIという道具を使って生み出した新しいクリエイティブ」ということになります。
このように、画像生成AIを使えば、テキストはもちろん、既存の画像など、各種情報・メディアを活用することで新しい画像、クリエイティブを生み出すことができます。しかも、簡単に。
再現性も高く、創り手の思い通りにも
また、従来の生成AIで課題となっていた再現性や、創り手が頭の中に思い描いている画像のアウトプットの難しさ、という点に対しては、今回の参照画像機能を使うことで、あらかじめ近しいイメージを生成AI側(Adobe Firefly側)に伝えられるようになったことで、テキストだけでの生成よりも、よりイメージ通り、具体的な結果を得ることができるのです。
簡単にできる、というのはもちろん生成AIの強みの1つですが、それだけではないと担当は考えています。
そこに、人間としてのスキル、たとえばイラストの描き方や塗り方、さらにはその人が持っている想像力・オリジナリティが加わることで、今までにはない魅力的な画像が生み出せるはずです。
ここでちょっと宣伝(笑) もし、Photoshopそのものの使い方を知りたい・学びたい、そんな方には『イラストですっきりわかる! Photoshop』(技術評論社刊)がおすすめ。
創り手の可能性がさらに広がる
以上、最新のAdobe Fireflyの機能紹介でした。
たった数ヵ月でできることが大きく変わったAdobe Firefly。次回紹介するときは、どんな新機能が加わって、どんな結果が出せるのでしょうか。今から楽しみですね。
ちなみに、Adobe Fireflyでは今後の新機能として動画メディアの扱いも予定されています。ということは、何年後、いや、何ヵ月後かには、文字入力だけでCGアニメが簡単に作れてしまうかもしれないのです(担当は、近い将来確実にそのようなことができるようになると信じています!そのときはまた記事を書きます✒)
最後に、今回誕生したミネオ君を紹介して締めくくります。ミネオ君2405です。以後、お見知りおきを。
![](https://assets.st-note.com/img/1716257975602-BT0j0pL7gX.jpg?width=800)
「これからもよろしくね!」
文責・担当ふ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?