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絶望プログラマー(フリーランスvs会社員)

こんにちは。
こちらにも書いたのですが独りで飲みに行くことが多くて、先日も行きつけの店で独りで飲んでいたのですが、店員さんに「背中が疲れ切っている」と言われました。いつもカウンターに座るんでね、後ろ姿を見てそう思ったのでしょう。実際に疲れ切っています。絶望です。

フリーランス最強説

テレビニュースを見ていたら、今どきの働き方ということでフリーランスが取り上げられていました。
会社員生活でできなかったことがフリーランスになってできるようになり、人生が変わったという内容でした。

月収が3倍になり、朝早く通勤電車に乗ることもなくなり、趣味の時間が増えたとのことでした。

新しい働き方なんでしょうね。こちらでも書きましたが今はキャリアパスの選択肢が豊富で、転職前提やフリーランスになるための腰掛けで会社に入ってくる若者が増えたと思います。

組織と人間関係に縛られ、休みは少ない、おまけに給料は上がらないと散々サラリーマンのネガティブな情報を目にして、それらが払拭されたフリーランスに今注目が集まっているような気がしました。

フリーランス自体は昔からあって、それこそ私が新人の頃から現場にフリーランサーが居ました。ただ、今と比べたらそれほど目立っていなかったです。20年以上前になりますがその頃のフリーランスって腕っ節のある人たちばかりでベテランが占めていました。いつ切られるか分からないフリーランスはリスクがありすぎると、私の周りでは皆同意見で人気はなかったです。

※若い頃、納期間近に顔真っ赤で冷えピタ貼って咳ゴホゴホしながら仕事してるフリーランサーを見てゾーっとしました。休んだら切られるんでしょうね。

それが今ではガラリと変わり、20代でフリーランスを目指す若者が当たり前となりました。ライフワークバランスを求める若者にとって、目指すスタイルにマッチした働き方がフリーランスであるとメディアは特集していました。

そんなメディアの情報が業界を駆け巡っている中、新卒採用と中途採用をやってきた私に大きな変化が現れるようになりました。

3年で3人に2人が辞める

特に中途採用が変わりました。5年前に比べて応募が10分の1になって、未経験者(プログラミングスクール卒業)と年齢高めの層が一気に増えました。
40代はもちろんのこと50代の応募がやたら増えました。

「30代の油が乗ったエンジニアはどこにいってしまったんだ?」

最近現場でよく話題になります。殆どは大手が抱えていると思いますが、それにしても転職市場での人材流通が減りました。
あとはフリーランスの変化ですね。

若いうちに会社を辞めてフリーランスに鞍替えするエンジニアが増えています。
うちでも別の部署ではありますが、数名の若手が3年で会社を辞めてその後どうなったかというと、みんなフリーランスになっていました。
狭い業界なのでそういう情報ってけっこう入ってくるんですよね。

3年で3人に2人が辞めると言われているくらいで、うちでも3年で辞める若者が続出しています。
私も若手に辞められる経験をしました。下が辞めるのは上の責任だと昔から言われており、なかなかにつらいものがありました。

対策のためハラスメント系セミナーに出席し、1on1を繰り返し、常に冷静で感情を一切消して部下と接しているつもりですが、もともと転職を視野に入れている若手の気持ちを変えるのは容易でなく、今年も「魔の3年目」を迎える若手が何人かいます。

会社としては新卒採用は投資であり、育つまでしばらく元が取れません。
だいたい3年目あたりからようやくプラスになるのにそこで辞められてしまうと大損です。
かつ、ここのところ3年退職が続いているので会社も対策を打ち出しました。

3年で辞める若者に対し会社はどう動いたか?

辞められても良い業務スタイルに変えたのです。
ジョブ型というわけではありませんが、辞められると引継がとにかく大変なので、徹底的に属人化を潰すことにしたのです。
その結果、いつ若手に辞められても良い体制ができてきました。
(まぁ本来この姿を目指すべきなんですけど、ベンチャーってどうしても属人化してしまって・・)

悲しいかな、若手への接し方も変わりました。なんだかねぇ・・、ロボットを操作しているみたいです。血が通っていないというか・・、育成って伴走しながらその人のキャリアパスを築いていくことだと思うんですよね。
人によってはPMやりたいとか、テクニカルリーダーになりたいとか夢があって、その夢を一緒に叶えるというか。。。

人を育てるって物凄く大変なんですけど、成長した姿を見たとき何とも言えない嬉しい気持ちになれるんですよ。じゃないと管理職なんてやってられません。

今後ますます新人の腰掛け入社が増えていくと思います。会社もバカではありませんのでそのことを想定して動いています。フリーランサーに対しても警戒するようになっています。

超売り手市場ということもあり、少しでもアンマッチが起きると辞めてしまうフリーランサーが増えました。先月1人は無断欠勤、来月1人は2ヶ月持たないで退場決定、PMは頭を抱えてストレス倍増中です。

こうもポンポン辞められてしまうと現場も警戒するようになります。
腰掛けの新人にしてもフリーランサーにしても、代えのきく存在として現場は見るようになり、プロジェクトの中核を握るのはプロパーであるという思いが強くなってきます。(以前からそうでしたがより強くなりました)

その結果、うちで今欲しいのはフリーランサーでも新人でもなく、プロパーです。
緊急対応や本番データにアクセスできるのはプロパーであり、プロジェクトの責任を負うのもプロパーです。

たぶんうちだけではないと思います。狭い業界ですから同業者とよく話をするのですが、どこも人員確保に苦労しており、特にプロパーを欲しがっています。

会社員だって悪くない

フリーランス最強説と言われていますが、ITは進化の速い業界ですからね、また変わるような気がするんですよね。
Web開発も世界中でフレームワークの強化が激しく行われており、その先には自動化が出てくるでしょうし、いわゆる下流工程の仕事は激減して、仕事として残るのは人間じゃないとできない上流工程だと思うんですよね。

上流工程は対人スキルの塊のようなもんです。会社にプロパーとして入って時間をかけてプロジェクトを回し、トラブル回避、お客様対応と、多くの経験を積む必要があります。本番データに触る経験もプロパーでないと得にくいです。

結局責任のある任務はプロパーでしかできないんです。
若いうちからデカい案件ガンガン回すっていうのもありだと思うんですよね。やり甲斐あるし。

会社員も悪くないと思うんですけどねぇ・・

そんなことを考えている今日この頃です。
ではまた。



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