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読書感想 太宰治 斜陽

中学一年生の娘が学校の図書館で太宰治の「斜陽」を借りてきました。
な、なんで??

私が古い小説ばかり読んでるからその影響?でもなぜ芥川龍之介じゃなくて太宰治にいった??
斜陽はちょっと、中学生には早いと思うのですよ。中学生が読んだらどんな感想を抱くのだろう……皆目見当がつかん。

太宰治は奥深く素晴らしい文豪だからこそ、その文章の影響力(破壊力)もエグいので、せめて高校生になってからにしなさいと言いましたが。
そんなことを言っておきながら、娘が借りてきた本を娘が読む前に自分が読み始めてるっていうね……
ダミだこりゃ。

斜陽、久しぶりに読んだけど素晴らしいですね。感情の襞(ひだ)まで鮮明に描かれた、奥深い文章です。
ですので、少しゾッとするというか、薄ら寒いものを感じるところがあります。全体的に狂気を帯びているように思えてしまいます。

読んでて一番辛いのが、男性陣の酒や麻薬への執着ぶりです。
妻子が電灯もつかない家で待ってるのに、
借金してまで「まずい」お酒を外で飲んじゃう男とかさ……。なかなか理解出来ないんですよね。

みんなしてわざわざ、破滅の道を急がなくてもいいんじゃないかな、と思ってしまいます。

登場人物それぞれの、どうしようもない閉塞感とか、無力感とか、何かにすがりつかないと自分を保てない心細さとかが、心が痛むくらい緻密に書かれています。


主人公かず子の弟、直治の遺書に
「希望の地盤がない」とありました。
そうだよな、まずは地盤だよな……。と思いました。希望がないと人は生きていけないですもんね。希望の根が生えやすい地盤とそうじゃない地盤がたしかにあるように思います。

しっかりした地盤に、しっかりした支柱が大切ですね。

自分の心にしっかりした柱が立ってないと、バランスを崩したときに、自分以外の何かによりかかりたくなりますよね。心の形が完全に崩れてしまったら、なかなかもとには戻せないですもんね…

心の柱を太く強くするには、どうすればいいのだろうと思うことがあります。地盤は
まあひとまず置いておいて(相当難しいと思うので)。

まずは食事、睡眠、運動から攻めていこうと私は思っています。
自分の心ほど、不明瞭で扱いにくいものはないので、まずは外堀を埋めていこうと思う
今日この頃です。

どんな小さなことでも、良いことなら習慣に取り入れて、自分を好きになっていきたいです。


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