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仕事算の問題について考えてみました

中学受験算数の文章題の名物「特殊算」のひとつに仕事算があります。

個人的に結構好きなタイプで、例えば、「ある仕事をAさん一人でやると3時間、Bさん一人や出ると2時間かかる。AさんとBさん二人でやると何時間かかるか。」というような問題です。

2人でやれば2時間よりもずっと早く終わるはずです。

<仕事算の典型的な解法>
STEP1: 問題文に基づいて全体の仕事量を考える。
 具体的な値がなければ全体の仕事量=「1」とおく
STEP2:  単位時間あたりの仕事量を出す。
STEP3: 最後に、問題が求めていることに対して「仕事算の公式」を使う!
   単位時間あたりの仕事量 × 時間 = 仕事量
   (求める部分を▢として計算する)

<例題>
ある仕事をAさんがやると72分、Bさんがやると87分かかる。
Aさんが48分やった後、残りをBさんが1人でやると、全ての仕事を終えるのに何分かかるか。

解法をあてはめると、

全体の仕事量=1とする。

1分当たりの仕事量は、Aさんが1/72、Bさんが1/87、

Aさんが48分やると、1/72*48=2/3の仕事量が終わったことになります。

残りの仕事量は1/3

これを仕事算の公式に入れ、1/3 = 1/87 × ▢

▢=(1/3)÷(1/87)=(1/3)×87=29 分となります!

このまま答えにすると不正解になってしまいます。

問題文で聞かれているのが「全ての仕事を終えるのに何分かかるか」だからです。

Aさんがやった48分を足さないといけません。

ここまでできればめでたしめでたし。

でも、何かスッキリしません。

1/87のような分数が出てきて、さらにそれを使った「分数の割り算」をしなければなりません。

計算の手順としてはわかりますが、分数で割るとはどういうことなのか具体的にイメージしにくい。

算数や数学に詳しくない親は子どもに教えにくいのです!

別に、仕事算として解かなければならない決まりはありません。

この問題で、Aさんが72分かかる仕事を48分やったということは全体の3分の2まで進んだことは仕事算を使わなくても分かります。

48を72で割るだけですから。

残りの仕事は全体の3分の1で、Bさんは全部やるのに87分かかるので、3分の1の仕事だったら、当然所要時間も3分の1。

87を3で割るだけ。

この問題であれば、わざわざ「仕事算」を使わなくても答は出せます。

問題が変わったらどうでしょうか?

<別の問題>
ある仕事をAさんがやると50分かかる。AさんとBさんが一緒にやると20分で終った。
Bさん1人でやると、全ての仕事を終えるのに何分かかるか。

これも仕事算ですが、全体の仕事量は1ではなく100にしたほうが断然わかりやすい。

Aさんの作業効率が、1分あたり2の仕事量、AとB二人合わせて1分あたり5の仕事量になりますから、B単独であれば、5引く2で3の仕事量

あとは100を3で割るだけです(答えが整数にならなくても問題ありません)。

分数の計算にならず、「仕事算の公式」を忘れていても大丈夫。

こうすれば算数や数学に詳しくなくてもイメージしやすく、子どもにも教えやすい。

特殊算というと、その解法パターンを覚えるのが大変という印象を持つかもしれませんが、簡単なことをわざわざ難しく考える必要はないと思います。

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