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学習出版:素人が社会に発信するまで①

あなたの学びは本になる。素人こそが力を持つ。そんな「学習出版」のノウハウを記録しているnoteです。

これまで、小さな地方私大のどこにでもいるような大学生26人が出版してきました。日本で唯一の電子書籍制作ゼミが実践しているプロセスです。

今回は、その全体像を紹介し、次回以降、具体的に7つの記事に補足をしていきます。ところで、この記事の内容は、日本メディア英語学会の査読論文で発表したものです。

なぜ7段階も手続きが必要なのか。

行き当たりばったり試行錯誤や思いつきの独りよがりだけでは本当の自信を持って世に送り出すことはできないからです。


1.1 素人学生が出版するたった一つの小さな理由

学習出版とは、学びの体験を記録して出版することです。まずはケーススタディとして、私の実践事例を紹介します。4年生ゼミ(外国語学部 )では 「地方私大流 TOEIC」と題し、TOEIC®のスコアアップ方法をまとめた電子書籍を毎年発売しています。

TOEICの満点取得者は世の中、たくさんいます。なのに、教員でも物書きでもない素人学生がなぜ出版するのか。

それは、素人ならではの力があるからです。

学生たちは、ゼロから勉強を始め、自分たちが伸び悩みや挫折を経験してきました。それこそが、「私たちにできたのだからあなたも大丈夫」という読者への声になります。逆に、帰国子女のようにネイティブレベルの人や、立派な先生では説得力はありません。

この想いは、本のタイトルに結実しています。「地方私大流」。東京からの情報ではなく、「地方」発信。この「地方」は地理的な意味ではなく、TOEIC 教材市場の中心を東京とするならば、自分たちはその中心には位置づけないという意志です。

出版界の穴を学生が埋める可能性、と言うと大げさでしょうか…。大げさですね。

1.2 7つのプロセスとは

実際のゼミ活動は7つのステップを踏んでいます。特に書き始める前の準備や構想が重要です。

まず、自らが学習者として多くの経験を持ちます。TOEICのような試験対策の勉強は、閉鎖的な学習環境に陥りがち。でも反面、出版は広く社会に向けたものです。

そこで、社会の不特定多数の中で、どのような読者のどのようなニーズに対して語るのかをじっくり考えます。

不特定多数に対しての発信を意識すると、執筆者自身の自己客観視が必要になります。「なぜ自分が書くのか」という点がはっきりしていきます。

実際に書き始める段階で、独りよがりに好きなことを書き散らしても商品にはなりません。本来の自分の立ち位置を忘れて、英語教師のような物言いになってもいけません。また、市場におけるライバルを意識することも重要です。既にたくさんあるような本をまた一冊増やしたところで、誰にも気づかれません。

以上をまとめると自己客観視のプロセスです。7つの段階を図にすると以下のようになります。

この図の具体的な活動内容は次回の更新でまとめます。

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この図の具体的な活動内容は次回の更新でまとめます。

1.3 他の分野、幅広い年齢層でも

ここでの実践事例はTOEICを題材にしていますが、題材は語学に限らずなんでも、また大学生に限らず、どの年齢層でも、何かを学ぼうとする場所、教育現場なら応用可能だと思います。次の記事からのプロセスも、特に英語という題材に拘らず、幅広く応用可能であるようにまとめていきたいと思っています。

素人こそが力を持つ。そんな学習出版はきっと誰かの学びの背中を押す力があると思うのです。









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