【読書】『赤と青とエスキース』青山美智子【2022年本屋大賞ノミネート】
2022年本屋大賞ノミネート作品、4冊目に読んだのは、『赤と青とエスキース』(青山美智子 著)です。
私が青山美智子さんの作品と初めて出会ったのは、2021年本屋大賞ノミネート作品を順番に読んでいたときだったことを思い出しました。
日々の疲れを癒やしてくれるような作風に惹かれ、それから1年間、次々と青山さんの作品を手に取ってきました。ドラマノベライズや雑誌掲載のみの作品を除き、いわゆる小説は、今回で全作品読んだことになります。
青山さんの作品には、安心感があります。悩みがあるとき、気持ちが晴れないとき、そっと寄り添ってくれる温かさが大好きです。
「エスキース」をめぐる優しい物語
皆さんは、「エスキース」とは何かご存じでしょうか。「エスキース」とは、下絵のことです。絵を描く際、あらかじめ構図を取ったりイメージを膨らませたりするために行う、下描きのことを指しています。
メルボルンに1年間の交換留学で来たレイは、ブーというメルボルンに住む日本人の男性と出会い、恋に落ちます。レイが日本に帰るまでの期間限定ということで始まった交際。帰国間際、レイは、ブーの友人で画家の卵であるジャック・ジャクソンの絵のモデルをつとめることになります。
この本は、そのときに描かれた「エスキース」をめぐる、とても優しい物語です。
「人生は何度でもある」
連作短編集ということで、丁寧に、慎重に読んでお話同士の繋がりを見つけていくのが楽しいです。時には青山さんの他の作品と繋がっていることもあるので、ぜひ、『赤と青とエスキース』以外の作品も読むことをおすすめしたいです。
私は、「人生は何度でもある」という言葉に勇気をもらいました。「どこからでも、どんなふうにでも、新しく始めることができる」と輸入雑貨店のオーナーが語る場面で、ふわっと気持ちが軽くなりました。
1月の中旬に部署の異動があり、早く慣れて貢献しなければと焦っていたのですが、人生は長いし、これまでもこれからも色々なことが起こっていくのだから落ち着こうと思えたのです。
読み終えた後は、周囲の人を大切にしようと改めて感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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