【読書】『びっくり館の殺人』綾辻行人【クリスマス読書①🎄】
私がnoteで初めて投稿した記事は、クリスマスミステリーをテーマにしたものでした。
12月に入ったので、こちらで挙げていた本のうち、昨年のクリスマスの時期に読めていなかったものを読んでみることにしました。
今回ご紹介するのは、『びっくり館の殺人』(綾辻行人 著)です。
館シリーズ8作目「びっくり館」
このお話は、『十角館の殺人』から始まる館シリーズの8作目です。
小学生の三知也は、様々な噂があるお屋敷「びっくり館」に住む同い年の少年、俊生と仲良くなります。俊生は祖父と二人で暮らしていました。身体が弱く、ほとんどの時間をお屋敷の中で過ごしています。
三知也は、お屋敷を訪ねた際、俊生の祖父が、亡くなった俊生の姉と同じ名前をつけた人形を使って腹話術を披露する不思議な姿を目にすることになります。
クリスマスの夜、三知也は、俊生の家庭教師である努、そのいとこで同級生のあおいとお屋敷に招かれますが、そこで、俊生の祖父が殺害されているのを発見します。
雰囲気や感情を味わう
私がこのお話を読んでまず感じたことは、同じ著者の「囁きシリーズ」に似た雰囲気があるということです。
「囁きシリーズ」のように、トリックや犯人の推理よりも、雰囲気や感情を味わうお話だと感じました。
残酷さと美しさ、寂しさ、恐ろしさ。三知也や努が抱える、家族にまつわる悲しい事情。偶然が重なる、何か運命的なもの。
一つひとつがとても印象的でした。
色、に着目
このお話を読み進めていく中で、心に残ったのが、様々な「色」です。
三知也が初めて「びっくり館」に行ってみた日の夕焼けの色。「びっくり館」のステンドグラスの色。リリカと俊生のドアの色。リリカの目の色。壁面のびっくり箱の色。
三知也の回想で語られるため、全体がセピア色のような感じがするのに、ところどころで鮮やかな色が登場することになんだかどきっとさせられました。
今月は、クリスマスや冬にまつわるお話を読んでいけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【囁きシリーズの感想】
・『緋色の囁き』は、冒頭の「クリスマスミステリー」の記事で紹介しています。