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メンバーの心の傷つきを察知できるリーダーに

「トラウマ」「PTSD」という言葉を聞いたことがありますか。
これらは、心が深く傷ついたときに起こる症状です。
不幸にも、職場でも深く傷ついてしまうことがあり、トラウマを抱えるきっかけとなったり、PTSD症状を引き起こすことがあります。

リーダーとして、トラウマやPTSD症状を引き起こす要因となる出来事を把握しておくことは、トラブルを未然に防ぐ鍵となります。また、トラウマやPTSD症状がどのようなものかを知ることで、症状を抱えたメンバーに対して適切な配慮をすることができます。

私たちは心が傷ついたらどのような影響があるのか、どんなことで深く傷つくのかを理解しておくことは重要です。そこで今回は、トラウマとPTSDについて、一緒に考えてみましょう。


トラウマとは

トラウマとは、ある体験や出来事によって引き起こされる精神的な傷や心の痛みです。

トラウマには2つのパターンがあります。
一つは、非日常的な恐怖体験、打ちのめされるような体験です。
例として、交通事故、自然災害、突然の暴力行為などです。

もう一つは、日常的に繰り返された出来事です。
1回の出来事ではトラウマまでにはならなくても、日常的に繰り返される場合はトラウマとなります。例として、パワハラや虐待、いじめもトラウマとなります。


PTSDについて

トラウマによって生じる症状がPTSDです。心的外傷後ストレス障害といいます。
PTSDには「再体験」「過覚醒」「回避」3つの特徴的な症状があります。

再体験では、感情や記憶がよみがえります。激しい再体験はフラッシュバックといいます。悪夢をみることも再体験の一つです。恐怖を伴うとても苦しい症状です。

過覚醒は、リラックスできない、興奮状態でイライラや焦りがあり、くつろげなかったり、眠れなかったりすることです。心身ともに休めない状況です。

回避は、人付き合いを避けることです。長期化すれば引きこもりになります。

これではとても安心して日常生活を送ることはできませんよね。


日常的に繰り返された出来事によるPTSD

日常的に繰り返された出来事の場合は、PTSDがより複雑化する傾向があります。

感情の制御ができない
強いネガティブな感情が和らがなかったり、感情に襲われて制御できなかったり、感情を感じること自体を避けてしまいます。

ネガティブで否定的
どうせ自分なんて・・と否定的に捉えたり、人は信用できないと人間不信になったり、世の中は辛いことばかりとネガティブな見方になってしまいます。

対人関係の距離感がとりづらい
誰を信用していいのかわからなくなり、親しくしたいのにできなかったり、逆に信用できると思うと距離を縮めすぎてしまったり、人間関係がギクシャクしがちになります。

コントロールしてくる人の言いなりになりやすい
支配と屈従の関係が心に定着してしまうため、他の人間関係でも支配と屈従を再現してしまいやすくなります。屈従だけではなく、自分が支配側になる場合もあります。(余談ですが、虐待が連鎖するのはこのためです)


トラウマの癒し方

トラウマで傷ついた心を癒すためのポイントは2つです。
人生は自分で再構築できる、という自分への信頼を取り戻すこと
人を信用できる、社会は信用できる、という安心感を取り戻すこと

2つのポイントを踏まえて、トラウマを癒す際に欠かせないものがあります。
それは、安全な居場所を確保すること、日常生活を脅かされることなく安全だと感じられる環境を整えることです。
職場の場合は、リーダーや周りのメンバーの協力が不可欠です。。

また、メンタルコーチやカウンセラーなどの治療的援助者と長く関わることで、人と社会への繋がりを回復し、傷を癒すことがとても大切です。

PTSDの症状が生きづらさとして定着してしまうと、本来の自分らしい生き方ができなくなり、持っている力を発揮することができなくなってしまいます。そうならないために、一刻も早く回復できるようぜひ専門家を頼ることも検討してみてください。


リーダーとしてのサポート

最後に、リーダーとしてできることはどのようなことがあるでしょうか。

メンバーがどのようなことでストレスを抱えているか関心を持って接することができるといいですよね。この場合は、無理に話をしようとしなくてもとにかくメンバーを気にかけておく、という姿勢が大切です。

また、メンバーの休みが増えたり、極端に静かになった場合は、パワハラの可能性を考慮するなど、普段から兆候を見逃さないようにしたいですね。

メンバーが安心して働ける環境、信頼できる職場を提供することが何よりも大切です。みんなが生き生きと働ける職場になるように取り組んでいきたいですね。


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