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【福井】称念寺・義貞公と光秀公と

観光……と言うには近すぎるくらいの、思いっきりザ・地元の史跡や観光スポットにカメラを持って撮影に行くのが地味に好きです。
遠くに行かなくても、案外身近な所に素敵な場所はあるもの。
近年のコロナ禍の影響もあって、ますます県内完結が捗るような状況でもあるのですけれど……。
それ以前から、ちょこちょこと県内で行ける場所には積極的に行くようにしています。
結局の所、私は地元が好きなんでしょう。
アクセスは不便だし、車が無いと何処にも行けないし、雪はめちゃくちゃ降るし……そういう愚痴はいっぱい出てきちゃうんですが(笑)
景色と空気と食べ物に対する信頼は絶大なものがあります。

というわけで、今回は地元の史跡を訪ねた話なんですけど、その前に。

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ついに! 標準ズームレンズを手に入れました!
NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」所謂大三元レンズというやつです。
今まで私はDfのお供にキットやマクロの単焦点レンズ、単焦点のオールドレンズ、廉価なタイプの広角ズームや望遠ズームなど……比較的リーズナブルなレンズで楽しんできたわけですが、何でか標準ズームだけ持ってなかったんですよね……。
別にそれで今まで特に困ってなかったんですけど、必要に迫られる場面がとうとう出てきまして……ついに憧れのレンズを購入することに……。
いや、本当に大げさかもしれないけど、心情的には清水ダイブなお値段と重たさ。。

まぁ、思い切って買っちゃったので、今後はバシバシ働いてもらおうと思います!なわけで、今回の写真は全部↑のレンズを使っています。
お外での撮影デビュー戦でした^^
標準画角のズームレンズは、昔使っていたD3100のキットレンズ以来……そのイメージのまま大三元レンズにシフトすると、レンズそのもののデカさや重さはもちろんのこと、写りや便利さも全然別物でした……。

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歴史が好きな方や、2020年度のNHK大河ドラマ「麒麟が来る」を見られていた方は解るかと思いますが、明智光秀公は美濃を追われて越前にやってきています。
盛り返すために、越前の地で機を伺いながら生活をするわけですけど、そこで身を寄せていたのが今回行った「称念寺」のあたりだったのです。
どうやら10年くらいと結構な長期間いらっしゃったようですが、それを示す文献が見つかったのがかなり最近(2年前くらい)でして……ドラマの脚本には盛り込めなかったらしいです。

何はともあれ、そんな明智光秀公縁の地ということで、去年は結構盛り上がっていたよう。
コロナ禍がまだそこまで酷くない頃は、観光バスなども来ていたんだとか。
割と普段よく使う道をほんのちょこっとだけ逸れた所に、そんな場所があったとは……。
あまりに身近なものだから、本当にカメラ一個携えてふらっと訪れました。
周りは田んぼ、閑静な小さな集落の中のお寺……なんですが、なんと駐車場(6台くらい停められる)と真新しいトイレが完備されていました↑
これはなかなか……。
ちなみに車のナビなどで検索して行くと、近くの霊園の駐車場に案内されてしまいます。ナビに登録がまだ無いくらい、新しい駐車場のようです。

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称念寺さんの正面。
「時宗」のお寺なわけですが、時宗や寺の名前よりも「新田義貞墓所」の方が大きく書かれているのが特徴的です。
バチバチと撮影しておりますと、近隣の住宅からおじ様が登場。
何でもガイドをされているそうで、訪れた人を見かけると出てきてくださるよう。
そして此処でもキチンと設置されている消毒液&芳名帳。
しっかり記名した後、称念寺の中のガイドをして頂くことになりました^^
これがまぁ、大変詳しい内容でして、しかもめちゃくちゃガイドが上手い……!
歴史は好きだけど、特に詳しいというわけではない私にとっては、非常に勉強になるお話ばかりでした^^

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明智夫妻の黒髪伝説の幟がいたるところに設置されております。
その後ろ、お寺の門の所……普通は白壁なんですけど、こちらのお寺さんはいわゆる筋塀でして、皇族や摂家などの御所に使われているものと同じ線入りなのです。
線の数が多いほど格式が高く、五本が最高だとかで……つまりめっちゃ格が高いということ!
こういう所で天皇の祈願所であることが示されています。
筋塀のお寺=格が高い、一つ脳みそに皺が寄りました^^

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門を潜ると、明智家の家紋である桔梗が沢山咲いておりました。
田んぼの真ん中にあるお寺ですが、富山でよく見る「屋敷林」のもうちょっと規模の大きいような感じで、背の高い木々が寺を囲んでいます。
鷺が巣を作っていたり、鳶が巣を作っていたり、夜には梟が鳴いたりと結構に鳥が多いよう。

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そしてドーンと建ってるのが新田義貞公の碑です。
鎌倉を滅ぼしたものの、色々不遇で最後はライバルに敗れ、戦死してしまう義貞公。
とはいえ清和源氏の血筋とその高潔な人物故に、死後も手厚く葬られ、葬られた称念寺はその後の武家社会において特別な場所になっていったようです。

ところでこの碑、上の方だいぶ欠けてるんですよね。。
明治時代に正一位の官位が贈られたので、それを記してあったのですが、福井大震災の時に肝心の部分が折れちゃって、写真の下の方……苔生えてる平べったい岩が正にそれとのことで。。
なのでこの岩ひっくり返すとと正一位って書いてあるそうです。。

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そして、ここが新田義貞公が眠る場所。ピンと静謐な空気が漂います。
諸説あるとは思うのですけど、藤島の戦いで戦死した義貞公の遺体(首から下)を時宗の僧「時衆」が持ち帰り、此処に埋葬したと。
江戸時代には新田義貞を先祖とする徳川家によって様々な墓所(と言われている所)を調査した際に、ここから信ぴょう性の高い何かが見つかったらしく、称念寺で年忌法要を実施しています。

んで、なんで明智光秀公がわざわざ選んで長い事此処に居たのか……。
っていうのは新田義貞公にも起因しているし、この称念寺という所が巨大な荘園を寺自らが持った水陸の要所でありかなり特別だった事、また時衆は自ら出向いて教えを広げていくタイプの活動をするので、各地の情報が手に入りやすかった事などなど……聞けば聞くほどなるほどなぁという。

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そして「黒髪伝説
光秀公の妻の煕子さまが、夫のために自慢の黒髪を売って仕官の道を開いたという逸話ですね。それを元に松尾芭蕉が詠んだという句の句碑が設置されています。
どこで松尾芭蕉はこの話を知ったのか?
奥の細道には称念寺に立ち寄ったという話は無いらしいのですが、何でも門人の方(曾良さん)の本には空白の一日があったようで……(体調崩して随行出来なかった日があったんだとか)その一日が此処だったんじゃないかっていう……。
う〜〜〜〜ん、やっぱり歴史ってただザラッと年号覚えるだけじゃ全然つまらなくて、こういう細っかい所に思いを馳せてなんぼですよね!!!!

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称念寺の本殿。
境内には桔梗の他にも様々な植物が植えてありました。
菩提樹、沙羅(夏椿)に多羅葉、そして三葉の松など……どれも仏教的。
三葉の松はお財布に入れると良いそうで、葉っぱをいただきました^^
本殿の方では土日限定で御朱印を頂くことができるのですが、運の良いことに住職さんがいらっしゃっていたため、平日だけど御朱印をいただくことができました!
ちなみに御朱印のお代は志納です。
檀家さんの居ないお寺ですので、訪問の際は是非是非納めて頂きたいです。

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多羅葉の葉の裏でカタツムリが居眠り中。
多羅葉は葉書の語源だそうで、この葉っぱの裏に爪などで傷をつけて字が書けるんだとか。郵便局の木でもあるらしい。
それにしてもカタツムリ久々に見ました……なかなか見ないですよね。。
陸生貝類だし、結構好きなんですけどね〜。ちなみに福井にも固有種がいます。
ツルガマイマイっていうんだけど、これは多分違うのかな……?

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義貞公の墓所の近くに咲いていた鬼百合。
すんごく下向きに咲く大きな百合です。斑点模様がとっても派手でゴージャス^^
確か葉っぱの付け根にムカゴが出来るんですよね。
食用にもなるし、薬にもなるんだったか……光秀公も薬の勉強をして調合とかもしていたようですから、なんとなくらしい植物ですね^^

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そして沢山の桔梗の花。ちょうど見頃で本当に良かったです!
白い桔梗もありましたし、撮影は上手くできなかったけど八重に咲いたものもありました。
桔梗もまた生薬とか漢方に使われたりするんですね〜。

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蕾が風船のようなので、英名はバルーンフラワー。

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星のように咲いていました。
そういえば安倍晴明の五芒星も「桔梗印」と言いますね。

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夕方くらいに本当に思い立ってフラッと行った称念寺さんでしたが、何だかすごく濃ゆい時を過ごさせて頂きました^^
まだまだ夏の陽は高く、そして驚くほど蚊に刺された(虫除けはして行きましょう……)
平日ですが、私の他にもチラホラと訪れてきた人がおりました。
土日はもっと色々おもてなしされているようなので、また来れたら良いなと^^

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最後に、称念寺で頂いたフルカラーのパンフレット及び御朱印!
御朱印は確か4種類くらいありまして、右上のが一番スタンダードなもの、後の3種類は明智夫妻の可愛らしい絵柄のものです。
パンフレット等に使われているメインビジュアルの明智夫妻はイラストレーターの諏訪原寛幸さんの画
諏訪原さんというと、もうコーエーの歴史関連のデザイン全般のイメージを刷り込まれまくった、三国志好きの私にはたまらんもんがあり……いやはや。

というわけで、長くなりましたが、これでもガイドさんのガイドからするとものすっごくざーーーーーーーーーーーーっくりとした称念寺のお話でした。
是非是非歴史が好きな方は、朝倉氏遺跡とセットでこちらにも訪れて頂きたいです。
朝倉氏遺跡と同様に基本的に特別派手な何かがあるわけではありませんが、すごく歴史ロマンを感じられると思います^^
問題はちょっとアクセスが難しいというところで……こう色々治ったら観光バス等でツアー組まれると良いなぁ。

それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました〜!

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