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ためになるお話(みなさんの記事)

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noteで見つけたみなさんの素敵な記事をここにまとめてみようかと
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2020年5月の記事一覧

5文字の手紙

5文字の手紙

中国に住む友人から荷物が届いた。

中身を開けて確認していた中にメモ用紙が1枚。そこには「がんばれ!」の文字が。

留学先の大学院で出会った彼女とは準備コースからの仲で、よく一緒に授業を受けていた。ペアでの研究発表でも組んだし、テスト勉強も一緒にした。

ゆるい英語の授業で、生き物が色々でてくる動画を観たときは2人で
「これは食べられる」
―うん、いける
「これも食べられる」
―うん
と言いあい、

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“感染”した時間

“感染”した時間

花々を見て、煙のまとわりつく木々を見て、のぼっては下るカラスの群れを見て立ちつくすわたしに、ピーターが何か言った。「野菜に囲まれて物思いかい」だったかしら。「おれはカリフラワーより人間がいいぞ」だったかしら。ある朝、朝食どき、テラスでのことだった。ピーター・ウォルシュ……もうすぐインドから戻る。六月?七月?どちらだか忘れた。だって、あの人の手紙は恐ろしく退屈なんですもの。覚えているのは語られた言葉

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【緊急寄稿】コロナが芸術にもたらした未曾有の変異をとらえるために――「ディスタンス・アートの創作論」宮本道人(科学文化作家)

【緊急寄稿】コロナが芸術にもたらした未曾有の変異をとらえるために――「ディスタンス・アートの創作論」宮本道人(科学文化作家)

小説家パオロ・ジョルダーノが非常事態宣言下のイタリアで『コロナの時代の僕ら』を生み出したように、いま様々な表現者・作り手が未曾有の状況とそれぞれに向き合い、新たな作品を発表している。星野源「うちで踊ろう」、ZoomとYouTubeを使った「視聴者全員で演出する演劇」、ジャルジャルのリモート漫才、アイドルグループによるリモートライブ……それら「ディスタンス・アート」は何を描き、どのように鑑賞され、未

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