Takumiのessay

25歳。 エッセイスト。

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    私の思想が特に濃く反映されている記事をまとめてみました。読んでいただけると幸いです。

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    沖縄野菜クラブでの活度を報告していきます!

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    コロナ禍での、京都旅行記をまとめています。

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    オーストラリアでの実体験をもとに、ワーホリについて自分なりに解説しています。ワーホリを考えていらっしゃる方は、ぜひ!

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井上陽水「傘がない」は「社会問題」のあり方を描出した珠玉の歌。

井上陽水の「傘がない」という曲を知っているだろうか。 こんな歌い出しから始まるこの曲を、私は以前、少し訝った目で見ていた。すでに議論し尽くされた問題を取り上げ、社会をただ暗い面から切り取っているだけで何も生み出さない歌。そんな印象を持っていた。 しかし、改めて最後まで注意深く聞いてみると、この印象は全くの的外れなものであるということが分かった。 私がこの度聞いたのは、中森明菜さんによるカバーバージョンだった。 本家とは違い、そのメロディーは弦楽器の音色などとともに静か

    • 友達という贅沢品 〜社会に出てから友達を作るということ〜

      社会人になると、仕事場以外での人間関係がかなり自由になる。 親元/地元を離れ、一人暮らしなど始めた場合にはそれが顕著である。 毎週違う人と知り合うこともできるし、何一つ新しい交友関係を作らないまま一年間をやり過ごすこともできる。 学生時代は、定期的に同じところにいて、直接的な利害関係も無いという人間が周囲にウジャウジャいたため、なんとなくの流れで「友達」的な雰囲気になっていくことがほとんどだったように思う。しかしこのような状況は、一人暮らしの社会人にとっては望んでもそうそ

      • 前略、床の上より。

        「雨風を凌げる場所」という表現で家屋を表すことがある。この言葉が指しているのは屋根や壁のことだ。しかし無論、家はこの二者のみでできているわけではない。そこにはもう一つ、床という欠かせない存在がある。 灯台下暗しなどと言うが、人間には、足元への注意をおろそかにする性質があるらしい。それがすでにある程度安定した足場となっているということを足裏の感覚で察知することさえできれば、特段それ以上気にする必要が無いと無意識のうちにみなしているのだろう。足場の悪い場所などというのも普通に生活

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          映画「世界の中心で、愛をさけぶ」

          ロケ地は香川県や愛媛県だという。どうしてこうも瀬戸内海という場所にはドラマが生まれるのだろうか。 港があって、島があって、程よく田舎で。海を見下ろす開けた場所が無数にあって。都会に住んでいる人間からすれば珍しいもの、惹きつけられるものの宝庫なのかもしれない。 劇中でも、友人の船に乗って近くの無人島まで行き、一泊のデートをするという一幕がある。船舶免許を持つ高校生。すぐに行って帰って来られる場所にある無人島。こんなものがゴロついていれば、そりゃドラマが生まれないわけが無い。

          映画「世界の中心で、愛をさけぶ」

          光害という名のイルミネーション

          シャワーを浴びて浴室から出る。寝間着を身にまとい、髪を乾かす。 寝室に戻ると、カーテンの隙間から何やら青白い光が差し込んでいる。レースカーテンの隙間から見えるその先の空気は、まるで夜明け前のあの静けさがやってきたかのように感じる。 自分の時間感覚がすっかり狂ってしまったのかと、思わず時計を見る。23時。大丈夫、おかしいのは私ではない。 改めて窓の方を見る。やはりあの青白さは早朝のそれにしか見えない。 まあ、大方犯人はわかっているのだが、一応近づき、外を見る。 道を挟んで向かい

          光害という名のイルミネーション

          目薬をさすとき

          目薬をさすときほどの角度で上を見上げることはなかなか無い。 花火だってあんな角度で見てはいない。 スカイツリーのような建物を物珍しげに真下から見上げるときくらいしか、あんな首の曲げ方はしない。 スカイツリーを見上げるときには、立っていることが常だろう。しかし、目薬をさすときは基本的に座っているものだ。 また、目薬をさすには両腕を持ち上げていなければならない。 片方の手で目薬を持ち、もう片方の手でまぶたを押さえる。必然的に自分の頭よりも高い位置に両腕が上がっていること

          目薬をさすとき

          ちいりおチャンネル

          ちいりおチャンネルをご存知だろうか? つべこべ言わずにまず動画。 はい。こちらでございます。 こちらもおすすめ。 見ていただくと分かると思うが、この少女、とにかく面白い。 ひょうきんな子供ならいくらでもいるが、彼女のおふざけは一段回も二段階もレベルが高い。 客観的に見て何が面白いかが分かった上でそれを完璧に再現しながら話している。会話の文脈やご両親の反応に合わせて適切なトーン、間、言葉遣いで合わせている。 とても未就学児とは思えない。それどころか、人生いったい何回目

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          街ゆく服を透かしてみよう

          街行く人々を見ていると、ファッションとは何かと考えさせられる。 一瞬目の前を通り過ぎるだけという束の間の邂逅。その連続の中では、やはり奇抜な格好の人が意識に登ってくる。 例えば、ぴえん系とか地雷系とか言われているらしいロリータみたいなふわふわしたやつである。(私の認識が一番ふわふわしている。) 明らかに周りの人々とは異質で、悪く言えば浮いているように見える。そういった格好をしている彼女たちは大抵の場合二人組くらいで行動しているように感じる。 ただ単に類が友を呼んだのか

          街ゆく服を透かしてみよう

          カフェにて

          「え〜っ!その人ホントに好きなんですか〜!?」 となりの机から元気な声が聞こえてきた。 今日は色々と調べ物や考え事をしようとカフェにきた。外を見ながらゆっくりしようと2階の端っこの机に陣取り、PCを開いてカチカチやって、やっと一段落ついたとき、入店してきたOLらしき二人の女性がやかましい。 1〜2時間ほど喋っていただろうか。本を読もうとした矢先だったのだが、何かと引っかかる言葉を連発するので無視することもできず、文字を目で追うふりをしながら聞き耳を立てた。 一人はアラフ

          カフェにて

          映画「アメリ」

          フランス映画「アメリ」の主人公はうら若き女性である。ショートヘアが似合う彼女はどこか大竹しのぶさんにも似ているように思えた。 一風変わった両親に育てられ、同世代の友人と遊ぶという経験すら無いままに成長したアメリは、人付き合いが得意ではなく、空想癖のある少し変わった大人になる。 彼女はカフェで働きながら一人暮らしをしているのだが、その周りには何かと問題を抱えた人々が登場する。そんな彼らとの関わりを描きながら物語は進行していく。 アメリの暮らすアパートの管理人は憂鬱な気分で

          映画「アメリ」

          絶望を持って退屈を制す。

          退屈な日常においては絶望もまた一つの刺激となり、前へと進む活力となる。 日々同じことを繰り返し、感情の起伏の無いままに過ごしている期間がある。その日常はなんとなく過ごせてしまいはするのだが、現状を変えるエネルギーが湧いてくるということはなく、結果として、何の変哲も無い日々が継続される。 もしそこに、一片の絶望が舞い降りてくるとどうだろうか。動悸が早くなり、冷や汗をかき、さあどうしたものかと頭は悩みはじめる。 それは絶望であるゆえに一刻も早く回避したい状態であり、自然と(脳を含

          絶望を持って退屈を制す。

          歯磨きもしないまま

          久々に会った友と夜通し語り合った。 9時や10時には話し始めていたはずなのに、気づけば3時を過ぎていた。 彼女は彼女の悩みを語った。 詩作に関する悩みだった。 彼女には彼女の好きな文章がある。 彼女にはその素晴らしさが十分に理解できているはずだっだ。 しかし、だからこそ自分の書くものとそこに書かれているものの差に苦しんでいた。 どうやってその溝を埋めればいいのか。 その方法を掴みかねていた。 彼女は私に詩を手渡した。 私は私が語ることを語った。 彼女は耳を傾けた。 彼女は感

          歯磨きもしないまま

          本は熱いうちに読め。

          先日、久しぶりに本屋さんで新品の本を買った。このところはもっぱらECサイトか古本屋で買うばかりになっていたため、それはとても新鮮な体験だった。 友人と訪れたその大型書店。ビル一棟が丸々本屋だ。別の友人と落ち合う約束をしていたが、その時刻まで余裕があったため、本でも買って、併設されているカフェで読みながら時間を潰そうという計画である。 ブラブラとあてもなく歩いているようでも、自然と体は興味のあるジャンルの棚へと引っ張られる。その日の気分は社会学だったようで、理系のメガネ男が

          本は熱いうちに読め。

          沖縄のステーキ屋にこだまするロブスターの断末魔

          沖縄という場所には、いわゆる本土とは違った文化が数多く存在しております。その一つがステーキ文化であります。 沖縄戦の痕跡は米軍基地及びそこに駐在する米兵やその家族の存在という形で見て取ることができるわけですが、ある一定数以上の人間が存在しているからには、彼らの文化もそこに続いてついてくるというのは必然の話でありまして、目出度いことがあると分厚い肉を焼いて食べようというのもその一つなのでございます。 誕生日になりますと予約を入れて、家族みんなで行くらしいですな。私の知り合い

          沖縄のステーキ屋にこだまするロブスターの断末魔

          Dark_Heavy_Riff

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