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プレーン味 Day1

Day1

「薬そこに置いておくね。温かくして寝てるんだよ。」
うやむやだけど聞こえた声がなんとなく好きだった。

脇から出てきた数字には38.7の文字が刻まれていた。
気だるさに耐えきれずもう一度布団にこもった。

きっと寝たら治る。盲信でしかないが、
今までの経験上これが正解な気がした。

起きて同居人が作ってくれたチャーハンを食べる。
いつもとなんら変わりがない味だが好きだった。

思考停止状態だったが、薬は飲んだ。
同居人が言うにはこれで治るらしい。

気だるさがなかなか消えない。

「お腹出して寝てなかったのにな」

きっとどこかでウイルスをもらったに違いない。
そんなことを思いながら画面にヒビが入ったスマホを覗く。

ただし、見るのは誰かが音にせずに
無音のまま書きなぐった文章しかない。

仕事は苦痛だけど、暇な時間はまた別で苦痛だ。
時間を消耗しているような感覚に襲われる。

これは何かしなくては。という焦燥感に襲われているんだ。

そんな時間を消耗していると、
遠くで数時間前に聞こえた声が聞こえた。

「ただいま。調子は?」
「微妙」

冷たく聞こえる同居人との会話だが、
これを2年間続けている。

そして、きっとこれからも続ける。



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