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【マジョリティVSマイノリティ!?】挑戦したくなる食事プランとは!


現状

自分自身の食生活を振り返ってみてください。あなたは普段「食事」に対してどのような「価値」を求めていますか?

現代を生きる人たちの食事に対する価値観は多様化しており、大いに変わりつつあります。実際に withnewsが2021年2月、「Yahoo!ニュース」を通じて、2千人のYahoo!ユーザーを対象に、食事についてアンケートを実施しました。(回答者は20代が6%、30代が19%、40代が36%、50代以上が36%)

ごはんに求めるものって何ですか? 今、考えたい「共食」の価値 (withnews.jp)

「食事に求めるもの」についての調査を行った結果、「美味しいものを食べる楽しみ」が半数近い43.9%、次いで「栄養を採るため」が39.9%、「誰かとのコミュニケーション」のためと答えたのは12.8%にとどまりました。

この結果から「食事に求めるもの」として全世代の価値観は「美味しいもの、味への期待値が高い」人が大多数であるということが分かりました。

しかし、「Z世代のみ」に焦点をあててみてみるとどうでしょう。

SNSの普及により、インスタグラムなどのメディアを通していつでも情報を発信できるようになった今、Z世代は特に情報発信の頻度が高く、食に対しても、食の中身である「味」より「トレンドであること」、「SNS映えすること」、またその食を食べる場所、「空間へのこだわり」が非常に強いのではないかと考えました。

Z世代の現状

私たちは上記の考えを仮説とし、Z世代(21〜23歳)男女21人を対象に「食事に求める価値」についてのアンケートを実施しました。

アンケートの「食事には何を求めますか」という問いに対して「美味しさ」「コミュニケーションやテレビ視聴など(食事中に行う食事以外の行為)」「栄養摂取」「空腹を満たす」「視覚・匂いなどを楽しむ」「インスタなどに掲載できる(承認欲求を満たす手段)」の6つの項目を用意し、1~6位と順位をつけてもらうことで優先順位を測りました。

~結果~
1位 おいしさ
2位 空腹を満たす
3位 栄養摂取
4位 コミュニケーションやテレビ視聴など(食事中に行う食事以外の行為)
5位 視覚・匂いなどを楽しむ
6位 インスタなどに掲載できる(承認欲求を満たす手段)

表1
※「視覚・匂いなどを楽しむ」 「インスタなどに掲載できる(承認欲求を満たす手段)」を1番に選択した学生は0名であったため無記載。


ここから実は一人暮らし学生も実家暮らし学生も基本的に食(にまつわる体験)に求める価値は同じ「おいしさ」や「空腹を満たすこと」、ついで「栄養摂取」あることが分かりました。

私たちは事前に、生活様式(実家暮らし・1人暮らし)によって結果が異なるのではないかと予想していたものの、一人暮らし学生と実家暮らし学生で食に求める機能に大きな差はないことが分かりました。

ペルソナのエピソード

これらの調査を踏まえて、私たちは大学4年生の男性Tさんをペルソナに設定し、インタビューを行いました。 Tさんは、1人暮らしをしており、頻繁にジムに通って体を鍛えています。そんなTさんは食に関するルールをいくつか設けて生活します。
 
1つ目は、午後16時以降にカフェインを摂取しないことです。
カフェインが体内に残っていると、中枢神経を刺激し覚醒効果をもたらします。個人差をありますが、一般的に3時間から7時間効果があると言われています。それにより、睡眠のリズムに影響を及ぼす可能性があります。Tさんはそれを避けるべく、16時以降の摂取禁止のルールを自ら作り守っています。
 
2つ目のルールは、毎日200mlのトマトジュースを飲むことです。
飲む理由はカリウムの摂取です。カリウムを摂取することで、利尿作用を促進します。その際、カリウムと同じ量の塩分を尿とともに排出することができます。カリウムを野菜からではなく、なぜトマトジュースかと言うと、腐る心配がなく、調理する手間もなく、楽に摂取することができるからです。
 
また3つ目のルールとして、Tさんは趣味で筋トレをしています。その際には必ずようかんを持ち運んでいます。ようかんは、タンパク質でありトレーニングのエネルギー源になります。また、トレーニング後の摂取では、筋肉分解を抑制する効果もあります。Tさんは筋トレを軸に食事を取っているとインタビューでおっしゃっていました。
 
他にも、調理の手間をかけず、栄養価の高い食べ物を摂取するために、納豆やもずくなどのパック食品も夕飯で1品必ず食べる習慣があるそうです。

ペルソナの意識とZ世代の意見

一方で、Z世代の現状で述べた通り、Z世代の多くは食に対して栄養摂取ではなく、「おいしさ」や「コミュニケーション」などの体験的な価値を求めています。また、SNSが活発に利用されている中で、Z世代は食事にビジュアル的な価値を求めている傾向もあります。
 
これらの特徴の中で、私たちは栄養摂取のためのマイルールづくりを最も特徴的なエピソードだと感じました。上記の様々なエピソードから、ペルソナは食事に対して、「栄養摂取」という機能的価値を求めていることが分かります。

結論

これらの特徴的な情報から、ペルソナはZ世代の中でも特に、「食事には栄養素などの機能的要素を最も重要視する人物だ」という仮説を立てました。食においしさを求める意見が最も多かったなかで、おいしさやワクワク感よりも栄養を摂取しようと決まった食生活を繰り返す姿勢が印象的でした。

アイデア

上記の仮説をもとに、私たちは「新たな食体験」について、2つのアイデアを提案します。

①憧れの食生活キット「あこがれキット」
このアイデアは、アイドル、サッカー選手、ボディビルダー、修行僧など、憧れる・挑戦したいと思うロールモデルの食事に挑戦できる宅食サービスです。細かくジャンル分けされた職業や特徴を選択すると、選択した期間に料理が配達されるサービスです。

図1

これは、ペルソナの食事に対する「栄養摂取のために食事を行う」という考えを「楽しさやワクワクを食事で感じる」に変化させようと作られたアイデアです。ダイエットに励むペルソナはアスリートの食事を選択し、効率の良い栄養摂取を行うことができるほか、何が届くかわからないワクワクもあります。

②見たことがない食事の宝庫「ピエロ食堂」
このアイデアは、ゲテモノ料理や創作料理などを、「見たことがない」をコンセプトに料理を提供する食堂です。

図2

ペルソナの「食事には見た目や美味しさよりも栄養素などの機能的要素を重要視する」という仮説と、日常的な「話のネタになって、面白いと思ってもらえるのなら、なんでも挑戦できる」という特徴から導き出したアイデアです。衝撃的な料理は、友人や家族との話のネタになること間違いありません。

ペルソナのフィードバックとZ世代の意見

上記の2つのアイデアに対してのペルソナ、そしてZ世代の意見を調査しました。

①憧れの食生活キット「あこがれキット」
ペルソナは、月4,5万円程度までであればお金を出してでも買いたいサービスですとの高い評価をいただきました。ペルソナは栄養バランスなどに強いこだわりを持っているが、栄養素の完璧な管理はとても難しく理想を叶えられないことに対して頭を悩ませていることが分かったため、その課題にも効果的に貢献できそうです。

このアイデアで、憧れの人がこの食事を食べてあの肉体を獲得しているのであれば自分もできる、食事のせいではない!と食事に抱えていた漠然とした不満・不安感を払しょくする材料になると考えていますとの意見もいただきました。

②見たことがない食事の宝庫「ピエロ食堂」
ペルソナからは、食に対してチャレンジングでいられる友人といる時などに一度訪れてみたいとの評価をいただきました。ペルソナはこのピエロ食堂での食事を機能的な価値(空腹を満たす・栄養を摂取する等)よりも、イベントとして楽しめる体験としての価値が高いサービスであると捉えているそうです。

◎Z世代からの意見

憧れの食生活キット「あこがれキット」に対して、Z世代21名にアンケートを取ったところ、8名の方からは「お金を払ってでも試したい」との評価を得られ、同時に提示した4つのアイデアの中で最も評価が高いアイデアでした。(共感度・評価は下記グラフを確認してください)

高い評価をつけたZ世代の意見としては
・この人になりたい!と思いながら頑張れそう
・実際に推しみたいになりたいという想いが強いため挑戦してみたい
・機能的価値に加えて、ストーリー性があるためより価値があるサービスである
などの意見が挙げられました。

対して「お金は払いたくない」と答えた方の意見は
・理想は理想。骨格や顔などを変えることには限界があると思ってしまう
との意見が挙げられました。

表2

②見たことがない食事の宝庫「ピエロ食堂」に対して、Z世代21名にアンケートを取ったところ、Z世代の大半が
・虫やゲテモノは嫌い。
・食で冒険したくない。
といった理由から挑戦したくないと回答したアイデアでしたが、ペルソナは、「見たことがない」や「不気味」などの、一般に受け入れられてはいない食事を食べられることは、目立ちたがり屋であり、食以外でも様々なことに挑戦したいと考えている私にとってとても魅力的で、1度は試してみたい!と積極的な意見を頂きました。

他の試してみたいと回答された方は
・友達と興味本位で行ってみたい。食事というよりアクティビティ的な意識で望みそう!
とのコメントを頂けたため、彼のような「嫌がること・避けたがることをあえて選択したがる人」にウケるサービスなのかもしれません。

表3

まとめ

現代の食生活に対する価値観は多様化しており、世代ごとに異なるニーズが見られます。特にZ世代は食生活に対する価値観が多用してきていることがアンケートなどから分かりました。従来の「おいしさ」や「栄養摂取」といった機能的な側面のみならず、「トレンド」や「SNS映え」といった新しい価値も求めるかた多く存在することが分かりました。一方で、特定のペルソナでは「栄養摂取」や「効率性」を重要視する人物も存在することもわかりました。

そこで私達が提案する「憧れの食生活キット『あこがれキット』」や「見たことがない食事の宝庫『ピエロ食堂』」といった新しい食体験は、Z世代の多様な価値観に応えるアイデアです。前者は、栄養バランスを保ちながらも楽しさや憧れを提供するサービスであり、後者は冒険心をくすぐるユニークな食体験を提供する場です。

これらの提案を通じて、Z世代の多様な価値観に応じたサービスを提供することで、食の楽しみをさらに広げていくことができるでしょう。

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