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ビットコイン誕生前夜 Winny

 私が社会人の第一歩を踏み出した1970年に生まれ、42歳で亡くなった天才の金子勇さん。惜しい! 残念でたまらない。
 サーバーがなくてもパソコンとパソコン間のPeer to Peerでデータを交換する技術を開発し、2004年著作権違反ほう助で逮捕・起訴され無罪となり、検察側控訴が棄却になる2011年までの7年間裁判を続け、2013年死去した。
ここに金子さんの足跡について詳しい記事がある。
ED法を求めていたらしいです。
 この事件は、下記の日本の産業がターゲットとなった事件の一つだ。
 なぜ日本の警察や検察は彼の最も活躍できる大切な時間を奪ったのか。
 それほど日本の発展を阻害したいのか。

日本の産業が大きなダメージを受けた事件
・1982 IBM産業スパイ事件
 日立と三菱の技術者が米国でFBIに盗品移送幇助罪で逮捕された。
 互換機路線で急成長の日本の大型コンピュータ産業がターゲット。
・1989 日米構造協議
 日米貿易摩擦交渉にて、非関税障壁としてBTRONが取り上げられた。
 学校に配備予定だったPCのOSのBTRONを取り止めた。
・2004 Winny事件(本記事)
・2006 ライブドア事件
 ホリエモンが2004の決算報告に虚偽記載があるとして逮捕された。
・2014 STAP細胞事件
 画期的な多能性幹細胞として期待されたが、その存在が否定された。
 小保方晴子さんの論文が取り消され、検証実験は打ち切られた。

 彼の死因は心筋梗塞だとのことだが、暗殺説、現在も生きている説、ナカモトサトシ説などが囁かれている。どの説も根拠が怪しいが、技術的側面から見ると、金子勇ナカモトサトシ説が震える。少なくとも彼のPeer to Peer技術はビットコインに近い。
 ビットコイン論文は「どうしたらWinnyで金融機関を通さない直接の取引を可能にできるか」を論じた論文ともいえる。
 下記でも書いたが、ビットコイン論文の課題の解決策をWinnyで実現すればビットコインが出来上がる。
 彼が所有しているはずのビットコイン110万BTC(2兆円相当)が現金化されていない点は彼がもうこの世の人ではないからだと言う人もいる。

サトシナカモトの正体は? 論文の内容や大量のビットコインの行方を解説 – Mediverse|暗号資産(仮想通貨)の専門メディア (for-it.co.jp)

 私も一昨日、下記のように書いた。

WinnyやNapstarを使うと音楽やゲームが無料コピーだらけになって、原作者や関係業者から恨まれてあのような結果になった。ちゃんと買ってくれた人だけに渡すことが保証できたならって、金子さんなら考えたかも。

  Winnyの分散台帳をブロックチェーンの「2重支払い問題」を解決したブロックに置き換えれば、それは即ちビットコインである。

日本に裏切られた天才

 こんな悲しい事件が映画にならないはずがない。

 陰謀論で語る人が多いが、私は先に書いた「個人ではとてもできない残酷なことが、組織ならできる」と同様の結果かもしれないと思う。
 警察や検察は、この事件は彼だけではなく、日本のIT産業の未来を奪うことになる事件だと認識した上で事件化したのだろうか。


【マガジン】BITCOIN
ビットコインシリーズ序文(本記事)
ビットコイン誕生前夜 Winny
ビットコイン誕生前夜 Napster
ビットコイン論文の先頭1ページを読むと見えてくること
ビットコイン実現のために解決すべき 二重使用問題
Peer to Peerネットワーク ブロックチェーンの基礎技術 その1
大福帳 ブロックチェーンの基礎技術 その2
ビットコイン マイニングとは
ビットコイン相当の 新たな暗号資産を作る方法
ビットコインとイーサリアム
ブロックチェーン ブロックを覗いてみる、コードを書いてみる
ビットコインで隠れ事件発生 オーバーフロー事件
ビットコインの隠れ事件2 チェーン分岐事件
ビットコインに関連した事件
法定通貨より仮想通貨はと考える人もいる

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ビットコイン誕生前夜からナカモトサトシが姿を現さなくなるまでの出来事をいくつかの記事で紹介しています。

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