世界を終わらせて【1】
あんまり信じてもなかったし、興味もなかった路上の占い師に占ってもらうほど、何か迷っていた7月。
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久しぶりにホテル街から大学に向かった。途中から記憶が残っているような残っていないような、そんな夜だった。
遅刻だけど出席カードはもらえる講義。そして、出席さえすれば単位がもらえる講義。
人生の一片にも残らないような時間を過ごしていた。
大学生3年。輝かしい時期なのかもしれないが、「面白い」「楽しい」とは言えなかった。
なんとなく「まだ就職はしたくない」なんて、
反社会的なワガママだけがぼんやりとあった。
気づけば、大学の授業はそこまで受けずにとにかく飲み歩く。
そんな毎日の繰り返しだった。
「ネオンに取り憑かれてる」
そんなことを友達に言われる日々だ。すっかり”夜の住人”となっていた。
「お前、昨日帰ってないだろ」
「相変わらず、女たぶらかしてんな」
今日の朝も自分の界隈にこんなことを言われた。
いつもなら「これくらいは普通でしょ!」と言っていたところだが、
この日は違う。
余裕がなかった。いつもならあるはずの記憶がなかった。
大体は女よりも飲まないのだが、何かがきっかけで深酒したみたいだ。
確実にやらかした。朝のホテルには誰もおらず、
コトがなされた形跡だけがあった。
記憶を辿っても、ことの相手が誰なのかは分からない。
なので、「うん」という中身のこもってない返事になってしまった。
自分の界隈には似たような奴が多い。気づいたら彼女が変わっているヤツ、よくクラブで飲みつぶれているヤツ。
こんなヤツらが2年後、社会に出ると考えると日本の将来は不安でしかない。
この日はそこまで授業を詰め込んでいないので、1DKの自宅に帰る。アルバイトも2ヶ月前に辞めた。
昨日のお酒を浄化するために水を一気飲みして、ベッドに入って昨日の相手を思い出してみる。
「ダメだ、全く覚えてないわ」
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