マガジンのカバー画像

【小説】ヒーリング・サークル

11
運営しているクリエイター

記事一覧

「ヒーリング・サークル」(改)【小説】

第一章 エリさん 「あなたは無知だから、その事を自覚しないとね。」  エリさんはさらりと…

桜庭 紀子
1年前
15

【小説】「ヒーリング•サークル」第10章 夢の内外

悪い夢から覚めたような気がしていた。 自分は何か不透明の膜にくるまれたまま夢を長く見て…

桜庭 紀子
1年前
10

【小説】「ヒーリング•サークル」第9章 大森先生

閑静な住宅街の中に、そのカウンセリングルームはあった。と言うより、一戸の完全な住宅の中…

桜庭 紀子
1年前
12

【小説】「ヒーリング•サークル」第8章 セッション

 サロンに着いたのは私が一番乗りで、夏実さんはじめ他の三人はまだ着いていなかった。エリさ…

桜庭 紀子
1年前
5

【小説】「ヒーリング•サークル」第7章 タッパー

 休職期間が始まってから、毎日寝てばかりいる。朝は一応目が覚めるけれど、相変わらず起き上…

桜庭 紀子
1年前
9

【小説】「ヒーリング•サークル」第6章 再診

 「最近、薬ちゃんと飲んでるの?」 とスーツに着替えながら、陽司が聞いてきた。私の顔色が…

桜庭 紀子
1年前
7

【小説】「ヒーリング•サークル」 第5章 二回目のロミロミ

明日俺が病院連れて行こうか、と陽司は言った。夫が不意に寝室のドアを開けて声をかけてきたので、私はハッとした。今日、ついに仕事を休んでしまった。十二月、寒くなってから朝鬱々として起き上がれないことが増えた。それでも職場に電話をして時間休をとって遅れて出社していたが、今日はそれも断念した。始業時刻ギリギリに会社に連絡して、一日休みをもらったが、電話をとった同じ課の事務員も呆れていた。その対応にも落ち込んで、ベッドでうずくまっていたら、陽司が寝室のドアを開けたのだった。今日は金曜

【小説】「ヒーリング•サークル」第4章 夏実さん

第四章 夏実さん  十一月。エリさんのマッサージを初めて受けてから、一ヶ月が経っていた。…

桜庭 紀子
1年前
9

【小説】「ヒーリング・サークル」第3章 サロンHal

待ちに待った土曜日、私はサロンの玄関の前で緊張していた。予約時間の20分前に着いてしまっ…

桜庭 紀子
1年前
15

【小説】「ヒーリング・サークル」第2章 チラシ

エリさんのことを知ったのは、夏実さんの紹介がきっかけだった。 去年の夏。職場の先輩の夏…

桜庭 紀子
1年前
18

【小説】「ヒーリング・サークル」 第1章 エリさん

「あなたは無知だから、その事を自覚しないとね。」 エリさんはさらりと言って、私が渡した数…

桜庭 紀子
1年前
15