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読書感想 小林多喜二 蟹工船

こちらの作品、実ははじめてちゃんと読みました。有名な小説なので、あらすじはなんとなく知ってはいたのですが。

 オホーツク海で、蟹をとってはその場で缶詰にする船の作業員の物語です。
 現場監督に非人道的な扱いを受けながら、劣悪な環境で過酷な労働に耐える男達の様子が生々しく描かれています。

 ただ労働力を搾取されるだけの、人間としての最低限の文化的活動すら認められない労働者達が団結して、現場監督および資本家に対してストライキを試みるのです。

 この作品、フィクションとはいえ実際のモデルがあるらしく、かなり事実に近いことが書かれているみたいですね。その労働条件の厳しさは、現在のブラック企業の比ではありません。もはやナチスの強制収容所に近いです。

 私はホラー小説が好きなので、それほど抵抗なく読めるのですが、人によっては気分が悪くなったり、「もう無理……」と途中で読むのを断念してしまうかもしれません。
それくらい、虐待や拷問の様子がきちんと描写されています。

小林多喜二は、これらの作品を発表したがために「不敬罪」で逮捕され、特高警察による拷問の末に殺害されたようです。

それを知って読むのと、知らずに読むのとでは、なんとなくこの作品の印象は変わってくるように思います。単なる「文学」という娯楽の枠におさまらないといいますか。

 
 私は個人的には、現在においては搾取されないためには、日々色々なことに関心を持って勉強し、知識を吸収することも大切なんじゃないかなと思います。 

 現在の日本は戦前と違って、貧富の差や家柄、住む場所に関係なく、平等に教育の機会が与えられます。人種や宗教も関係ありません。教育を受けることは当然の権利です。

 どんなに貧乏な家に生まれても、本人の努力次第で社長にだってなんにだってなれます。

 もしお金がなかったとしても、You Tubeで無料でためになる動画が見放題の時代です。自治体においても、ためになる無料セミナーなどいっぱいやってます。

 ひと昔前だったら、学校へ通ったり、書籍を買ったり、セミナーに参加しないと得られなかった知識が、無料で得られる時代になってきました。
ちょっと手を伸ばすだけで、知識欲を満たす材料はいくらでも転がっています。ありがたいことです。

まぁ私の知識欲?はほぼ文学(読書)にむかうのですが……。これがあんまり役に立たないんですけどね。笑

現在は様々な情報が錯綜し、侃侃諤諤の様相となってますが、当たり前の事に感謝して、知識を吸収していければいいなと思います。

(全然蟹工船の感想じゃなくなっててすみません……)



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