見出し画像

[UFN221]バンタム級トップランカー対決をメラブ・ドバリシビリが制する!!

本日行われたUFC Fight Night221のメインイベントで行われたバンタム級ランキング2位と3位の一戦は、「マシーン」の異名を持つメラブ・ドバリシビリの勝利で幕を閉じた。

●ピョートル・ヤン(2)↓ VS. ○メラブ・ドバリシビリ(3)↑


引用元:©︎UFC(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

戦前の個人的な予想では、接戦をヤンが制してスプリットの判定勝利となるのではないかと思っていたが、蓋を開けてみるとこの試合はドバリシビリの圧勝だった。

手数の差


引用元:©︎UFC(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

このカードの勝負はほとんど前半で決していたような感じだった。

前半のラウンドでドバリシビリを処理しなくてはならなかったヤンであったが、ドバリシビリの攻撃処理で後手に周り続けた結果、カーフに致命的なダメージを抱えてしまう。

堅い守りから強力なオフェンスへとシフトしていくヤンのファイトスタイルは序盤にドバリシビリの手数によって砕かれてしまった。

攻撃回数の違いは戦局を左右するような致命的なダメージを通す可能性にも影響を与えるので、残るダメージは本来ヤンが先にドバリシビリに与えておきたかったところだろう。

しかし実際はヤンが先に出鼻を挫かれるような攻撃をもらってしまう。

回復しないダメージを与え、脅威的なヤンの攻撃力を削ぎ取ったドバリシビリはそれ以降オクタゴンの中で自由の身となっていた。

自分のペースで試合を進められるドバリシビリのスタミナが消耗することはなく、5Rを通してスタンドの打撃にタックルを混ぜる動きを取り続け、ヤンを圧倒し続けていた。

試合を通して攻撃を仕掛ける回数でもヤンを圧倒していたドバリシビリは、僅差ではなく大差でヤンを退けることに成功した。

これまでに見た事がないやられ方をしたヤンはこれで3連敗。

凶暴なまでの攻撃、無慈悲なまでの猛攻、そういったヤンのストロングポイントが全く見られる事がないままタイトル戦線から後退してしまったが、年齢的にまだ戦えるヤンは何処かで再びタイトル戦線へと浮上して来るのではないかと思っている。

元チャンピオンの基礎力


引用元:©︎UFC(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

今回の試合では攻撃の部分でヤンはドバリシビリに対して脅威を与えることはできていなかったが、カーフを効かされて踏ん張りが効かなくなっても尚見事なまでの片足タックルの対処を見せていた。

ポイントを奪われ、ダメージが溜まり、試合の結果がほとんど見えてきてしまっている中、スタミナを大きく消耗しながらもヤンは最後まで折れる事なくドバリシビリのテイクダウン地獄とやり合った。

並の選手であればあっさりトップコントロールを許すか、フィニッシュされてしまっていても全くおかしくないような状況下でヤンは冷静な対処を根気強く行い続けていた。

そこに普段の練習で積み上げた基礎力の高さと練習強度の高さが垣間見える。

結果的には連敗する形となってしまったが、前足を潰された状態で押し切られる事なく最後まで戦い続けたヤンのメンタルと身に染み付いているスキルの高さは元チャンピオンに相応しく、圧倒されながらも光っていたように感じた。

ベルトに手を伸ばすジョージア製のThe Machine


引用元:©︎UFC(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

ヤンとの戦いを制して連勝を9に伸ばしたドバリシビリは、これでベルトを狙うタイトル戦候補に名を連ねることになった。

既にタイトルマッチを行う予定があるバンタム級は、王者のアルジャメイン・スターリングと“TripleC”ことヘンリー・セフードがそのベルトを賭けて戦うことになっている。

次戦がその戦いの勝者との試合になるのか、それとも正規のタイトル挑戦者を決める戦いとして、メラブ・ドバリシビリ VS. ショーン・オマリーが組まれるのか。

どちらにせよドバリシビリはUFCのベルトを目前に捉えている。

ストライキングもテイクダウンも得意で頑丈なドバリシビリは、素早いタックルで距離を制する事が出来れば恐らくオマリーの攻略にも成功するのではないかと思う。

強敵ヤンをしっかりと倒したドバリシビリがどこまで駆け上がっていくのか、その今後に注目が向けられる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?