続・子どもの心を診る(2)
B医師との初回診察で、長男が忘れ物が多いことが少し気になるとのことで、ADHDの検査をしてみましょうという話になった。さらに、ギフティッドの場合、自閉的特性も同時に併せ持つこともあるため、こちらも調べてみましょう、という話になった。
忘れ物の多さについては、私が書いた文書15枚を読まれて判断されたのだと思う。長男のストレスの根本がギフティッドと関係していると思って、私の方で長男についてできるだけ沢山のことを文書にまとめていた。
心理士との面談
別の日に予約を取って、夫が心理士の方と2人でPARS(親面接式自閉スペクトラム症評定尺度)を使って自閉的特性の有無を確認した。PARSに基づくと、自閉的特性はないという結果になった。
今度は長男が心理士の方と2人で会話(行動観察含む)した後、絵を描いて現在の心理状況を診てもらった。
まず会話では、今何に興味があるのかと訊かれて、(私の理解が間違っているかも知れないが要約すると)「感覚や感情がなぜどのように生まれたのか興味がある。万物は元素で出来ていて、元素そのものに感覚はないはずなのに、なぜ元素が組み合わさってできてた生き物が痛みなどを感じることができるようになったのか興味がある。」と言ったそうだ。
もっと細部にわたって色々話したようだが、要するに、なぜ痛みを感じるのか?と言われたら、そりゃ神経があるからでしょ、ではなく、その神経も元素でできている訳で、ならどうやって元素から感覚が生まれたのかが知りたい、ということらしかった。感情もしかり。
私がその話を聞いて「仮説は?」と訊いたら、「生命の神秘」と返ってきたので、「生命の神秘って、そらそうかもしれないけど、それだと説明になってないと言うか、生命の神秘で良いなら誰でも言えるがな」と言ったら、夫と長男に白い目で見られ、「物を知らないと話が通じないなー。」と言われてしまった。
「生命誕生は生命の神秘だよね?今でもどうやって生命が誕生したかって、全ては解明できていないでしょ?そういう話をしてるの。」と一蹴されてしまった。
絵から見えてきた不安の強さ
描いた絵については、木、人、石、川、建物などの物を描いていくもので、心理士の分析では、「不安が強い方が描く絵の特徴が見られる。自己肯定感がかなり低いと思われる」とのことで、少し懸念すべき特徴が出ていたそうだ。
自分に対するポジティブな感情が少ないのは、言われてみれば思い当たる。長男は見た目ではパワフルであるため、ついつい忘れてしまいがちだが、周りが思っている以上に不安は強いようなのだ。
これは自分が周囲と違うことに気づいていて、それを意識することが多かったり、そのことで不安を感じることが多いことが一因ではないかと言われている。
確かに、上記の元素と感覚の話も、学校では絶対にしないと言っていた。なぜなら「なんで人間は痛みを感じると思う?」と質問して、「神経があるからに決まってるじゃん」で皆が納得しているところに、元素のことを持ち出しても、変人と思われるのが落ちだから、と言っていた。
(3)につづく