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部下の個性をサービスとして提供する。<部下の個性の見つけ方 その4>

私のチームは、小さいお子様にでも車の運転を体験できるアトラクション施設を担当しており、季節代わりにお子様向けのイベント企画・提案を行なっておりました。

当然、車に関するイベントが多いのですが、当時ハロウィンイベントを何するかで
悩んでおりました。

大体、チームの皆にブレストして企画を立案した人間が中心となりイベントチームを作るのですが、今回は私の中でコンセプトというか目的があり、概要に関しては
私が決めました。

<後輩達に、今までの人生は無駄ではなかったと感じてもらえたら>

それは、何か
①今いるメンバーにしかできないイベントをやりたかった
②中々陽の当たらないメンバーを中心にさせたかった。

以前にも記載しましたが、チームを運営する上で私がメンバーに発言した
「メンバー全員を主役にしていくから」がここにあります。

メンバーは個性な奴らばかりで、当然、リーダーをやりたがる子もいれば、
あまり表舞台に出てこない子もいます。古い管理方法だと、下手すると
後者の子は積極性がないと評価されるケースもあるかと思います。

向き不向きはもちろんあることを前提にした上で、本当は部下を上手く
活用できない上司も悪いのではと感じていた自分にとって
あまり表に出てこない子達も陽の当たることの喜びを知ってもらえれば
チームにとっても利益になるし、本人にとってもプラスになる、そう今でも
考えています。

ケース①:前職がネイリストだった女性メンバー。
ハロウィンイベントをどうするか考えた時、このメンバーが頭に思い浮かびました。彼女の採用面接をした時、前職のネイリストということで、同じ接客とはいえ
車業界という全く違う職種を応募したことに対して、私はこう聞きました。
「ネイリストに未練はないの?」

そうすると面接で彼女は泣いてしまいました。まあ、色々あったんでしょう。
個人的に接客が大事だと思っているのでそのスキルがあればOKと思い
採用を決断した私ですが、周囲から彼女の採用を大反対されたのを覚えてます。

そんな中で今回、彼女のネイリストというスキルと、会社としてのニーズ(ハロウィンイベント)が合致したと思い、フェイスペイントをやろうと決断したのです。
そしてチーム構成は初の全員女性チームにして今まで「リーダーやりたがりメンバー」とは違う形でのチーム構成にしました。
大事なのはいつもチームの中心にいるメンバーたちも、支える側にいかせることです。正直、自分が主役ではないので本音あまりいい気はしないと思いますが
「次はお前の出番だけど、今回は支えて」と言うのがチームにとっていい循環を
生みだすのです。

フェイスペイントイベント


メンバーの個性をビジネス化する上で重要なこと

ここでメンバーの個性を活かす上で重要なことがあります。
①必ず、マニュアル化する。
⇨メンバーの個性を活かすといっても、そのメンバー自身しか対応できませんではアウトです。元ネイリストのメンバーをリーダーにして、彼女に最初に依頼したことと、徹底してもらったのはこれです。いくらメンバーの個性を活かすとはいえ、組織でやっている以上、彼女が退職したら、欠勤したらイベントはできないという状態にはしたくないので、誰でもできるフェイスペイントのデザインにしてもらう様に考えてもらいました。

②イベントに必要な数字を伝える、意識させておく。
一言で言うなら、これは自己表現の場ではなく、ビジネスあると言うことを
メンバー間に意識させることです。ある意味、私の役割としては
コンテンツ内容に口を出すことよりもビジネスになっているかを判断し
そこにだけ口にだす感覚です。材料費、人件費、必要利用数etc…

リーダーは部下の個性と会社のニーズをマッチングするのが役割

以上の2点と言うのは、会社のニーズですよね。ビジネスとしての
会社のニーズと部下の個性(元ネイリストとしてのスキル)をマッチングする。
それがリーダーの役割ではないかと思っています。

実績を生みだすだけならそれはいらないかもしれません。
優秀なリーダーが全て判断し、手段も決める。部下は従順に従っていればいい。

ただ、私はそういうチームに興味はございません。
部下だった立場として、そういうチームは人を成長させないと気づいたから。

最高のメンバーもいつかはここを旅立っていく。
だけど、メンバー達が何年後か知りませんが、人生を振り返った時、ここであのイベントを任されたことがダーニングポイントだったと思ってもらえる様、後輩達には働いてもらいたいのです。成長のきっかけにしてあげたい。人生のテーマを見つけてもらいたい。

女性だけの構成チーム。ポスター下の顔はメンバーたちのイラストです。

イベントは結果大成功となり、クライアントから好評で2回目も実施するなど
定例イベントとなりました。

子供達が喜んでもらう姿も嬉しかったけど
普段を陽の目を見ないメンバー達が目を輝かせてフェイスペイントを
やっていたのを見た時、イベント会場の隅っこで不覚にも
泣きそうになってしまいました。

そして何より自分にとってのマネジメントの軸が出来上がった瞬間でした。

「俺になんも能力はない。だったらメンバーを活かすマネジメントをすればいい」

結局、イベントに関わっていない私が勉強させられた出来事でした。

長文ご覧いただきありがとうございました。






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