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アメリカからはるばる京都へ行って、最大の見どころが京都タワーだった件

アメリカ育ちの我が子たちに、京都を見せたいー。

そんな思いを抱いて、1泊2日の旅程で子連れ京都の旅を敢行しました。この記事は、その2日目の記録です。

初日は、清水寺へ行ったのですが、バス停から寺までの驚異の遠さに打ちのめされた子どもたち。清水寺に着いたときには、もう寺どころの騒ぎではありません。5分で撤退しました。

その教訓を活かし、2日目はなるべく歩かない方針で。こんなへなちょこキッズと巡った京都の旅です。


宿で朝風呂

私たちが泊まったのは、京都駅から徒歩数分の安宿。なぜこの立地でこの値段?!と不安になるくらい安かった。

結果的にはなんら問題なく、むしろ大満足だった。わたしたちの旅は、ちょこちょこ宿に戻って休むスタイルなので、駅に近いのがなにより便利でありがたかった。それに、大浴場がついていたのだけど、常にガラガラだったのもよかった。というか、一度も人に会わなかった。

銭湯や温泉に慣れない我が家の子どもたちは、いつもはこういう大浴場を嫌がって入った試しがない。だけど、今回は誰もいなかったこともあり、入ってみることに。すると、広いお風呂にすっかり味をしめて、初日の夜だけでなく、この日の朝風呂まで浴びてすっかりご満悦

想像だけど、この宿の客はほとんど外国人で、他人に裸をみられるのに抵抗があって利用する人が少なかったのかも。

友人と合流

この日、大阪から20年来の友人が合流してくれた。彼女は日本人だけど、国際結婚をして中国に住んでいる。ちょうど同じ時期に日本に帰っていたので、会う約束をしていた。

わたしたちが会おうと思えばすぐ会える距離にいたのは、知り合った当初の数カ月のみ。その後は同じ国にいた試しがない。わたしが中国にいたときは、彼女はアメリカにいて、わたしが東京のときは、彼女は中国にいた。いまはわたしがアメリカで、彼女が中国。

それなのに、もう20年来の付き合いになるなんて、考えてみたらちょっと不思議。彼女とは、何年も会えないなんてザラなんだけど、いつも久しぶりな感じが全然しないんだ。こういう友達ってそうはいない。今回、京都まで出てきてくれて嬉しかった。

京都タワー

京都駅の真ん前に聳える京都タワー。息子が「あれに上りたい」と前日から何度もいうので、この日は京都タワーから始めることにした。この日は天気もよくて、眺めがいいかなと思って。

エレベーターを降りると、京都の街をぐるりと展望する景色がバーンと目の前に現れた。東京タワーやスカイツリーに比べれば、だいぶ迫力に欠けるけれど、寺社仏閣が点在する京都の街並みは、東京のそれとは全然違っていて、これはこれで見る価値があるように思えた。三方を山に囲まれた地形も、ここからはよくわかる。

京都タワーからの眺め

息子は、窓のそばに設置された望遠鏡を熱心に覗いていた。かなりの頻度で、新幹線が駅を出入りするのが見えた。娘も、歌いながら踊ったりして終始ご機嫌だった。

一角にガチャガチャを見つけてからが大変。「これをやりたい!」という、ひな鳥のような合唱が始まった。普通ならノーの一択なんだけど、友達が、1回ずつできるようにと子どもたちにお小遣いを渡してくれた。これも旅の醍醐味かという気もして、友達の好意に甘えた。

高台寺

京都タワーを下りたら、さあ寺巡り。

行き先については、昨晩からうんうん悩んでいた。子どもたちには、視覚的にわかりやすいものがいいだろうから、金閣寺がいいか。いや、そもそも寺を見てもつまらないだろうから、思い切ってトロッコ列車に乗りにいくか。わたしは、行ったことのない南禅寺に惹かれるが。

でも、結局、前日行こうとして行けなかった高台寺にいくことにした。京都駅からさほど遠くなく、行ったことがあって様子がわかるから。寺の本堂に腰掛けて、庭園を眺めるのがしたかったんだ。様子をみて行けそうなら、その後八坂神社へ行こうと決め、いざ出発。

前日の清水寺の教訓をふまえ、この日はタクシーで向かった。日本のタクシー高すぎ。京都駅から高台寺までの運賃で、大阪京都間を電車で往復できてしまうやないか。

高台寺を歩く。手入れの行き届いた経路は、両側が柔らかく苔むしていた。苔の緑が好き。一株ずつの細かいその構造と、全体としてのこんもりした形状がいい。「遺芳庵」のきのこみたいな屋根もいい。こじんまりで質素な茶室である。

遺芳庵

本堂に靴を脱いで上がり、縁側に腰かけて、波模様のついた白砂利の広がる波心庭を眺める。小さな空間に、大きな世界を描いた日本の美。じっと見入っていると、涼やかな風が吹き抜けていく。

そんな間にも、子どもたちは全然景色を見ていない。息子と娘は、もらったポスターを剣に見立てて遊び出しそうだったので、慌てて静止した。庭園の細部に目を向けさせようと声をかけるけれど、聞いちゃいない。

結論。子どもたちに寺を見せても全然響かない。親の努力は見事に空回り。

祇園でランチ

高台寺を出るころには、「暑い」と「お腹が空いた」を交互に言い始めた子どもたち。八坂神社はもう無理やな。詰め込んだらわたしが疲れる。

バスで祇園へ向かい、ランチをする場所を求めて徘徊した。パッと目に入った蕎麦屋に入った。口の悪い大将がいる店で、友達は一旦座った後にやっぱり出ようとまで言ったのだけど、また店を探すのが面倒だったので、もうここで食べることにした。

大将は気に食わなかったが、それを忘れてしまうくらい、手打ちそばと揚げたての天ぷらはうまかった。

ざるそばにしたのだけど、つるんとした冷たくて滑らかな食感がいい。天ぷらは、衣が細かい線を作っていて、噛み切るときに気持ち良いほどサクサクした。いいものを食べた。

団子屋さんで買い食い

そのまま祇園を歩いていたら、お団子屋さんを発見。子どもたちが、「みたらしだんごー!」と叫ぶ。アメリカじゃ、こんなの売っていないもんね。買う買う。

わたしは、みたらし団子、よもぎ団子のあんこのせ、団子のきなこまぶしの串が計5本入っているセットを買った。この店で団子を手作りしているという。冷蔵保存などされていない、出来立ての団子なんて贅沢。

うんま!それに、柔らか!天ぷらそばで満たされたばかりの胃に、団子を2本放り込む。幸せ。

ふと見ると、どの団子を買えばいいか迷っている外国人旅行客がいた。わたしは、お節介とは知りながら、つつつと近寄って、「みたらし団子がオススメよ」と教えてあげた。その人は、「ありがとう」と笑顔をつくって、子どものために一本買って行った。気に入ってくれただろうか。

京都にさよなら

団子でお腹が完全に満たされたら、子どもたちが「大阪に帰りたい」と言い始めた。もう京都はお腹いっぱいらしい。

まあ、ここで欲張って寺巡りを続けても自分の首を絞めそうだし、これくらいで切り上げるのがいいのかもしれない。わたしもそう思って、大阪まで戻ることにした。

アメリカ育ちの子どもたちに、日本の古い文化を知ってもらいたくてはるばる京都まで来たけれど、子どもの心にはそう簡単には響かなかったみたい。

わたし「京都で一番心に残ったことはなに?」

子どもたち「京都タワー!

まあ、こんなものです。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
わたしは、66日ライランシーズン2に参加しています。今日はぎりぎりの投稿!

【毎日投稿86日目】

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