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刺さるメッセージが分からない...採用候補者に訴求しなければいけないたった一つのこと

はじめまして、エンパワーメント株式会社執行役員/人材事業部責任者の廣田です。

略歴:明治大学卒業後、新卒で東証プライムの人材企業に入社。その後人材ベンチャーの取締役経験を経て現職へ。現職では人材事業部の立ち上げを行い、並行してリユース事業、リペア事業などの事業開発にも携わる。現在は人材領域で採用コンサルティングなど複数の事業立ち上げに取り組む。

今回、求人制作やスカウト作成において、採用したい候補者に刺さるメッセージの作り方についてまとめました。

採用って難しい

私はこれまでエージェントとして数百社の採用支援に携わり、自社の採用も進めてきたのですが、振り返ると改めて採用って難しいなと思います。

採用計画を立て、採用ニーズに基づいて人材要件を定義し、ターゲットに刺さるメッセージを考え、どの求人媒体やエージェントを活用しようかとチャネルを考え、候補者とのコミュニケーションに心を砕き、内定を出しても辞退されてまた最初からやり直しになったり、、「良い人を採用する」というのはシンプルですが、その過程には無数の苦労や障壁があります。

これまでの経験で自分が得た知見を言語化し、発信することで少しでも採用に携わる方のお役に立てれば、という思いでnoteを始めました。

今回のテーマは「候補者に刺さるメッセージの作り方」です。

ほとんどのメッセージが刺さっていない

人材不足は深刻化し、企業間の人材獲得競争は激化を辿る一方です。

ここ10年余りの間にダイレクトリクルーティングやリファラルなどの新しい採用手法が確立したこともあり、優秀な人材には転職時に数多の選択肢がある一方で、企業は自社を上手くアピールしないと応募にすら来てもらえない、という状況が続いています。

「いかに優秀な人材を集めるか」という能力は、以前よりも採用担当者に求められるようになったのではないでしょうか。

採用手法が多様化するに従って、優秀な人材が受け取る採用のメッセージも増加する中で、せっかく考えて書いたメッセージもスルーされてしまいます。

採用候補者にメッセージを一つだけ伝えられるとしたら

では、優秀な人材に刺さるメッセージとそうでないものの違いはなんでしょうか。

事業が成長している、組織風土が良い、昇格・昇給が見込める、優秀な人材が働いている、などいろんな切り口でメッセージ自体は考えられると思います。

個人的な意見としては課題解決の提案があるかという点が最も違いを生み出す要素であると考えています。

なぜなら、転職者はそもそもキャリアや働き方などに関して何らかの課題を抱えており、(意識的にせよ無意識的にせよ)その課題を解決するために転職活動を進めていきます。

  • キャリアの先が見えない

  • 給料が上がらない

  • 子育てと仕事の両立ができない

  • 新しいチャレンジができない

  • 成長ができない

例えば「キャリアの先が見えない」と悩む転職者に対して、本人が望む明確なキャリアパスが提示されていれば、少なくとも求人には目を通すでしょう。もちろん転職活動が進む中で転職の軸(何を解決したいのか)が変わることもありますが、転職活動のきっかけとなった課題が解決されるのか、が意思決定の大きなポイントになることがほとんどでしょう。

なので、候補者へのメッセージをたった一つだけ選べと言われたら、私は課題解決の提案を選びます。

刺さるメッセージ作りのプロセス

では、具体的に狙ったターゲットに刺さるメッセージをどう作っていけば良いのか、そのプロセスについて語りたいと思います。

以下4つのプロセスに沿ってメッセージを決めていきます。

  1. ペルソナ設計

  2. 課題特定

  3. 課題解決の提案(何を伝えるか)

  4. 具体的なメッセージの策定(どう伝えるか)

まずは1.のペルソナ設計からです。

該当ポジションにおいて採用したい人材はどんな人物なのか?

持っているスキルや経験、性格などをできるだけ詳細に描き出します。

年齢や性別、どのようなライフステージにいるのか(結婚、出産、育児など)、過去の大きな人生の選択ポイント(進学、就職、転職)においてどのような基準で意思決定をしてきたのか、今後どういうキャリアを積んでいきたいと考えているのか、などをリサーチし、言語化しておくと良いでしょう。

次にペルソナがある程度固まったら、2.の課題特定のプロセスに移ります。

ペルソナは働く上でどのような課題を抱えているのかを発見し、(ターゲットの中から最大公約数を取ることを狙った上で)最も解決すべき課題を特定します。

ペルソナに近い人が身近にいるのであれば、具体的に話を聞いてみることがおすすめです。

また、課題が明確にならない場合は1.のペルソナ設計に戻って、情報収集から始め直すのも良いかと思われます。

課題特定のプロセスは刺さるメッセージを作る上では最も重要だと考えているので、特に力を入れて取り組むべきプロセスです。

ペルソナの課題が特定できたら、具体的な課題解決の提案について考える3.のプロセスに入ります。

自社で働くことで、ペルソナが抱える課題がどのように解決されるのかを具体的にイメージし、「何を伝えるか」というメッセージの中心におくと良いでしょう。

ここで重要なのが、自社で働く魅力(従業員に対する提供価値)が明確に定義され、言語化されていることです。

  • キャリアパス

  • 仕事のやりがい

  • 一緒に働くメンバー

  • 企業独自のビジョンやカルチャー

  • 子育てと両立可能な環境

  • リモート・フレックスなど自由な働き方

もしこれらの魅力が自社にないのであれば、採用とは別の論点になりますが、従業員に対する提供価値を見直し、新しく作っていくことが必要となるでしょう。

最後に、4.具体的なメッセージの策定について説明します。

「何を伝えるか」を決めた後、よりメッセージがターゲットに伝わるように「どう伝えるか」を考えます。

例えば「仕事のやりがい」を伝えたいと思っても、「やりがいのある仕事です」と書いてもそれは伝わりません。

どんな瞬間にやりがいを感じるのか、を具体的にイメージできるように伝えるすることが重要です。

  • お客様から感謝される瞬間

  • 仕事を通して何かが出来上がった瞬間

  • 数字が上がった瞬間

ここについても様々な語り口が考えられますが、重要なのはペルソナの理解です。伝える相手の属性や性格に合わせて、最も伝わるであろうメッセージを作ることで、応募喚起には大きく差が出てくるでしょう。

まとめ

これまでのまとめです。

  • 候補者に刺さるメッセージを作るには「課題解決の提案」が重要

  • 以下4つのプロセスを実践することで刺さるメッセージを作ることができる

    1. ペルソナ設計

    2. 課題特定

    3. 課題解決の提案(何を伝えるか)

    4. 具体的なメッセージの策定(どう伝えるか)

以上、長文をお読みいただきありがとうございました。

弊社では人材紹介、採用コンサルティング、RPOなどのサービスを通して様々な企業の採用支援を行なっています。

ご相談は無料で承っておりますので、ぜひお気軽にお問合せください。

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