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#ドキュメンタリー
『世界サブカルチャー史 欲望の系譜』|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門〈語っておきたい新作〉【第11回・最終回】
▼前回記事はこちら 文=稲田豊史 NHKドキュメンタリーの構成ものと言えば、30年近くの歴史を誇る『映像の世紀』という圧倒的名シリーズがよく知られているが、2022年、突如それに並ぶ秀逸なシリーズが誕生した。本作『世界サブカルチャー史 欲望の系譜』は、戦後の各時代を象徴するエンタメコンテンツや大衆ムーブメントを多数挙げながら、「なぜ、その作品が作られたのか」「なぜ、そのようなムーブメントが起こったのか」を、当時の社会情勢や時代の気分と紐付けて明らかにしていく。 アメ
『山田孝之の東京都北区赤羽』『山田孝之のカンヌ映画祭』『映画 山田孝之3D』|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門【第9回】
▼前回はこちら 文=稲田豊史 『山田孝之の東京都北区赤羽』 2015年1月、テレビ東京系の深夜帯で突如始まった『山田孝之の東京都北区赤羽』(監督:松江哲明、山下敦弘/30分×12話)という番組に、筆者を含む多くの視聴者は当初たいそう困惑した。 第1話冒頭は、『天然コケッコー』『苦役列車』などで知られる山下敦弘監督の新作映画『己斬り』という時代劇の撮影現場。ラストシーンで自死する主役にして侍役の山田孝之の芝居が止まってしまう。「(作り物の刀では)死ねないっすね」「僕
『テレビ放送開始69年 このテープもってないですか?』|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門〈語っておきたい新作〉【第7回】
文=稲田豊史 2022年12月27日から30分×三夜連続で深夜に放送された『テレビ放送開始69年 このテープもってないですか?』(BSテレ東)が、放送直後からネットを中心に大きく話題となった。内容は、「テレビ東京局内にはもうデータとして残っていない過去の番組を、視聴者から送ってもらった録画VHSを使って放送する」というもの。進行役は、いとうせいこう、モデル・女優の井桁弘恵、テレビ東京アナウンサーの水原恵理だ。 三夜にわたって放送されるのは、1980年代にテレビ東京の
【連載 #05】『さようなら全てのエヴァンゲリオン ~庵野秀明の1214日~』|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門
文=稲田豊史 庵野秀明の奇人性と天才性 メイキングドキュメンタリーというジャンルがある。ある映像作品の監督や制作現場に密着した実録のことだ。大方は「作品の完成」というシンプルなカタルシスが最後に用意されているため、込み入った問題提起からスタートする社会派ドキュメンタリーなどに比べれば、比較的「見やすい」部類に入ると言えるだろう。 『さようなら全てのエヴァンゲリオン ~庵野秀明の1214日』は、2021年3月8日に公開されたアニメーション映画『シン・エヴァンゲリオン劇場