木曾文学にみる山のなかのこと
「木曾路はすべて山の中である」
という書き出しは、もう皆さんご存じの作品です。
この作品は、国学という思想が軸になって、新しい世が来たのに波に乗れぬ人間や家族地域の波乱の物語。島崎藤村の父がモデルとされますが、キャラクター名が違うことから、多分な脚色がされたことだろう。
馬籠宿が島崎藤村のふるさと。
木曾路はすべて山の中とはいうが、馬籠は木曾路の開けた南端。恵那山が遮られず眺められるのだから、まだいい。
木曾路のハイライトは中山道が江戸と今日の中間にあたる地点である。
ここから見上げるのは、木曾駒ケ岳。登ったことがあるけど、かなりしんどい山です。
ここまで来たら、きっと誰もが、こう思う。
「木曾路はすべて山の中である」
であると……。