読書感想 尾崎放哉 尾崎放哉選句集

青空文庫で「尾崎放哉選句集」を読みました。
尾崎放哉は、「咳をしても一人」が有名な自由律俳句の俳人です。

わたしは俳句は全く明るくないです。
自由律俳句とか、どう受けとめたらよいのかさっぱりわかりません……。


ではどうして尾崎放哉に興味を持ったのかというと。


それは私が中学生の頃、国語の授業で先生が
「咳をしても一人」について、
「そんなに一人が寂しいなら猫でも飼えばいいのにね」
とクラス全員の前で言い放ったからです……!

「そういう問題じゃないだろう…!!」

と中学生ながらに思ったことをふと思い出したのです!

さて、こちらの尾崎放哉の選句集ですが、
晩年になるにつれて、孤独感がひしひしと伝わってくる作品が多くなります。

「墓地からもどって来ても一人」
「墓のうらを廻る」
とか……。
もうどう受け止めたら良いのでしょうね…。

そういえば、私も祖父母のお墓参りに行った際、ときどき周囲のお墓のうらにまわって卒塔婆を見たり、戒名や命日を確認したりします。
そして故人に思いを馳せたりします。

死期が近くなると、死を身近に感じるがゆえに、そういった行為がより顕著になっていくのかなぁ…と思いました。

それにしても、俳句というごく短い文章でここまで相手の想像力を掻き立てるなんて、普通は出来ない事だとわたしは思うのです。

とても深い孤独を宿していること、絶望の淵に立たされていることが容易に想像出来ます。

ああ、本当に孤独だったのだろうな、とその光景が目に浮かぶようです。

当時、肺結核は不治の病として恐れられていたので、その疎外感は現在のコロナの比ではないのでしょうね…。

話を聞いてほしい、自分のことをわかって欲しい、という人間ならば当然の欲求を押し殺しながら死を待つなんて、そりゃあ自分の咳が部屋中に響き渡るのをしみじみ聞いたりするようになるんでしょうね……


くだらないことで笑い会える友人や家族の存在に感謝しなければいけませんね。









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