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保健所職員だった話④〜コロナで疲れ果てた人々〜

こんにちは。はれなです。

①〜③までコロナ対応業務の様子をお伝えしてきました。これまでの記事は最後に載せていますのでよければご覧ください。

さて、今回はタイトルとおり当時の職員の様子についてお伝えしていきます。

隙間の通常業務に疲労困憊

前回までの記事でお伝えしたとおり、職種とか関係なくただただ必死にみんなでコロナ対応業務をこなし、日中は鳴り響く電話に対応し続ける、そんな日々を過ごしておりました。

ただ、保健所の仕事というのはコロナ対応だけではなくて、医療、衛生、福祉など様々な分野のお仕事が通常業務としてあります。もちろんコロナ禍で緩和されるものもありましたが、住民のみなさんに関わる業務なので減らしようのないものもたくさんありました。

ではそういった通常業務をいつするのかというと、なんとか捻出した隙間時間と残業しか術はありません。保健所全体の人員も考慮しつつなんとか出張の予定を組んだり、時間外にコロナ対応業務をして、さらにその後に残業して通常業務の事務作業をする、心身ともに悪影響しかなさそうな時間のやり繰りを強いられました。

ドタバタ劇の応援職員

減らない通常業務とも戦いながらなんとか時間のやり繰りをいていると、そのうち他の部署から応援職員さんが派遣されるようになりました。応援職員さんも通常業務がある中で時間を作って来てくれていて本当にありがたかったです。

ただ、なんというか毎日違う人がコロコロ入れ替わりにくると受け入れる側もそれなりに労力が必要で、業務説明やら物の在処やら、人がたくさん来れば来るほど助かる反面みんなでわっしょいわっしょいドタバタ劇という感じでした。

そんな中で通常業務は部署内で調整して長期的に派遣される職員さんもいて、そういう方は本当にありがたかったです。毎日コロコロ変わる職員さんはやっぱりその日は頑張るけど定時になったらサーっと帰ってしまう方も多くて。別に悪いことではないのですが、その日処理しておきたい案件が残っていたら結局保健所職員が残業して捌いていくのが暗黙の了解だったので、そこを助けてくれる応援職員さんは本当に神様女神様みたいな気持ちになりました。

疲労困憊の末の保健所職員

なんとか他部署の人手も借りつつやってはいたものの、コロナの猛威は続きます。特に2022年の年明けしばらくしたころからの第6波、私の保健所時代さいごの波でしたが、今までとは比にならないくらいの感染力でした。今みでのアナログなやり方では全く追いつかない速さで瞬く間に患者さんが増えていきました。

この時は今までにないくらい職員みんなが疲弊した顔をして出勤していました。段々とみんな余裕がなくなってきて、保健所の中もギスギスしていき、より一層疲れていきました。

当時、私は保健所3年目でしたのでなんとか年度末で異動するぞ!と自分にまじないを掛けて日々やり過ごしていました。けれど、特に保健師など専門職の人たちは異動してもコロナと付き合っていく未来があったからか本当にやつれていました。

お隣の保健所では保健師さんが数名メンタル不調で休職を余儀なくされたり、私の保健所ではあと2年ほどで定年という専門職の方が「もう疲れた」と早期退職を選ばれていました。

保健所職員時代、みんな予防にはかなり気を遣っていたのでコロナに感染する人はほとんどいませんでした、私も例外ではなく今でもまだ未感染です。けれど、言っちゃなんですが、コロナにかかるよりもコロナの猛威と闘う方が余程体に堪えていたと思います。

まとめ

誰のために書いたということではなく、自分のために書き留めた文章ですが、ここまでご拝読いただきありがとうございました。

正直書いていて楽しい内容ではなかったので筆の走りは遅かったです。けれど、なんとなくこの経験は興味のある方には覗いていただけるような形で記録をしておきたいなと思いました。

今となってはコロナ禍も過去のものとなりつつありますが、またいつ社会的混乱がどんな形で起こるかもわかりません。これを書いたから何ということではないけれど、社会的混乱というのはどうしようもないもので、苦しむ人もいるけれど、2023年初夏のようにいつか社会が一歩進む時がくる。起こってほしくはないけれど、何かが起こってしまった時にそんな気持ちになれるようにしたいなと思い書き綴ったのでした。

改めまして、最後までご拝読いただきありがとうございました!


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