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激闘のUFC280!

アブダビを熱狂で包んだUFC280。非常に豪華なカードが並んだこの大型大会、その中で注目カードの行方を開幕前に予想していたので結果と照らし合わせていきたい。

ムハンマド・モカエフVSマルコム・ゴードン


引用元:©︎UFC(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)

予想:モカエフの2R一本勝ち 結果:モカエフの3ラウンド判定勝ち

試合の感想としてはモカエフがゴードンを思ったほど圧倒出来なかったという感じだった。

モカエフのレスリング技術はやはり脅威的だけれど、組技に秀でた選手であれば対応出来ない訳でもないという感じで、スタミナも意外と消費しやすくタックルからトップキープの流れを後半戦で切られたらスタンドでの勝負はキツいように感じた。

例えばバンタムからフライに落としたコンプリートファイターとモカエフが当たった場合、切り札である組みをフィジカルと技術で防がれて跳ね返される可能性がある。

将来的にはもしかしたら平良達郎VSムハンマド・モカエフが見られると思うので、その時にオールラウンダーの平良と世界の大型ルーキーがどういった試合を見せるのか。

期待せずにはいられない。

マフムート・ムラドフVSカイオ・ボハーリョ


引用元:©︎UFC (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC )

予想:ボハーリョの判定勝ち 結果:ボハーリョの3ラウンド判定勝ち

予想としてはボハーリョがもっと封じ込めた上での判定勝ちを思い描いていたが、ムラドフもテイクダウンを奪いトップをとる展開もあり、想像以上にムラドフが組みで対抗していた印象。

逆に打撃の部分でムラドフは大きなアドバンテージを築けなかった。ボハーリョの遠い距離を上手く潰せず、思うような展開作りが出来なかった。

ただ、ボハーリョも得意の展開から崩される場面が所々で伺えた。

勝ち星を重ねるボハーリョは、今後より上位のファイターとぶつかることになる。そう考えると強みである組みの強化が必須になりそうだ。

ベラル・ムハマッドVSショーン・ブレイディ


引用元:©︎UFC (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC )

予想:ブレイディの判定勝ち 結果:ムハマッドの2RTKO勝利

大きく外れた予想。ムハマッドは得意に展開を使うことなく、徹底した低クダウンディフェンスとストライキングでブレイディを圧倒した。

終始ケージに追い込まれていたブレイディは打撃で有利展開を作れなかったのでタックルを上手く決めることも出来ず、全体的に動きが小さくなってしまった。

それだけムハマッドが強いプレッシャーをかけ、打撃を届かせた。そして2Rに苦しい展開から打撃をまとめられ、ブレイディも倒れず粘ったが、最後はレフェリーにストップされて試合は終了した。

ランキングを死守したムハマッドはタイトル戦にまた一つ近づいた。

ベニール・ダリウシュVSマテウス・ガムロット


引用元:©︎UFC (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC )

予想:ガムロットがスタンドで効かせてからテイクダウンし、肘とパウンドでKO勝ち

結果:ベニール・ダリウシュの3ラウンド判定勝ち

両者ともにグラップリングに秀で名のある大会で優勝するような技術力がある選手だが、スクランブルの攻防から最終的にガムロットが上をとる展開になると考え、疲労したダリウシュに打撃も合わせるかと思っていたが、結果は大きく異なった。

1ラウンドはガムロットが得意な展開を作ることができ、ペースを作っていたが2R以降はタックルからスクランブルしてトップをとるという流れをダリウシュが完全に対処した。

やはり打撃で崩せなければガムロットもダリウシュ相手にテイクダウンを取ることは難しいようだった。

メンタルの部分で余裕が出来たダリウシュはあまり消耗することなく手数を出してポイント着実に稼ぎ、ガムロットを判定で降した。

ピョートル・ヤンVSショーン・オマリー


引用元:©︎UFC (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC )

予想:ピョートル・ヤン、スプリット判定勝ち 結果:ショーン・オマリーのスプリット判定勝ち

これは個人的に今大会最大の衝撃だった。ストライキング技術の高いオマリーはヤンと競るところまで行くとは思っていたが、彼を乗り越えることはないと思っていた。

オマリーの勝因はヤンの硬い殻を打撃で壊しダメージを届けたことと最後まで組みでの攻防を頑張り、倒されても長く漬けられるような展開に持ち込ませなかったことだと思う。

ヤンはどこかであと一歩攻めることが出来ていたら、オマリーを沈めることも出来たのではないかと思うけれど、そのちょっと違いが大きな違いになって結果に反映された。

ヤンは痛い敗戦を喫しオマリーは最短距離でタイトルへと向かう。

アルジャメイン・スターリングVS TJ・ディラショー


引用元:©︎UFC (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC )

予想:アルジャメイン・スターリングの判定勝ち
結果:アルジャメイン・スターリングの2R TKO勝利

肩を負傷していたTJ・ディラショーは1Rからスターリングに終始コントロールされ、上からパウンドを浴び続けた。そして2Rも同様の展開になり動けなくなったディラショーを見てレフェリーがストップに入り、そこで試合は終了。

スターリングがTKOでタイトル防衛を果たした。

サンドヘイゲン戦でも早々に膝を負傷したディラショー。やはり蓄積された様々なダメージで身体が脆くなってきてしまっているのか、キャリア晩年で怪我を頻発するようになると年齢的な衰えも加わってグンっと勝率が下がることが多いので、バンタム級で生き残れるのか怪しくなってきた。

チャールズ・オリベイラVSイスラム・マカチェフ


引用元:©︎UFC (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC )

予想:イスラム・マカチェフの1Rパウンドアウト
結果:イスラム・マカチェフの2R一本勝ち

今回のビッグイベントのメインであるオリベイラVSマカチェフは開幕前から思っていた相性の悪さがやはり勝敗に響いていた。

オリベイラは早い段階でマカチェフを打撃で削りたかったが、大きなヒットを受けるのはオリベイラになり倒れて下になる展開となる。そして寝技を嫌厭しないマカチェフはしっかりと上をキープした。

ラウンドをあけてスタンドに戻っても、オリベイラはマカチェフのタックルを防ぐことに体力を使ってしてしまい、テイクダウンされなくても段々マカチェフのタックルを恐れるようになっていった。

その結果、手数が減り打撃勝負でも上手を取れなくなりマカチェフを崩す余裕が失くなってしまった。

そうなるとマカチェフが大きく有利になり、打撃を効かせてダウンさせたところを素早く狙ってアームトライアングルでオリベイラから一本を奪った。

勝利を獲得するためにより隙がなかったのはマカチェフの方であり、そのマカチェフがしっかりと勝つ試合をしたという感じだった。

これまでハビブのサポートを受けUFCの連勝街道を突き進んできたマカチェフはハビブが見守る中で遂に世界一の称号を手にした。

かつてのライト級レジェンドが巻いた黄金のベルトをダゲスタンの新たなスターがオクタゴンの上で高々と掲げた。


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