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#未来のためにできること

   21世紀が始まったとき、これからはもっと平和で、もっと豊かで、もっと希望に溢れた世界になるだろうと、だれもが期待したのではないでしょうか。あれから22年、今、世界は、かつてないほどの危機に見舞われています。コロナパンデミックは3年経った今も、いっこうに終息の兆しを見せません。気候変動はますます深刻化し、世界中で異常気象が頻発しています。貧富の格差は拡大する一方で、ほんの一握りの富裕層が世界の大部分の富を独占しています。紛争や迫害で家を追われた人の数は1億人を超えて、過去最高を記録しています。私たちはいったい、どこで道を間違えてしまったのでしょうか。
   米国の人権監視団体「フリーダム・ハウス」によると、今世紀に入ってから民主主義国家は89カ国から83カ国に減少し、一方、参政権や報道の自由などに制限を加えている専制主義国家は45カ国から56カ国に拡大したそうです。何をもって民主主義、専制主義と呼ぶのかは議論の余地がありますが、報道の自由が制限されている国が増えているという事実を、私たちはどう受け止めればよいのでしょうか。
   SDGsは、人類が初めて心を一つにして、地球規模の問題に協働して取り組もうとする画期的な試みです。ところが、今、その中心となるべき国連が、深刻な機能不全に陥っています。このままでは目標達成はおろか、国連そのものが崩壊してしまうかもしれません。
 未来のためにできること、この問い掛けを前に、私はただ呆然とするばかりです。しかし、今、無駄に時間を費やす余裕はありません。未来の子どもたちのために、とにかく第1歩を踏み出さなければならないのです。私たちにできることは何か。平和運動、環境保全、省エネ、3R、人権擁護、格差是正、ボランティア活動等、答えは一つではないでしょう。
    私はまず、このままでは人類に未来がないという危機感を周囲の人と共有することから始めたいと思います。幸い、すでに同じ思いの人々がたくさんいて、それぞれ自分にできることを始めています。今、自分にできることから始める。そう考える人々が、性別や、障害の有無や、人種や、民族や、宗教や、イデオロギーや、政治体制など、あらゆる違いを乗り越えて一つにまとまったとき、初めて人類に希望が見えてくる、私はそう信じたいと思います。


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