見出し画像

デキる上司の話の聴き方!〜前編〜

今回の記事はこんな方のおすすめ
☑部下に信頼される上司になりたい
☑部下が安心して相談してくれる上司になりたい


近年、職場のストレスが原因で精神的に不安定になる方が増えています。

その為、上司に求められる役割というのも多様化していると言えるでしょう。

ひと昔前は、仕事の管理や指導が中心的な役割でしたが、近年では、部下の心理的なケアなども上司の役割の一つとみなされるようになってきました。

では、部下が安心して働ける環境を作り出すために、上司の方々には何が出来るのでしょうか。

その一つが、「しっかりと部下の話を聴くこと」です。

今回は、「出来る上司」の話の聴き方について解説していきます。


話し上手、聴き上手、求められるのは?


私は、カウンセラーとして働いていますので、「話すこと」よりも、「聴くこと」のプロだと言えるでしょう。

その為、「聴き方」に関する技術の発信を多くしていますが、その様な時にいつも投げかけられる質問があります。

「話し上手と聞き上手、理想的なのはどっち?」という質問です。

「状況による」ということを前提としてお話をしますが、多くの場面では、「聞き上手」が人間関係においては求められるでしょう。

なぜなら、「人間は話をしたい生き物」だからです。

言い換えると、人間は、自分の話をしたい物なのです。

そんな時に、「自分が自分が」と前に出て、話をしてしまうと、
面白く思わない人も出てくるわけです。

良好な人間関係を築くコツは、相手が心地よい環境を作る、相手を楽しませるということです。

話し上手の人は、面白い話、興味深い話をすることで相手を楽しませるでしょう。

対して、聞き上手は、相手の話を引き出し、相手が心地よく話を出来る時間を作りだすことで、相手を楽しませます。

ですから、どちらも非常に大切な能力であることは言うまでもありません。

しかしながら、「聞き上手」の方が、相手にフィットする可能性が高いということです。

上司と部下という関係においては、なおさらです。

上司と部下がコミュニケーションをする場面を考えると、部下から上司への相談や質問を受けることが多いでしょう。

その様な場面では、話し上手な能力はあまり効果を発揮しません。

聞き上手になることで、部下も素直にあなたに相談をすることが出来るのです。

少なくとも、「デキる上司」になる為には、「聞き上手」になることが必要であることをご理解頂きたいと思います。

聞き上手がやっているテクニック


「聞き上手」の大切さが理解できたところで、技術的な話に移っていきたいと思います。

前述した通り、カウンセラーは相手の話を聴くプロです。

ですから、カウンセラーが実際に活用しているテクニック、技術を基に解説していきます。

そして、その中でも比較的初心者向けのテクニックを今日は紹介したいと思います。

オウム返し


オウムの様に、相手の言葉をそのまま返すテクニックです。

聞き上手に求められる絶対条件は、言わずもがな相手の話を聴くことです。

そして、相手に「この人はしっかり話を聴いてくれている」と感じて貰えるようにすることです。


相手にそう思わせるのが、オウム返しの効能です。

例えば、以下の様な会話例が挙げられるでしょう。


部下:「すみません、今日の会議のことで相談な
   のですが」
上司:「今日の会議のことで相談したいのだ
   ね。
どんなことかな?」
部下:「はい。実は、会議資料に不備がございま
   して・・・」
上司:「会議資料に不備があって、それを相談し
   たいのだね?」


この様に、相手の話を繰り返すことで、話を聴いているということが伝わるだけでなく、コミュニケーションに起きがちな「勘違い」も防げます。

「こちらはしっかりあなたの話を理解していま
 すよ」

ということを伝える為の手段としても、オウム返しは有効です。

そして、オウム返しには、もう一つの強力な効果があります。

それは、話題の方向性をコントロールできるということです。

これは、例を見て頂いた方が良いかと思います。

部下:「実は先日、家族でプロ野球観戦のために
   旅行にいってきたのです」
上司:「野球を見てきたんだね!」
部下:「そうなのです!応援しているチームが勝っ
   て嬉しかったですよ!」


上司の方は、「野球観戦」というキーワードを「オウム返し」しました。

それによって話題は、「野球観戦」に焦点が当てられることになりました。

しかし、上司が以下の様に「オウム返し」していたらどうなっていたでしょう。

上司「旅行に行ってきたのだね!」
部下:「はい!久しぶりの旅行でしたので、尚更楽
   しく感じましたよ!」

旅行について「オウム返し」することによって、先ほどとは違う展開になったことが理解出来るでしょう。

これを上手く活用することで、話がまとまらない部下や、話の要点が見えない方を相手にした場合、こちらが必要な情報を引き出すことも可能です。

相槌


「話を聴いていますよ」ということを示すために、もう一つ大切なのが、「相槌」です。

よく、「さしすせそ」の相槌をした方が良いと言われることが多いですが、個人的にはそこまで重要ではないと思っています。

それよりも重要なのは、「相槌」を打つタイミングです。

相手の言葉に相槌を被せてしまうのは、絶対にNGです。

話し手が気持ちよく話せないですし、会話のリズムが乱れてしまいます。

ですから、絶妙なタイミングで相槌を打つ必要があります。

一番良いのは、「息継ぎのタイミング」で相槌をうつこと。

例えば、以下の様な相槌が考えられます。

「昨日の話なのですが(うん)、彼女に振られち
 ゃって(うんうん)、もう仕事もやめたい気分
 なんです。(なるほどね)

()で示したのが相槌です。

この様に、息継ぎのタイミングで相槌をうつことで、少なくとも、相手の言葉と重なることは避けられるでしょう。

それだけでなく、相手の会話の流れに勢いをつけることが出来る為、相手としても話しやすい状態となります。

餅つきでもリズム感が求められますが、まさにあれと同じです。

相手が息継ぎをしている最中に、こちらの相槌を差し込みます。

そうすると、会話にも一体感が出て、相手との信頼関係も築きやすくなるのでお勧めです。

まとめ

今回は、出来る上司の話の聴き方を解説しました。

聞き上手な上司であれば、部下も心を開きやすく、報告や相談をし易くなるというメリットがあるでしょう。

また、話を上手に聴ける事は、相手との信頼関係を築くうえでも重要です。

今回は、基本中の基本を理解して頂く内容になったと思います。

次回は、もう少し踏み込んだテクニックを解説していきます。

合わせて読みたい記事

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?