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みかん

みかんが好きです。

私が小さい頃は毎年、冬が来ると地元でとれた美味しいみかんをダンボールいっぱいに買って、一日中こたつで食べていました。

手が黄色くなっても、食べていました。

子供の時は手も口も小さいので、どのみかんも今よりとても大きく感じていました。

一つ一つ丁寧にちぎって食べるのが好きでした。一つのみかんの中に房が何個あるのか、数えながら食べていました。

もいだ房の白い筋を全部取って、綺麗にしてから食べることもありました。

ある日、保育所の給食でみかんが出ました。私は嬉しくなり、いつものように丁寧に皮をむき、ひと粒ずつ食べていきました。

ふと違うテーブルを見ると、年齢は一つ下なのに、私よりもはるかに体の大きな女の子がみかんを手に取っています。

その子は丁寧に皮をむくと、そのみかんを半分にちぎり、そのまま一口でぱくっと食べてしまいました。

私は衝撃を受けました。そんな食べ方は考えたこともありませんでした。

彼女はよほど食べることが好きなのでしょう。しかし、あんな食べ方では、みかんの良さを味わい尽くしていないように思います。

みかんの季節になりました。

またあの子のことを思い出します。

そんな冬を味わっています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!