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喉元過ぎれば熱さを忘れる!?


日本列島は今、各地で猛暑、酷暑が続いています。
地中海沿岸の有名な観光地でも、連日、40度を超える暑さのため、観光客が減っているそうです。
地球温暖化による暑さは、喉元過ぎても忘れられない"暑さ"になりつつあるようです。

地球温暖化による"暑さ"は、できればさっさと忘れてしまいたいところですが、けっして忘れてはいけない"熱さ"は、福島の原発事故ではないでしょうか。

復興庁によると、事故から12年経った今でも、福島県からの避難者は2万人にのぼるとのことです。
放射能汚染で、いまだに帰りたくても帰ることのできない避難者の心情を思うと、胸がつまります。

そんななか、政府はこの夏にも、福島の原発事故で貯蔵されている処理水の海洋放出を始めるつもりのようです。

このトリチウム汚染水の問題は、その安全性や風評被害を巡って、さまざまな報道がなされています。

政府は国際原子力機関IAEAから、安全基準のお墨付きをもらったとして、その安全性をアピールし、海洋放出を強行しようとしていますが、福島の漁業者は風評被害を招くとして、放出には反対の姿勢を崩していません。

政府と東電は2015年に、福島県漁連に対して「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」と文書で約束した経緯があります。

政府と東電はこの約束を誠実に履行する義務を負っており、よもや、漁業者の反対を押しきって処理水を放出するようなことがあってはなりません。

もともと漁業者が風評被害を心配する根底には、原発の安全性への根本的な疑問や、福島原発事故への対応、さらには、事故後、方針を転換し、原発の新規建設や60年を超える長期運転をも認めるなど、これまでの政府の原発政策に対する国民の根深い不信感があるのではないでしょうか。

こうした背景を考慮するなら、処理水の海洋放出の問題は、単に安全性に限らず、原発の是非を含めた根本的な議論が必要だと私は思います。

喉元過ぎれば熱さを忘れる

とは言うものの、福島の原発事故は、喉元過ぎてもけっして忘れてはならい"熱さ"なのではないでしょうか。







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