麦鷲映画ノート

備忘録として映画感想文を書いていきます。旧作中心、邦画多め。 後追い世代ですがアマプラ…

麦鷲映画ノート

備忘録として映画感想文を書いていきます。旧作中心、邦画多め。 後追い世代ですがアマプラとU-NEXTで東映と日活の名作を漁ってます。 映画館は年数回。洋画は吹き替えの方が好き。 好きな音楽:ソニック・ユース、パステルズ、スピッツ、ヨラテンゴ、銀杏BOYZなど。

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    • 県警対組織暴力(1975)

      県警対組織暴力(1975、東映、100分) ●監督:深作欣二 ●出演:菅原文太、梅宮辰夫、松方弘樹、金子信雄、山城新伍、池玲子、成田三樹夫 タイトルの直球度合いはもはやお家芸というか芸術の域である。 もちろん楔形文字みたいな恐ろしいタイトルクレジットのフォントも素晴らしい。 冒頭からラストまで一切途切れることがない緊張感。 特に関東の片田舎でぬくぬくと育った人間にとっては、怒涛の如くまくしたてる広島弁の名台詞の数々に戦慄させられるわけである。 「お前らみとうな雑魚ひ

      • 瞳をとじて(2023🇪🇸)

        原題: CERRAR LOS OJOS(2023、スペイン、169分) ●監督:ビクトル・エリセ ●出演:マノロ・ソロ、ホセ・コロナド、アナ・トレント、ペトラ・マルティネス、マリア・レオン、マリオ・パルド、エレナ・ミケル、アントニオ・デチェント、ホセ・マリア・ポウ、ソレダ・ビジャミル、フアン・マルガージョ、ベネシア・フランスコ 「物語」を創作物として表現する際、小説や絵本、戯曲、舞台やミュージカル、漫画、アニメ、映画、テレビドラマ、ラジオドラマ、人形劇などさまざまな手法・形

        • オン・ザ・ミルキー・ロード(2016🇷🇸)

          原題: ON THE MILKY ROAD(2016、セルビア=イギリス=アメリカ、125分) ●脚本・監督:エミール・クストリッツァ ●出演:エミール・クストリッツァ、モニカ・ベルッチ、スロボダ・ミチャロヴィッチ、プレドラグ・"ミキ"・マノイロヴィッチ 『ON THE MILKY ROAD』というタイトルは、戦時中とある村のミルク運びの男コスタ(クストリッツァ)が義兄の花嫁(ベルッチ)と決死の逃避行を行うというストーリーに加えて、”ここではないどこか”を目指したケルアック

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          爆裂都市 BURST CITY(1982)

          爆裂都市 BURST CITY(1982、ダイナマイト・プロダクション、116分) ●監督:石井聰亙 ●出演:陣内孝則、大江慎也、戸井十月、町田町蔵、泉谷しげる タイトルやクレジットのフォントに80年代の戦隊モノみたいな雰囲気を感じた。 その後登場したバンドも戦隊ヒーローのようなアクの強いカッコよさだった。 ビートルズのチラシを踏みつけていたけど、演奏はいたってオーソドックスなロックンロールだった。 ストーリーはあるようで、無い。 ただ、中盤から終盤にかけての暴動の

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          残酷異常虐待物語 元禄女系図(1969)

          残酷異常虐待物語 元禄女系図(1969、東映、93分) ●監督:石井輝男 ●出演:橘ますみ、葵三津子、賀川雪絵、カルーセル麻紀、小池朝雄、吉田輝雄 土方巽による舞踊から始まるタイトルバック。 エログロのショーケースのような異常な世界観は、これから始まる映画は凡百の時代劇とは全く違うということを示している。 吉田輝男演じる町医者がストーリーテラー的ポジションで、三つの話を幕間なくつなげていくオムニバス形式というのは『徳川女刑罰史』等と同じ構成。 明示はないが、第一話が残

          残酷異常虐待物語 元禄女系図(1969)

          月曜日のユカ(1964)

          月曜日のユカ(1964、日活、94分) ●原作:安川実 ●監督:中平康 ●出演:加賀まりこ、加藤武、中尾彬、北林谷栄、波多野憲 加賀まりこ演じるユカという自由奔放な小悪魔的な少女が主人公の映画。 冒頭の、走る車の窓からのカットを連続的に素早く繋ぎ合わせ、道を歩いていたユカで一瞬止まるシーンは良かった。 そこからそのままユカが服を脱ぎ捨てて着替えるタイトルバックへ移る。 ヌーヴェルヴァーグが引き合いに出されることが多いようだが、奇抜な編集やら、ナレーション代わりの群衆の

          月曜日のユカ(1964)

          モール・ラッツ(1995🇺🇸)

          原題: MALLRATS(1995、アメリカ、97分) ●監督:ケヴィン・スミス ●出演:シャナン・ドハティ、ジェレミー・ロンドン、ジェイソン・リー、クレア・フォーラニ、ベン・アフレック、ジョーイ・ローレン・アダムス、レニー・ハンフリー、ジェイソン・ミューズ、イーサン・サプリー、スタン・リー、プリシラ・バーンズ、マイケル・ルーカー、キャロル・バンカー、ジェイソン・スコット・リー 『クラークス』のケヴィン・スミス監督による第2作。 映画内時間はわずか1日、フッた彼女たちを取

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          フーリガン(2005🇬🇧)

          原題: GREEN STREET HOOLIGANS(2005、イギリス=アメリカ、109分) ●監督:レクシー・アレクサンダー ●出演:イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム、クレア・フォーラニ、マーク・ウォーレン、レオ・グレゴリー、ピーター・ヒアー、ロス・マッコール、レイフ・スポール、ジェフ・ベル、キーラン・ビュー 『フットボール・ファクトリー』と似たテーマだがこちらは主人公がアメリカ人の若者(イライジャ・ウッド)ということで部外者からの視点が設定されていて、ドラマの雰

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          緋牡丹博徒 花札勝負(1969)

          緋牡丹博徒 花札勝負(1969、東映、98分) ●監督:加藤泰 ●出演:藤純子、若山富三郎、待田京介、清川虹子、小池朝雄、天津敏、嵐寛寿郎、藤山寛美、高倉健 オープニング、犬を追って盲目の少女が線路に入り、汽車が近づく。そこをお竜が助ける。 誰の目線なのか?というくらいの極端なローアングル。 タイトルバックの後、お竜が仁義を切るシーンは正面でなく真横から。 このシーン以外でもお竜がお参りをする場面等々、とにかく人物の顔を真横から映すことが多く、シネマスコープを意識した

          緋牡丹博徒 花札勝負(1969)

          仁義なき戦い 代理戦争(1973)

          仁義なき戦い 代理戦争(1973、東映、102分) ●監督:深作欣二 ●出演:菅原文太、小林旭、池玲子、堀越光恵、中村英子、渡瀬恒彦、山城新伍、金子信雄、木村俊恵、成田三樹夫、加藤武、田中邦衛、丹波哲郎、梅宮辰夫 アバンタイトルで前2作のおさらいをしつつ当時の東西冷戦の「代理戦争」を伝え、ストーリー開始3分でもう人が殺されている。 今作はまず武田明を演じる小林旭がカッコよすぎ! どうしても日活のスターという印象があるからか、周りとはまた違ったオーラを発しているように感じ

          仁義なき戦い 代理戦争(1973)

          シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018🇫🇷)

          原題: L'Incroyable Histoire du Facteur Cheval(2018、フランス、105分) ●監督:ニルス・タベルニエ ●出演:ジャック・ガンブラン、レティシア・カスタ、ベルナール・ル・コク、フローレンス・トマシン、ナターシャ・リンディンガー、ゼリー・リクソン、エリック・サバン、オレリアン・ウィイク 小学生のころ持っていた百科事典に、確かアントニオ・ガウディのページの隅のちょっとしたコラム的にこのシュヴァルの理想宮のことが書かれていた。 すべて

          シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018🇫🇷)

          けんかえれじい(1966)

          けんかえれじい(1966、日活、86分) ●原作:鈴木隆 ●脚本:新藤兼人 ●監督:鈴木清順 ●出演:高橋英樹、浅野順子、川津祐介、片岡光雄、恩田清二郎、宮城千賀子、福原秀雄、玉川伊佐男、浜村純、加藤武、野呂圭介、緑川宏、杉山元、松尾嘉代 ブルーレイで再鑑賞してみたシリーズ。 昭和十年、備前岡山の中学生南部キロク(高橋英樹)のケンカに明け暮れる青春の日々を時にコミカル時にシリアスな演出で描いた作品。 冒頭からとにかく速い、速い、速い。 キロクが教会に行くことにいちゃも

          けんかえれじい(1966)

          地獄(1979)

          地獄(1979、東映、131分) ●監督:神代辰巳 ●出演:原田美枝子、岸田今日子、石橋蓮司、林隆三、栗田ひろみ、西田健、田中邦衛、加藤嘉、稲野和子、岡島艶子、佐藤友美、藤本英之、上田孝則、浜村純、毛利菊枝、金子信雄、天本英世、大前均 新東宝の中川信夫監督の『地獄』とは特に関連がない、神代辰巳監督、田中陽造脚本による本作。 冒頭の地獄に関するナレーションから、真面目な映画なのかと思ったらいきなり一気にトンデモ展開。 いかにも人工的な真っ赤な山椿の中で女が出産。見えない力

          網走番外地 望郷篇(1965)

          網走番外地 望郷篇(1965、東映、88分) ●監督:石井輝男 ●出演:高倉健、嵐寛寿郎、杉浦直樹、田中邦衛、待田京介、中谷一郎、砂塚秀夫、由利徹、桜町弘子、東野英治郎、安部徹 網走番外地シリーズ3作目の本作は舞台が長崎。 荒波の東映三角マークに船の汽笛を被せてのスタート。 シリーズというよりパラレルな世界観であるため、この作品での橘真一は敵対する組の頭への傷害で罪を追い、その刑期から故郷へ還ってきたという設定となっている。 ただし第1作で出ていた田中邦衛演じる大槻は

          網走番外地 望郷篇(1965)

          エル・スール(1983🇪🇸)「瞳をとじて」公開記念 ビクトル・エリセ特別上映

          原題: EL SUR(1983、スペイン=フランス、95分) ●原作:アデライダ・ガルシア・モラレス ●脚本・監督:ビクトル・エリセ ●出演:オメロ・アントヌッティ、ソンソレス・アラングーレン、イシアル・ボリャン、ロラ・カルドナ、ラファエラ・アパリシオ、オーロール・クレマン 『ミツバチのささやき』では子供の書いたかわいらしい絵がタイトルバックになっていたが、今作は黒い背景に白字というシンプルなもの。 と思いきやその暗闇へ徐々に白々明けの薄い光が差して、ベッドで主人公の エ

          エル・スール(1983🇪🇸)「瞳をとじて」公開記念 ビクトル・エリセ特別上映