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半フィクション④


元来私は負けず嫌いであり、完璧主義である。

覚えればできる小テストは
小学校の頃から、完璧に覚えてテストに臨んだ。

そう、漢字100問書きテスト。
答えが書き込まれていないプリントを数枚コピーして
全問解けるまで何度も解いた。

答えを完璧に記入できると、両親はとても褒めてくれたし、自分も達成感を覚えていた。


中学まではこの方法でカバーできた。
高校受験の範囲はこの要領で全て詰め込んだ。

お陰様で偏差値72。



ところがところが。
高校に入学すると、テストの範囲は恐ろしく広く難しく…
完璧に理解し覚えるまでは次に進めない性格の私は、進めないままどんどん置いていかれ…

ついに勉強をしなくなった。
当然成績は落ちる一方…

それでも、私はやればできると思っていた。
完璧に覚えるまで時間をかければ出来ない事はない

…と。



違うんだよね

繰り返し覚えれば解けると思ってた私の脳は
とっくにキャパオーバーで。

新しい事を覚えては、一つ忘れ。
定着しない記憶。

きっと私の努力が足りないんだ。
かける時間が足りないんだ。
と、完璧を目指して狭い範囲に時間をかける。

進まない範囲…。




今思えば、完全なアプローチ間違い。
だけど、高校受験をその方法で完璧にやり遂げた私の成功体験が気付きの邪魔をしていた。









学習指導要項が改定されて、
非認知能力の必要性が重要視されるようになる。

非認知能力とは、主体性、問題解決能力、コミュニケーション力、思考力、共感力…などの数字で測れない能力の事を言う。

非認知能力は人生を豊かにする力とも言われている…。

朝の電車の中でたまたま読んだ記事。
ぞわぞわぞわ…っと脳が熱くなり鼓動が早くなるのを感じた。

私が生きにくい理由がここにあった。
私は認知能力には長けてるけど、非認知能力が足りてないのだ…!

生きていく上で重要なヒントを見つけた興奮と、
人生の遅れに気付いてしまった焦りを同時に感じた。


今から…間に合うのだろうか。



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