近藤太一

詩やシナリオ、小説などを書き描きします

近藤太一

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最近の記事

ユリイカ掲載

2024年2月号のユリイカに今月の作品として詩が掲載されました! 「蜘蛛」というタイトルです。 今月の作品としては初めての掲載ですので非常に嬉しく思ってます。 書店で見かけた際には是非ともお手に取ってみてください。 ちなみにあまから手帖はコーヒー特集です。 コーヒーが好きなので詩を描いているときも自分でコーヒーを淹れたりしています。 これからもたくさん言葉を糸みたいに垂らしていきますので、ひそひそと応援お願いします🤲

    • 詩:かたち

      同じ大きさのさんかくを持っていても 僕とあなたのとでは くっついているトゲの数も違うし 感じている重さもやっぱり違う 辺の長さを変えてはみたが 僕の思った長さとあなたの伸ばした長さが違った いびつなさんかくを持ってみたら しかくのような形にみえた あなたはまるだといった それは結局形を伝えられなくて できあがった三角だとあとからしった

      • 詩:ぼくがしっていること

        ぼくは しっている うちゅうじんは タコのかっこうをしているってこと このあいだの おべんとうの タコさんウインナーは うちゅうじんだってこと もし おべんとうを のこしてしまうと タコさんウインナーは しょうたいをあらわして うちゅうじんの すがたで がっこうを しんりゃくしていくのだ そのことを ぼくだけがしっている だからぼくは うちゅうじんを たいじするために タコさんウインナーを たべている

        • ココア共和国 2023年10月号 佳作掲載

          毎月投稿しているココア共和国の10月号に詩が掲載されました。 電子版のみ掲載です 【無用看板】というタイトルで掲載されています。 芸術のあり方を少し皮肉ったような詩になっています。 お手に取った方はぜひ読んでいただけると幸いです

        ユリイカ掲載

          詩:カレー

          カレー ぐつぐつ煮込んでいいにおい ひいひいするのを想像しながら ターメリックにコリアンダー クローブ シナモン ナツメグを ごりごりつぶして鍋に入れる たくさんスパイスを入れて ひらめいた隠し味 りんごを粉々にし 蜂蜜を悪い顔でかけている 出来上がったそれを 彼はなんと ごはんの上にかけた なんでそんなことするの? 裏切りだ ライスの上にカレーをかけるからカレーライスだと彼はいう クリームコロッケはコロッケが主役 これはカレーが主役だからライスカレーだとわたしはいった 些

          文学フリマ大阪11に出店

          2023年9月10日 OMMビルにて開催される文学フリマ11に出店することになりました。 ひねもすブレンド サークル「ざっそう畑」にて詩集【ひねもすブレンド】を販売します この詩集は、今まで雑誌ココア共和国で傑作選や佳作に選ばれた作品を中心に 他にもユリイカで佳作になった「路地裏の海」や新たに書き下ろした詩が16篇つまった詩集になります。 表紙や中のイラストは「にんにん」さんに描いていただきました。 文学フリマは初参加ですので、不安はつきものですが同時に楽しみでもあり

          文学フリマ大阪11に出店

          詩:死

          死 思い出はいつもくるぶしを触っている 手加減できたときから ようやく始まりの始まり 満足できたと言えることが 少しずつ小さいかけらを噛んでいる 振り返るもの 小さく怯えるもの 歪んだ顔の結晶たち それらがやがて風化する前に 今を生きていくのだろう だんだん畑は苦い夏だった 植えた苗が大きくなり始める頃 手のひらの小ささに気づいてしまう 日差しの強い坂道を 駆け降りた先にあなたの笑顔が見えると うまく呼吸をすることができました コンクリートで塗り固められた苦い思い出も は

          ココア共和国2023年9月号

          今月のココア共和国に「半額シール」という詩が掲載されました。 先月号に続き傑作での掲載なので嬉しく思います。 「傑作」に選んでいただき、紙書籍版と電子版の両方に掲載されています。 スーパーで働いているぼくを主人公に、そこで起こるそわそわした出来事を詩にした内容です。 お知らせ:9月10日にOMMビル2F A・B・Cホールで行われる文学フリマ大阪11にてサークル【ざっそう畑】で、 【ひねもすブレンド】という詩集を出します。 ココア共和国に掲載された作品や、ユリイカで佳作にな

          ココア共和国2023年9月号

          詩:左手

          左手 右手の空白を埋めている時間は退屈で 包まれた寂しさの手の甲と優しさの手のひら 溶け切った昔の接着剤を思い出す 別の日には人差し指と中指を繋いだら 他の指がヤキモチをやく 囁き声が聞こえるのは これ以上くっつくと別れるのが辛くなるからで あなた専用の爪痕がわたしのより大きいから 最近できた傷の深さはかさぶたにもなっていない 風化したときに気がつけばそこはほくろができている ぽつんって絵の具をたらしたみたいに 数えた分だけしわくちゃになってもまだ好きでいられる気がする 眩

          詩:自分蹴り

          自分蹴り 人工衛星がついてまわる 見られている ずっとずっと見られている 目には目を 目には目に 目が目に 地上に落っこちると 大きな穴をあけた 穴が大きくなっていくほど 内面世界は広がっていく もっと物語を紡げるようになって どんどん大きくなって最後は爆発する そしたら死のう 自分の世界で自殺しよう 本当に殺すんだ 被害者はおれ 加害者はわたし 目撃者はぼく みんな自分 死を救済だとは思わない みんな死を望んでいるんじゃなくて 生きたくないだけ 地

          詩:自分蹴り

          詩:手と手

          手と手 テクテクの距離を手を繋いでいると なんだかムズムズする ゆくゆくの景色より 手のひらの汗のほうが気になるんだ それでも君とのわくわくはいっぱいで いつのまにかドキドキしていた でもね それがすごく心地いいんだ 明日だって 明後日だって 手を繋いでいたいって 思える日々のステップ

          詩:詩

          詩 言葉は常に詩と隣あわせで存在している 詩が近くにやってくると言葉を発することはない 詩は苦しみから解放されるが その人の詩の姿をみた人は涙をこぼす 詩は誰にでも訪れる 詩の存在が消えてしまっても その人の心に刻まれるとしっかり残っている 毎日詩人が増えていくと産まれる赤ん坊も増えている みずから詩を選ぶやつは愚かだと誰かがいう 詩は重たいものでもあるし軽くもなるからだという だが詩は決して救済ではない 地獄でも天国でも詩は奏でられる 詩はどこにある 詩は誰のためにある

          詩:生

          生 他人の描いた詩で生きていることを実感したくはない ハンドメイドライフを紡ぐ 締めはダージリンのアフターテイスト 昨日は地底人の似顔絵を描いて、地球人の友達を捨てた  今日は金色の絵の具で壁を塗って、掠れたインクで書いた履歴書を捨てた 明日は丘の上に家を建てて、ハンドルのない車を捨てる 自己認識が歪んでいることを誰もが知っていても それが存在を証明することにはなり得ない 不十分な素質で卵から生まれたとしても 夢の世界の住人の膣から生まれたとしても 現実味のない斧で叩

          詩: ミゾレ

          ミゾレ ネズミ色の空に降ってくる 寝顔の閉じた瞳の中にあの子が映っている 発砲した感情も最初は白だった 退屈な毛並みも色が滲んで よく食べる人だったと気づくようになる 泳ぎきれない不平等の深さ 聞けば太陽とは絶交寸前らしい 目があってもはしゃがないふり まだ早いから 生まれたばかりの機嫌の悪さと同じ 大発見するくらい人工的で 地面に顔を打ちつけそうなほど 傘が逆に邪魔だった 終わった時には空っぽの発泡スチロールが残っている 蛇口を捻ると水が冷たい よそ行き格好の飼育員の言葉を

          ココア共和国2023 8月号掲載

          今月のココア共和国で作品が掲載されました 傑作選に選ばれ「店員ロボット」というタイトルで掲載されています 来月は文学フリマ大阪に出店予定です ご来場の方はどうぞよろしくお願いします

          ココア共和国2023 8月号掲載

          詩: ぬすっと

          【ぬすっと】 ぬすっとにぬすまれたものを とりかえそうとしたが けーさつにいっても かたちのないものだったから あいてにしてくれなかった ほうりつにもふれることなく あいつはわたしのだいじなものの じかんをはやくさせた そうして いつのまにか ぬすっとは わたしのこいびとになった

          詩: ぬすっと