銀河鉄道の夜(1985)
銀河鉄道の夜(1985、朝日新聞社=テレビ朝日=日本ヘラルドグループ、107分)
●原作:宮沢賢治
●原案:ますむらひろし
●脚本・監督:杉井ギサブロー
●声の出演:田中真弓、坂本千夏、堀絢子、納谷悟朗、金田龍之介、常田富士男、一城みゆ希、島村佳江、槐柳二、八代駿、新村礼子、大塚周夫、菊地英博、渕崎ゆり子、中原香織、梶哲也、青野武、倉崎青児、仁内建之
宮沢賢治の原作の雰囲気をかなり忠実に映画化している。
ジョバンニやカンパネルラたちが猫の姿になっているが、特別違和感は覚えない。
街並みも異世界のヨーロッパ風といった感じで、アニメの『名探偵ホームズ』のような擬人化?じゃなくて人間の擬動物化?のようなアニメーション的表現もすんなり受け入れられた。
しかし途中で、人間が出てくる。
猫人間だけの世界に突然人間が出てくることによって今までの暗黙のルールが一気に否定される。
『アンパンマン』にカバオくんがいる一方で、チーズもいるみたいな感じというか、『ムーミン』にスニフがいる一方で、普通の猫が出てくる感じというか…。
映画の中盤過ぎたあたりに出てくるシーンなので、この世界観にどっぷり浸かってから出てくる分、軽い衝撃を受けた。
観客により想像させるような、飽きさせないような仕掛けだと思えばこれも成功している。
このあたりも文字、小説ではできないアニメ独特の表現手法だ。
ストーリーについても、アニメ独自の解釈などは入れず忠実に表現しようとしていたのでとても良かった。
音楽は細野晴臣が担当。
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