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ミドル級・ウェルター級に動き&TUF決勝!

5Rの激闘が行われたメインイベントのミドル級ランカーマッチ。

タイトル戦へと繋がっていく戦いはお互いに一歩も引かない熱戦となった。

ミドル級
●(5)ジャレッド・キャノニアVS.○(12)カイオ・ボハーリョ
※ボハーリョの5R判定勝ち


引用元:©︎Getty Images / UFC l Chris Unger

序盤からジャブとカーフを使った中間距離からの攻撃でペースを握ろうとしていたボハーリョは、テクニックとスピードの部分でリードを得ていた。

一方のキャノニアは頑丈さとパワーでボハーリョの攻撃を耐えながら強打でダメージを負わせつつ、ボハーリョのプレッシャーを跳ね返し、ペースを握らせない展開を維持する立ち回りを見せる。

お互いに一歩も退かない緊張感のある展開の中で大きな動きを作ることになったのはボハーリョの「左ストレート」だった。

今回の一戦でボハーリョは戦術プランによるものなのか故障によるものなのかは分からないが、強力な武器として機能していた「左ストレート」をほとんど使用していなかった。

基本的には三日月蹴りやカーフなどの足技とジャブで試合を作っていたため、キャノニアの攻撃と比べると一発の可能性はあまり感じらない攻めが多く、破壊力は劣っていた印象。

そのため、キャノニアのパワーに押されるような展開も要所に見られ、飲み込まれかけているラウンドもあった。

そんな苦しい状況を打開したのが「左ストレート」を混ぜたコンビネーションであり、キャノニアに明確なダメージを与えていたのも基本的にはこの左を混ぜた攻撃だった。

そしてこのボハーリョの左は5Rまでもつれた接戦に終止符を打つ決定打としても機能することになる。

押しつ押されつの攻防を繰り返して突入した5R目でボハーリョは、スタミナの消耗がありながらもキャノニアの攻撃への対処を上手く行い、自身の攻撃を当てながら良いリズムを掴み始めていた。

そうしてキャノニアをケージ際まで追い詰めたボハーリョはそこで左の大砲を放ち、疲弊したキャノニアの顎にヒットさせると決定的なダウンを奪うことに成功する。

意地を見せたキャノニアが粘ったことでフィニッシュとはならなかったが、大差をつける内容で最終ラウンドを終え、ボハーリョが3-0の判定勝ちを収める結果となった。

これで大幅なランキングアップに成功したボハーリョはタイトル戦が見える位置まで浮上することになった。

アデサニヤ・ストリックランドが退けられた後のタイトル戦線に新たな流れをもたらす存在として、UFC7戦7勝のボハーリョには今後大きな注目が向けられることになるだろう。

マイケル・モラレスが無敗のままランキング入り

ウェルター級
●(12)ニール・マグニーVS.○マイケル・モラレス
※モラレスの2R TKO勝利


引用元:©︎Getty Images / UFC l Chris Unger

17-0のレコードを持ち、UFC5連勝を記録した期待の若手ファイター・モラレスがウェルター級ランカーであるニール・マグニーをTKOで退けてランキング入りを果たした。

高いテイクダウンディフェンス能力を持ち、腰が強さで鉄壁を築く強力なストライカーのモラレスはフィニッシュ率も高く、攻防に優れたMMAを展開しながら対戦相手を追い詰める。

今回もマグニーが仕掛けたテイクダウンを丁寧に防ぎ切り、付け入る隙を与えないままエルボーで反撃を加え、致命的なダメージを負わせると、強烈な追撃を浴びせてあっさりと試合を終わらせてしまった。

これでまた一歩ウェルター級の王座へと近づいたモラレスは、ここからタイトル挑戦に相応しい存在であることを証明していくために、強豪ぞろいのランカーを次々と下していかなければならない。

ただ、恐らくモラレスはそれを次々とクリアしてベルトに近い位置まで辿り着くことになるだろう思われる。

相性次第で内容は変化していくだろうと思うが、上位ランカーと戦っても勝ちを奪えるくらいの実力を持っているファイターではあると思うので、これからの成り上がりに大きな期待が寄せられる。

期待の新人がUFCのフェザー級に参戦!

フェザー級
●カーン・オフリVS.○マイロン・サントス
※サントスの2R KO勝利


引用元:©︎Getty Images / UFC l Chris Unger

TUFのフェザー級決勝が今回のイベント内で行われ、オーストラリアのプロスペクトであるオフリと、14-1の戦績を持つブラジルのストライカー・サントスがぶつかった。

決勝ということで激しい戦いが繰り広げられるかに思われたが、二人の実力差は大きく、対処能力や身体能力・パワーなど広い範囲でフェイバリットのサントスが大きく上回っていた。

その中でも特に目を引かれたのはサントスの打撃の速さである。

しなやかでバネのある筋肉が付いているからなのか、モーションが小さい割に打撃速度があるため、オフリは反応出来ずにヒットさせられているシーンが目立っており、あの打撃に反応するのは中々難しいのではないかと感じた。

それくらい伸びがあって速い打撃を繰り出すサントスは、打撃をサークリングで外したり組み際の処理をしっかり行い相手の展開にさせないといった、勝つために必要な細かい要素を丁寧に処理することが出来る器用さも持ち合わせたファイターであるため、彼はその強力なストライキング能力を何倍も厄介なものにするための術も持っていると言えるだろう。

圧勝でTUFを制したサントスは、ここから本戦であるUFCフェザー級の舞台でもかなりの輝きを放っていくのではないかと思う。

今回のような強さを本戦でも見せることが出来れば、フェザー級の勢力図を変える有望株としても注目されることになっていくだろう。

新星としてフェザー級に新たな風を吹かせることが出来るのか、驚異的な身体能力を垣間見せたブラジルのストライカーの今後に期待が高まる。

オールアメリカンのレスラーがミドル級入り!

ミドル級
●ロバート・バレンティンVS.○ライアン・ローダー
※ローダーの2R TKO勝利


引用元:©︎Getty Images / UFC l Chris Unger

オールアメリカンのディヴィジョン1レスラーがTUFミドル級の決勝を制してUFC入りを果たした。

対戦相手のバレンティンもレスリングのテイクダウン能力に対抗して、下から果敢に柔術的な攻めを見せてローダーを苦しめる場面も見られたが、1R目で腕を極められかけて負傷したこととスタミナが消耗したこともあって、2R目はローダーの攻めを受ける展開となった。

最終的にバレンティンはローダーにマット・ヒューズポジションを取られてしまい、ガード出来なくなった頭部に肘を浴びせられ続けたことでレフェリーストップされる結果となってしまった。

組みの展開で危うくなる場面もあったが、オールアメリカンに選出されたD1レスラーのコントロール力はやはり凄まじく、今後の活躍に期待が向けられる内容となった。

また、ミドル級には同じくオールアメリカンに選出され、多くの世界選手権を制して来たトップレベルのレスラーである「ボー・ニッカル」がいる。

すでに華々しい活躍を見せているニッカルとローダーが出会うことがあるのかどうかは分からないが、もしカードが組まれるようなことがあれば面白い技術合戦が見られるかもしれない。

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