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J2第18節 大分トリニータvs徳島ヴォルティス プレビュー【制空権を握るものが試合を制す】

 こんにちは、トリノミカタです。前節はまたまたドローで4試合連続引き分けとなりました。停滞感を感じますが、怪我人が多い中で、直近6試合2勝4分け負けなしという結果は悲観する必要はないと思います。むしろ、毎試合課題に向きあって工夫と前進が見られるので、この苦しみが後半戦にきっと生きてくると思います。

 とはいえ、ホームでそろそろ勝ちを見せてほしい中、徳島をホームに迎えます。今回の記事では、徳島ヴォルティスの特徴と注目選手、大分の見どころをお伝えします。いつも読んでくださっている方、本当にありがとうございます。



徳島前節スタメン

徳島ヴォルティスの特徴

 今季の徳島は開幕から7戦1勝5敗1分と、スタートダッシュに躓き、3月末に早くも監督交代となりました。監督交代に伴い、大分でも活躍した島川選手やドリブラーの西谷選手が退団するなど、チーム内がゴタゴタする最悪のスタートとなりました。

 しかし、監督交代してからは徐々に調子を上げて直近7戦4勝1敗2分と、大きく勝ち越し、現在勝ち点19の15位と順位を上げてきています(大分は勝ち点23の10位)。そんな徳島の特徴は以下の通りです。

・3-4-2-1
・ハイプレス型
・ポゼッション型
・強度が高い
・身長の高い選手が多い
・選手層が厚い

 フォーメーションは、3-4-2-1です。監督交代前は4-3-3でポゼッションスタイルで攻撃的なサッカーを志していましたが、監督交代後は3-4-2-1に変更し、守備をまずは安定させ、ハイプレスと強度を重視した堅実なスタイルになっています。

 実際に1試合に5失点以上した試合が3回あったのが、フォーメーション変更後は最高でも2失点と守備に大きな改善が見られています。

 特に3CBが強固で、青木・森選手は183cm、カイケ選手は190cmと高さもあります。GKのスアレス選手はスペイン人でバルセロナのカンテラ(ユース)育ちで、セービングだけではなく、足元の技術と状況判断がしっかりしており、ポゼッションでも優位性を出せる選手です。

 最近は大分に在籍していた渡選手がFWのスタメンとして出ていますが、ベンチにはファンタジスタ柿谷選手や、チアゴアウベス選手、ドリブラーの高田選手など後半から勢いを出せる選手が揃っており、選手層の厚さも武器の1つです。

 全体的な印象としては、ポゼッションの練度はまだそこまではなく、シンプルなビルドアップをしてきますが、エウシーニョ選手柿谷選手チアゴアウベス選手など個の能力で剥がして優位を作ってきます。ベテランのボランチ永木選手も気の利いたポジショニングと強度の高さで攻撃を支えます。流れが悪い時には永木選手がアンカーに入り、4-3-3に変形もできるので戦術のキーマンです。

 そんな選手層の厚い徳島の中で、特に注目の選手を以下に挙げていきます。

徳島の注目選手

 まずはエウシーニョ選手(34歳)です。エウシーニョ選手は川崎フロンターレ時代にベストイレブンに2回選出されており、右SBながら足元の技術がしっかりあり、一人で状況を打開できてしまう選手です。最近は年齢の影響なのか、毎試合スタメン出場はしていませんが、出れば攻撃で違いを見せられる選手です。まずこの選手がスタメンに入っているか注目するといいと思います。

 2人目は渡選手(30歳)です。大分にも在籍していた選手で、2016年シーズンにはJ2徳島で35ゴールを記録しているストライカーです。近年はゴール数が少なくなっていた印象ですが、今シーズンは既に5得点しており、復調傾向にあります。特徴は闘志をむき出しにした強度の高いプレーで、身長はそこまでないながらも、ポストプレーをこなし、積極的にシュートを打ってきます。プレスのスイッチ役にもなっているので、渡選手が出てきたらハイプレスをかけてくると思っていいでしょう。

 3人目はチアゴアウベス選手(31歳)です。過去にガンバ大阪やサガン鳥栖に在籍した選手で、今シーズンの途中から徳島に加入しました。推進力のあるドリブル強力な左足が武器で、J2では「チート級」と言ってもいいでしょう。スタメン出場の可能性もありますが、直近はベンチから流れを変えるジョーカーとして使われています。セットプレーのキッカーとしてエグいシュートを打ってくるので、フリーキックの際は注目してみてください。


前節の大分の振り返り

 前節の山口戦は、水戸戦で出た、「ハイプレスを相手にかけられた際にもしっかり繋げるようになる」という課題に向き合った試合でした。具体的には以下のトライをしていました。

・ボランチが降りて3CBに変形してビルドアップ
・左右のIH(中川・野村)とが中盤にポジショニングしてパスの受け手となる

 この工夫により、相手の2トップによるプレスにはまることなく、安定したビルドアップができるようになりました。しかし、怪我人の影響もあるでしょうが、受け手の選手が多くなり、ゾーン2(図1を参照)にはいけるものの、ゾーン3で仕掛けられる選手がおらず、最終局面での怖さがなかったと思います。

図1

 茂選手が怪我で出られず、ボランチの保田選手が右SBとして出場したこともあって、クロスの質も高いとはいえず、長沢選手の高さも活かすことはできていませんでした。3連勝していた山口に対して、苦しい台所事情の中、なんとか勝ち点1を取れたという試合だったと思います。


大分の見どころ

 今節も、サイドバックをできる選手が野嶽選手しかいない可能性が高いです。今節まで保田選手がいるので今節もサイドバックで出場するのでしょうか。4バックで無理やり行くのか、それとも最近少しずつ試している3バックでトライするのかが1つ目の見どころです。

 個の能力が高い徳島に対して、3バックで合わせてミラーゲームに持ち込むのは分が悪いので、行けるのであれば4バックで臨みたいはず。しかし、3バックの練度を高めることは、今後のオプションとしてもあった方がいいので、この際しっかり3バックを試すことも今後につながるトライにはなると思います。しかし、まだ積み上がっていないので、苦しい戦いにはなってしまうでしょう。

 対徳島の見どころとしては、セットプレーが1つの見どころです。徳島は身長の高い選手が多く、セットプレーが1つの武器です。大分も長沢選手(192cm)や安藤選手(190cm)など高さが特徴の選手がいるので、セットプレーでやられない、こちらのセットプレーで点を取ることが重要になります。お互い崩しという面では、課題を抱えているので、セットプレーが勝利の鍵になると思います。


最後に

 今動ける選手の中で、チームは工夫を凝らしてトライしています。今節も劇的な変化は望めないでしょうが、チームが1週間どのような準備をしてきたかを観るだけでも面白いです。今節はフォーメーションがまず楽しみですね!

 この状況で、徳島に勝てれば7戦負けなしとなり、負ければ5戦勝ちなしとなります。チームがポジティブに進むためにも重要な試合です。ホームで勝って後半戦に向けて勢いをつけましょう!!

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