見出し画像

僕が吃音になった話【①発症】    

僕は前職のサービス業で初めて吃音になりました。
吃音とは言葉が出てこない状態をさします。
普通の人はこの状況はピンとこないかもしれませが、本当に言葉が喉に詰まってでてこないんです。イメージとしては喉に力が入り、キュッと閉まる感じになるのです。この状態に一番驚きショックなのは本人です。

僕の場合は決まった単語が出なくなったのです。
まず最初に「ありがとうございます」「いらっしゃいませ」など会社から言いなさいと指示されている言葉が出なくなりました。
その後、電話に出た際に発する第一声「お電話ありがとうございます」の一音目の「お」もでてこなくなりました。
そうすると無言の時間が10秒ほど発生してしまったり、「おおおお電話ありがとうございます」と盛大にどもってしまい、お客様も何事かと思われてしまう。さらには周囲の同僚にも怪訝な顔をされる。でも自分は下っ端だったので電話を取らなければそれはそれで嫌な顔をされる。そんな中、一日で少なくても20件程は電話対応が必要でした。電話の着信音がなるたびに心臓が張り裂けそうなくらい動機が激しくなりました。
さらには仕事の一環として館内アナウンスもする必要があり、その際も途中でどもってしまうと館内中に自分の吃音状態が流れてしまう。
そんな地獄な毎日を送っていると余計に苦手な言葉を意識してしまい、症状がひどくなる。そうするとまた意識してしまう。この悪循環でした。
よく家で声出しの練習をしていました。
次の回で書きますが、この練習が吃音を更に悪化させていたのです。
ただ自分ではわけがわからないのです。カラオケや友達と話すときはすんなりと言葉が出てくるのに特定の環境になると急に声が出なくなるんですから。

何とかこの状況を抜け出したいと、数万円する吃音克服の教材を買ったりしました。
ただ完全にはなくなりません。
こんな自分はまともじゃないと自尊心が傷つく日々、恥ずかしくて誰にも相談もできませんでした。
仕事の前日の夜、就寝前はいつもこのまま朝がこないでくれと本気で願っていました。

そんな僕でも今はほぼ吃音症状はでないです。
次回、自分が本当に悩んでいた時期にかき集めた情報の中から、今でもこれは有益だったなと思うことをお伝えします。

もしこの文章が吃音に悩んでいる人の目に届き、何かこの問題から抜け出すキッカケになれたら嬉しいです。


この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,344件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?