「"個"の時代」って?"限界費用ゼロ"社会で

一消費者、一個人が企業より早く正確に、良質なサービスを社会に提供するのが当たり前の時代になりつつあります。一消費者として「こんなサービスあったらいいなー!」を速攻で形にする。自分がそのサービスを作って、他の人にも使ってもらう。ノーコードがこれだけ普及していれば、限界費用ゼロで自分でプロダクトも簡単に作れます。

自分が「良い」と思った物であれば、人にとっても「良い!」と思ってもらえる可能性は高いです。他の人にも使ってもらえれば、自分が最初にサービスを作った労力に対し、少しお金(か、それに準ずる何か)を頂けばより健全な循環ができます。

上場などをしていれば尚更ですが、企業、特に株式会社は、株主価値を最大化することが目的です。そのため、大衆に対するアプローチが効率的で、一個人・一消費者が気にしている程度の範囲には、エネルギーを費やしません。1人ずつのニーズに合わせていては、効率が悪くなります。最大母数に対して人もお金も投資した方が企業の目的にとって、明らかに効率的です。

これまでの社会では何かサービスを提供しようと思ったら、大きなエネルギー≒お金や人が必要でした。ノーコードどころかインターネットすらなかったので、現実世界で数千万円投資して店舗を構えたり、人を雇って労働力を提供してもらうしかありませんでした。すなわち、これまでの社会では資本力、特に経済資本力=お金、を持っている方が圧倒的に有利でした。なので、企業しか参入でき無い部分が多くあり、今でも(特に経済的)資本力が大きい方が有利な商売が多々存在しています。

しかし今は、個人の方が有利な時代になって来ています。その理由は大きく2つあり、1つは「インターネット」という魔法の利便性。もう1つはそのサービスを創り出そうとしている個人本人が「消費者」であるということです。

全く同じサービスを企業と個人が作り出そうとしたら、どちらが早いでしょうか?もちろんお金が掛かることであれば、企業が有利かもしれないです。ただ、前提条件を「限界費用ゼロ」事業としたらどうでしょうか?つまり、人や物を一切投入せずにできる事業です。どんなにスモールビジネスでも人の手が掛かると思うので、現実にはありませんが、理論的には限りなく「限界費用ゼロ」に近似的に近づいているというのは事実です。

話を戻しますが、企業は「マーケティング」をしなければいけません。ターゲットを考えたり、価格を決めたり、競合がどんな経営活動しているか、その前に大きな市場があるのかどうか、自社が投資するべきかどうかもしっかり調査しなければいけません。面倒ですが、消費者の方にヒアリングや現地調査もしなければいけないかもしれません。

それに対し、個人が同じサービスをする場合どうでしょうか。自分自身が消費者なので、全て必要ありません。ターゲットは自分自身ですし、別に大きくする必要もないし、収益と労力やリスクとリターンを大きくするかどうかも自由です。値付けや使いやすいかどうかも、全部自分に聞けば良いだけです。企業が投入しなければいけない手間を超ショートカットできます。

既に企業間でもスタートアップ企業に数多くの大企業が資本投入しています。ローカルでは地元の金融機関や大学などの教育機関や大手企業やベンチャー企業などが一緒になって、プチシリコンバレー並みのエコシステムが出来上がっている地域もあります。

サービスの担い手がどんどんスモール化して行っているので各自個人個人が自分自身が「創り出す側」に回ることを意識しなければいけません。創り出すことに慣れておいた方が良いでしょう。

逆に企業はどうか、それは企業にしかできない価値を追求するしかありません。大衆向けの商品でも物や店舗が必要な事業もまだまだあり、それは当然お金が必要です。少なくなって来ているとは言え、大きな資本投下が必要なビジネスはまだまだあり、その点では企業が圧倒的に有利です。

お金もそうですが、人もそうです。個人で出来ることは個人でやった方がお金や人のコストにおいても、エネルギー面で健全です。であれば会社組織でしか創り出せない価値を追求し、そこに焦点を当てるべきです。

「働き方」という言葉だけで片付けるには安直過ぎる気がするくらい、会社を中心にした事業や組織、そしてそれを取り巻く社会全体が「個」の方にシフトして行ってます。

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