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『小難しい内容をゆっくり理解する』という贅沢

僕はメカニックとして、働いている。

だから、仕事でマニュアルを読むことがしばしばある。

機械の調整用のマニュアルなのだが、これが厄介だ。

およそ文学的素養のない人間が、「読み手がどう読むか」という事柄に、想像力を1ミクロンも使わず、己の意見を書き連ねている、という代物だ。

まともに相手をすると気が狂う。

しかし、仕事のため、読まざるを得ない。理解せざるを得ない。苦行である。

さて、本題である。

最近、Kindleを購入して、電子書籍を楽しんでいる。

偶然、目についたアランの『幸福論』を読んでいる。

古典なので、内容が理解出来ない点も結構ある。

しかし、名文・名文句のオンパレードで、キンドルのハイライト機能が大活躍だ。

こうやって、内容を完全に把握しないまでも読み進めていくことに、大きな充足感を感じる。

普段の生活とのギャップも相まって、楽しい。

古典を味わう、というのは、内容を完全に理解しながら読み進めていくことではなくて、目に留まった箇所が自分の中に溶けていくような体験だと感じる。

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