創作｜ありがとう現代詩

　アメリカンショートヘアと占いの館の差分をナビエ-ストークス方程式に代入します。そうして得られたメロディーに乗せて以下歌わせていただきます。

　均整の中の混沌を薄く伸ばし、よく乾燥させます。するとどうでしょう。アタッシュケースに轢かれた恋慕のような半壊感に溺れます。
　緑色の初恋はやがて金色こんじきのウグイスになり、赤道上空2000キロメートルの彼方から刺身包丁の鋭さでエールをおくります。
　そうです。電話を切る、とは物理的な切断を意味し、僕がアントワープ王立美術館だった頃の話ができるとするならば、黄緑色は常に流線型です。ハムを焼きませんか。いやパッタイでしょ。

　離れたところからのギャロップで近接し、はぐらかしながらもせっつきます。
　ソープディッシュは常に健康で、ピーターパン症候群にかき醤油をつけて食べるのは決まってやさぐれた肉まんの所業です。
　風呂敷に包まれた無は、次第にミクロコスモスになり、咲かずして咲くことになります。それはゴールデンレトリバーの夜明けに似ています。

　補助輪をつけながら読書をします。いつになったら補助無しになるのですか。紅生姜のような強くて弱い声。
　あるところものではなく、あらぬところのものについて語れるのなら、それもまた補助輪ということになりませんか。

　そこまで書いた彼は、靴紐を結び直して歩き出した。