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縮小する地域と変化する行政の役割

明日、東京でこんな感じのテーマでお話しします。R-SICというリディラバという一般社団が企画した会にて話してきます。

1.どんな人と話すのか

登壇メンバーは、岡山県で村でありながらローカルベンチャーなど最先端を走る西粟倉村の上山さん、東広島市で地域の自治についてお仕事されている堀江さん、鳥取市でNPOとして行政との関りがある僕。モデレーターは、全国の地域系キーマンとつながるETIC.の瀬沼さんです。

西粟倉村は実は鳥取県智頭町と接していて、実はうちの学生が数年ボランティア派遣で入っている地域でもあります(鳥取県をまたいで派遣している唯一の場所)。そんなご縁もあったりで、知り合いの多い村です。役場の方も自分で考えて動くタイプはほとんど、村の経営への当事者意識がどの職員さんも高い状態です。

堀江さんは今回初めてお会いしますが、東広島と言えば広島大学がある自治体で、そこで学生のたまり場になるカフェを経営している知り合いがいたりと認識している街でもあります。

ETIC.はここでもたまに書いてますが、僕と全国をつないでくれている貴重な存在で、瀬沼さんは地域系事業が多い関係でよく一緒に仕事をさせてもらっています。瀬沼さんに呼ばれるときは”瀬沼JAPAN招集”と僕は言ってます。

そんなメンバーで楽しく話せたらと思っています。

2.僕の課題意識

けっこう、ばっくりとしたテーマだったので個人的には、論点をある程度絞っておかないと、話題のすり合わせだけで時間がもったいないなと思っています。

地域自治と住民組織の部分、行政サイズの問題、一昨日の記事でも書きましたが、現状把握を含めた課題解決の流れなど、縮小するかしないか以前に行政としての役割の転換期だとは思っています。それは同時に住民側も変わっていかないといけないこともさしています。

いくつか視点を上げておきます。

(1)小規模多機能自治から考える住民組織での自治と行政
(2)平成の合併を経て人口規模と行政組織の役割
(3)攻めなのか守りなのか
(4)NPO的な組織の役割
(5)行政側の様々なレイヤーの役割

(1)小規模多機能自治から考える住民組織での自治と行政
僕は居住自治体である鳥取市の小規模多機能自治に関係する委員会やアドバイザーもしていますし、豊岡市さんのアドバイザーや地域マネージャー研修などもさせていただいています。

この流れを考えると、小学校区ぐらいでの地域経営を地域住民が、一定程度の組織と責任をもってやっていく流れは来ています。地区公民館やその中で、住民側の判断力をあげる動きや、行政側としての協働の必要性は上がっているように感じます。

住民の代表者や、地区運営の責任者など事業責任者を生み出したり、地域内の合意形成を促したりする役割が役場には求められています。急に役場側から、「今日から小学校単位で自治を考えてください」とか言われても無理だし、それを可能な人材を発掘したり、育成していく視点は必要。

(2)平成の合併を経て人口規模と行政組織の役割
平成の合併を経て多くの自治体がまとまってきています。人口は増えていますが、線引きが変わっただけだったり、鳥取市のように合併前の自治体エリアに地域振興協議会なるものを設置して、一定程度の自治などをさせたりしています。

一方で、西粟倉村に代表されるように地方創生などの先駆的な動きをしている自治体の多くは合併を選ばなかった場所です。皮肉な話ですが、縮小に備えて合併したところよりも、縮小を受け入れて対策をうち、現状維持や拡大の視点をもって成果を出しているのは合併していない自治体なんです。

では、どこが一番違うのか。それは職員の当事者意識ではないかと思います。冒頭に書いたように西粟倉村の役場職員は、多くの人が村の経営を一人一人の職員の方が考えて動いています。そういうことじゃないかと。

そうなると、行政の役割というよりは行政職員の当事者意識の高さは必要になってくるんじゃないかと個人的には思うわけです。特に基礎自治体(市町村)になればなるほど。

(3)攻めなのか守りなのか
地域の実情を捉え、世の中の流れをみて施策を打っていく。経営者のような動きを職員がやっていく、それを攻めの基礎自治体と言ったとして、多くの基礎自治体は守りの行政で対応します。

攻めの行政については本来は議会の役割なのかもしれないですし、前述した小規模多機能自治の事業体の責任者なのかもしれません。ただ、現状から考えると市民にそこまで問うのは、なかなか重たい案件だなと思います。

現状把握の情報が入りにくい、他地域と比べるような情報が入る仕組みがない。経営の視点をもって考える機会は少ない。その逆を行く人は結構特殊な状況だと思います。

そう考えると、合併って本当に必要だったのかなと感じることが多くあります。うすく広くしてしまったせいで、誰も地域で腹をくくる人がでなくなった。小さな自治体の公務員の方は、現状把握は見える範囲でできますし、事例が生まれ始めれば勝手に外から情報がやってきます。そして、中小企業の経営者のように村のことを考えて、国の施策を引っ張ってきたり、県と共同したりできます。

(4)NPO的な組織の役割
そこまで考えると、合併してしまった多くの自治体のでは小学校エリアではNPOのような組織が、地域経営を担うというのが現実的な落としどころなのかもしれません。

地域について当事者意識をもつようになり、それが複数人に増え組織をつくる。最初は飲み会とかかもしれないですが、何かしらの役割を小さく始めて、徐々に大きくしていく。

そういう組織が増えていくことを支援したりすることはできるのではないかと思います。人材育成であったり、財源措置であったり、制度変更だったりかなと。

(5)行政側の様々なレイヤーの役割
基礎自治体に関われば関わるほど、国や県がやるべきことはシンプルかなと思います。

(A)制度を選択できるようにすること
(B)執行期間に余裕が生まれるようにすること
(C)人材育成などの財源措置をすること

制度を選択できるようにすること、執行期間の余裕を生むこと、人材育成についての財源措置をすることを考えます。失敗も含めて、地域側で考える機会を与えたほうが良いです。

制度を選択できるようにすることとは、自治体での状況が様々なので、一律ルールで無理やり縛るよりは、「ABCのどれかから選んでね」くらいが良いのではないかと思います。既にバリバリやってたらごめんなさい。

国に関しては、国で決定→県で決定→市町村が実行の3段階で物事が下りてきていると、市町村の実行レベルでのスタートがかなり遅れます。年度内で執行するようなスケジュールだと、何も生み出せないと感じているので、年度内という概念を外した施策をうつのもそろそろ必要かなと思います。

3月までに、下手したら2月中に〆切が来たりしてます。そんなバタバタした状況だとやる側もモチベーションさがりますし、下手したら、更にその下にNPOとかが現場で捌くってこともあるので。

あと、人材育成の視点については結構大事だと思っています。町村になってくると、課長にならないと東京出張に行くことがないとか、聞いています。渡航予算がないのです。勉強会に行くにしても、ネットワークを作るにしてもそもそも機会にたどり着けない。なので、交付税の○○%は役場内人材育成に使うとかそういうのが大事だと思います。組織の自助努力で何とかなるレベルではもうないと思います。

3.会場でお会いしましょう

そんな感じで、話すかもしれないことをここにざーっと書いてしまいました。会場でお会いできれば幸いです。

twitterもやっています。昨日は審査会でいろいろ考える機会がありました。続きもtweetしているので、興味あればみてください。


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