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『ベルナルド・シウバ』フィジカル分析

フィジカル分析官/パーソナルトレーナーの栗原です。

本日のテーマはスペイン代表のサッカー選手『ベルナルド・シウバ』のフィジカル分析と動作分析をさせていただきます。


『ベルナルド・シウバ』フィジカル/動作分析

  • 柔らかいボールタッチ

  • 複数ポジションをこなせる

  • 豊富な運動量

  • ドリブル

  • 視野の広さ

簡単にはではありますが、ベルナルド・シウバの特徴をまとめさせていただきました。
ベルナルド・シウバのイメージはボールが吸い付くような足元の技術ではないでしょうか。プレーを観察するとボールが本当にくっついているのではないか、と思わせるほどのスキルをお持ちです。
身体的な特徴としては昨今のプレミアリーグの選手の中では小柄で細身の体型をしており、マンチェスターシティの同僚であるハーランドと比べたら対格差はあまりにも違います。ですがその小柄な体格を気にさせないほどのプレースタイルを持っているのがベルナルド・シウバです。
今回の記事ではそのベルナルド・シウバのフィジカル的な特徴を解説します。


●先ずはこちらの動画を確認してください

プレーは圧巻です。
私が分析するにベルナルド・シウバの最大の特徴というものがあります。
その特徴はベルナルド・シウバの走行距離、柔らかいタッチ、バランス能力に通じています。
それは『脱力』の能力です。
ベルナルド・シウバの脱力能力は非常に長けています。では一体何処の脱力の能力かと申します。
手の指先、腕に掛けて上手く脱力ができています。
サッカーという競技は対人スポーツですのフィジカル面の衝突があります。またボールを持ってパス、ドリブルをする為に自然と自身でリズムを作りながら味方に配給をすることもあります。
その際に指先を固めたり、腕を固めたりして自身バランスを取る選手が多くいます。
では、ここで大変失礼ではありますが、島村選手と比較をさせていただきます。島村選手は今や柏のベルナルド・シウバと言われるほどの大物選手です。時折のプレースタイルがベルナルド・シウバと似ている事から柏のベルナルド・シウバと呼ばれています。
ですが、脱力の具合がベルナルド・シウバが1段上です。
下記の動画では島村選手の腕と指先に注目してください


いかがだったでしょうか?
素晴らしい選手ということは間違いありません。上記で説明したように腕のリズムがあり、時折固める動きが見えたと思います。
その印象を持ちながらベルナルド・シウバの動きを分析してみましょう。

腕は固め過ぎず柔軟に振っていることを確認できたと思います。
また他の選手に比べて脱力ができていることが特徴的です。
さて、この脱力をすることによって身体の中で何が起こるでしょうか?

『自然と体幹が入る』です。

自然と体幹が入るを解説します。
そもそも論ではありますが、体幹とは入れるものではなく自然と入るものと定義します。
身体の構造的に体幹は勝手に入ります。何故なら体幹と呼ばれるインナーユニットの(多裂筋、腹横筋、横隔膜、骨盤底筋)ボックス型のインナーユニットはありとあらゆる動作に作用します。
基本動作では呼吸、歩く、物を取るなど全ての動きに作用しています。呼吸筋でもあるインナーユニットは生きているだけで活動しているのです。
だからこそ体幹は自然と入るものなのですが、日常的に座る事が多かったりスマホを見る機会が多いと筋肉は一定方向に重さが加わり次第に身体が固くなりインナーユニットが使いにくくなってしまうのです。
また、インナーユニットの周りの筋肉が硬いだけでインナーユニットは使いにくくなります。
これはウエイトトレーニングばかり行っている方に見られる現象でもあります。
パンプさせ筋肥大をメインで行うトレーニングばかりすると脱力が下手になっています。
筋肉には『収縮と弛緩』の作用がありますが、ウエイトトレーニングをメインにしていまうと収縮が上手くなってしまい、脱力がしにくい身体になってしまうのです。
また腹式呼吸を行ってもらうと分かりますがお腹を膨らませ空気を吸う、お腹を凹ませて空気を吐く動作が上手くできない方が多くいます。
所謂、膨張と収縮の動きが下手になってしまっているということです。この現象としては筋肥大させるためのアウターマッスルが上手くなり過ぎてインナーユニットの導入が疎かになっていまっているということです。
体幹は強いことを目的にすることではありません。柔軟性と脱力を兼ね揃える必要がありバランスを崩した際に中心に自身の軸をがあることが最も大切であります。
まさにベルナルド・シウバはそうです。
指先の末端から上手に脱力が行えており、体幹部周辺に余計な力が入っていない為に体幹が安定しているのです。


脱力による体幹への影響が上記の説明でいまいち理解ができない場合は腕立て伏せを行ってみてください。
通常の腕立て伏せを数回やってみてください。
次に顎周辺と首回りの硬くなっている筋肉をほぐしてみてください。
その次にほぐした後腕立て伏せを行ってください。
いかがでしょうか?
ほぐした後の方が軽く腕立て伏せができていませんか?

これが上手く体幹が使えたということです。
上手く脱力ができていると自身の身体が上手く扱え、軽く動かせるということです。この軽く動かせる能力がベルナルド・シウバの特徴なのです。
ありあらゆる箇所の脱力が上手く、緊張するであろう場面でも力みが極端に少ないです。そのため体幹が自然と入りやすい身体になっている選手なのです。


次にベルナルド・シウバの走行距離についてです。
ベルナルド・シウバの走行距離はリーグトップクラスの選手です。一試合の平均走行距離は11㌔を超えております。
ポジションがポジションですのでスプリントも多々あります。ですがそれを跳ね除けるほど凄まじい走行距離を走っている選手です。
それが行えている理由は第一に脱力です。
上記で解説しましたが脱力が上手いと一定な箇所に力が加わりにくく分散して筋肉を使うことができます。

この記事を読んでいる方でもし日常的にランニングをする習慣がある方いましたらぜひ実践してみてください。
それは腕と指先を脱力させながらランニングすることです。


ブラブラさせながら走ってください。次第に力が抜けて足の運びが軽くなっていきます。
足は母指球から小指球が床を捉える感覚が強くなります。すると力のベクトルが定まるので股関節が安定し自然と体幹が入ります。
そしてリラックスして腕振れるので横隔膜が使われる感覚が出て来るでしょう。
これはこのような走り方で行った方しか分からないですが、軽く走れます。
ですが最初のうちは慣れていないので直ぐに疲れると思いますが徐々に心拍数と筋疲労は落ち着き以前に比べ長く走ることが可能となります。これらの運動をベルナルド・シウバは自然と行っているのです。


『ベルナルド・シウバのような身体の使い方を行いたいのあれば先ずは脱力です』


丁寧に四肢一つ一つ脱力させる運動を行いましょう。
次に脱力しながらランニングをすることです。自身が何処で力んでいるか確認する必要があります。
そしてプレー時に何処で力んでいるか確認しましょう。全体的な力みを確認した後プレー時にも脱力を意識してみましょう。
丁寧に意識していくと驚くほど身体の使い方が変わってきます。
その後にフィジカルトレーニングです。
ベルナルド・シウバを見るとハムストリングス(大腿二頭筋)と腸腰筋(腸骨筋)のバランスが上手く取れています。
やはり脱力が上手いからこそバランスが取れているのだと思われます。上記の筋肉群のトレーニングを行いながら、短距離での脱力したダッシュのトレーニングは有効です。
ダッシュすることによってハムストリングスと腸腰筋の連動が引きあがります。これはポイントでありますが脱力動作でランニングした後のダッシュした方が身体の使い方の変化を感じられます。
ダッシュ時かかとの引き上がりや腕の振り、体幹の安定など感じられてくると思われます。
トレーニングはあくまでも積み重ねなのでやり続ける必要があります。ですが正しいトレーニングを行うと必ず変化します。
ベルナルド・シウバのような恐ろしいほど身体の使い方の上手い選手になるかもしれないです。
今回はベルナルド・シウバのフィジカル/動作分析でした。







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