[ボクシング] 井上尚弥、フルトンを打ち倒す
25日に行われたWBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで“挑戦者”井上尚弥が“王者”スティーブン・フルトンをTKOで下して2つの王座を獲得することに成功した。
また、それと同時に世界4階級制覇も達成している。
技術戦でも上手を取っていた井上尚弥はポイントでリードしながら、8Rにしっかりとフルトンを捉えてマットへと沈めてみせた。
正直、井上尚弥有利の声がありながらも、戦前はかなり難しい試合になるのではないかと想像していた。
またKO勝利を期待しながらも、実現の難しさを感じていた。
しかし井上尚弥は強かった。強いことを十分に知っていながらも、改めてそう思ってしまうほどに。
正に“怪物”という言葉が相応しい内容を見せ、ファンがイメージする強さのレベルを再び更新してみせた。
ファンの度肝を抜きたい、と語っていた通りの結果をフルトン相手に実現してみせてしまったのだから恐ろしい。
これまで誰もフルトンを倒すことが出来なかった、まして打ち倒すことなんて奇跡と感じるほどにこれまでフルトンは挑戦者をキッチリと退けてきた。
そんなパーフェクトレコードを持つ王者であっても、井上尚弥には及ばなかった。
その偉大さが霞んで見えてしまうほどに。
これは世界の中でも群を抜いた存在であることの証明でもあり、王者に求められる対応能力が高いレベルで備わっていることを示すものでもある。
ディフェンス技術に優れ、ファイトIQの高いアウトボクシングを得意としたアメリカンボクサーまでも攻略して見せたのだから、世界は改めて驚いたことだろう。
今回の勝利で井上は2本のベルトを獲得した。
そうなればあと狙うのはタパレスが持つもう2つのベルトのみ。
試合後、リング上で年内に統一戦を行うという約束を口頭で交わした両者。
それがちゃんと実現すれば今年中にさらなる歴史的な瞬間が見られることになるかもしれない。
次戦の井上尚弥はよりスーパーバンタム級に馴染んでくると思うので、どんな試合が見られるのか今から楽しみだ。
何より今夜日本のファンに素晴らしい勝利を届けてくれた井上尚弥に心から感謝したい。
おめでとう、そしてありがとう。
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