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家事と育児を工夫する(1)
日頃から子供の事や子供の学校生活の事が頭の中を占めていて、仕事と育児の両立や家事をテーマに書くことは稀だったが、前回までの流れを継いで家事の工夫や子供との時間を捻出するためにどんなことをしているか書いてみようと思う。
子供が増えるたびに家事を手放す罪悪感が減った
私の中で家事に関して最初に大きな変化が起きたのは、第二子の次男が生まれた時だったのだが、まず一人目の長男の時は、いかにして子育てと家事を両立し、完璧を目指すかしか考えていなかった。ロールモデルは自身の母であり、専業主婦として朝昼晩家族のために台所に立って頑張っていた姿を思い浮かべ、育児休業中ならできるだろうと意気込んでいた。
料理も今では信じられないくらいバランスや調理方法、味、見た目を工夫し、ガスコンロ3つをいかに同時並行で使うか、時短の工夫をしたり、献立も予め考えたり、冷凍ストックを作ったり、時短や料理関連の本を図書館で借りては真似をして頑張っていた。
今や肉を焼いても塩を振るだけ、野菜もゆでて各自ドレッシング、基本どれも薄味で、夫からは「素材の味を活かすというか、原始的な調理方法だね」と褒められている。
妻が達観すると夫は逆に一工夫したくなるようで、肉や魚を焼くにも片栗粉をつけてみたり、下味をつけたり、素麺も薬味を工夫したりし始める。
夫も今でこそ家事も育児も率先してやるが、長男が生まれていきなりそうなったわけではなく、私が夫に不満を募らせ、夫はそんな妻がいる家に帰るのが億劫、夫婦のクライシスかと思う時期もあった。
第一子の時は意気込みすぎて夫のお弁当まで作っていた。夫の健康を考えたからである(あの夜泣きの激しい長男を育てながらよくやったと思う)。しかし夫はこれがまさかのストレスで、お弁当のない日は反動でハンバーガーを食べていたと言う。なんてこったである。
以降、頑張りすぎも良くないし、自己満足なら意味もなく、また割にも合わないと思い、それまでは夫の帰宅までにシンクもピッカピカにしておくノルマを自分に課していたが、洗い物や野菜の切れっ端は敢えて残し、如何に大変であったかが一目で伝わるように工夫した。
こうあるべきという思いが強かった
私が長男を生んだのはもう12年も前のことになるが、その頃の私は家事で手抜きをすることに罪悪感があり、良しとできなかった。それが次男が生まれたことで、「子供が二人になったのだから、何かを半分にしなくては」と思えるようになり、堂々と胸を張って家事を半分にする自分をよしとできたのだった。手放せた時の開放感は鮮明に覚えている。
次男がそう思わせてくれたんだと、次男に感謝の気持ちでいっぱいになったし、この子のためにも時間を作ってやりたいと思った。そこからはどうやって家事を楽にしていくかという考え方に変わっていったと思う。
それに究極的には、必死になって家事を完璧にするより、何もしないけど笑っていてくれる母の方が家族も幸せなのではないかと思った。
「母はただ笑っているだけで良い」そう思う瞬間が増えていった。現実は難しいけれど。
こうなるともうタガが外れたように、長女が生まれた時には我ながらちょっと行き過ぎたかもと思うくらい、離乳食も市販のものを使いまくり、以下の瓶入りの離乳食を、今回だけ、今回だけ、と使っていたら、溜まった瓶が重くなりすぎてゴミ捨て場まで持って行く時に持ち上がらず軽く衝撃を受けた。45リットルの透明なごみ袋の下20センチが埋まっていた程度なのだが、見た目より相当重かった。
赤ちゃんのごはんだけは自分で作りたいという気持ちは長男の時にはあったし、子供用に取り分けて作る方法などもやっていた。しかし次男あたりから、月齢がある程度に達したら、親と同じように作った食事を、食器の中でハサミで切れば良いじゃないかと、わざわざ別に作ることはなくなった。ハサミ大活躍である。
調理に手間暇かけるのも愛情だが、その間に子供が泣いていることもあるだろう。泣いたらすぐ抱っこできる方が良かった。それに、長女とはどうやったって、人生で一緒にいられる時間は上の子たちより短い。なるべく濃密な時間を過ごしたいと思った。
子供と料理
我が家は子供が3歳になったらマイ包丁とマイまな板を与えて親と一緒に料理をさせていた。先の丸くなった包丁で、でも切れ味は本格的である。
もっと小さい時から偽物の包丁でバナナを切ったり、豆のスジ取りなど、下処理のお手伝いはよくしてもらっていた。
子供たちもお手伝いは楽しかったようで、喜んでやっていた。そのうちしっかり戦力になる。私の祖母が畑で野菜を作っていたため、ゴーヤ12本、キュウリ20本、ナス10本などの単位で送ってきてくれていたのだが、これを週末に家族総出で手分けして切り、調理していた。
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とても充実した時間だったと思うが、長女が生まれるのを前に、週末の時間の使い方をもう少し工夫したいと思うようになった。毎週末何時間も料理をする以外にも、できればもっと出かけたり、時間の使い方のバリエーションも増やしたいと思った。それに年齢差のある子たちが3人いると、ニーズも違うため、父と母で分担してそれぞれの子にあったアクティビティもやりたいと思った。
しかしそうすると料理をする時間がなくなる。すると平日が慌ただしくなる。そこで、意を決して料理をアウトソースすることにした。
(2)につづく