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読書感想 漫画版風の谷のナウシカ➁
トルメキアと土鬼の戦争はますます厳しくなります。それは女子供などの非戦闘員まで巻き添えにし、相手の住む土地を全て焼き払うまでの徹底ぶりです。
果ては、土鬼は人工の腐海を兵器として使用し、敵の陣地どころか自国の土地まで不毛の地としていきます。
トルメキア王も土鬼の皇帝も、なんでそんなに頭おかしいの??と思ってしまいますが、
人類はこのようなことをひたすら繰り返しているのだと思います。
もとはといえば、清浄な空気、清浄な水と、作物がとれる土地、それらを自分たちが独占するための戦争だったのでしょう。
しかし憎しみが憎しみを呼び、
「殺らなければこっちが殺られてしまう、自分の住む土地も家族も奪われてしまう」
「自分達民族の誇りと尊厳を奪った敵が憎い、同じ目に合わせてやる」
という、憎しみのために殺し合いをするようになるのだと思います。
この負を連鎖を断ち切るのは容易ではないですね。
貴重な資源を前にして、それらを公平に分け与えるという選択肢はないのですね。民族、宗教が異なればなおさらです。
貴重な資源を無駄遣いする戦争なんかやってる場合か?と、頭ではわかっていても、それでも人類は戦争を選ぶのです。滅びの道を選ぶのです。
この漫画は、30 年近く前に書かれたものなので、戦争による兵士の殺し合い、集団自殺、捕虜、拷問などの様子が割ときちんと描写されています。(それでもマイルドに書いてあるのだろうなとは思いますが)
でもこれらは、国土の大半が不毛の地と化したこの世界では、自然すぎるくらい自然なことなのだろうなと思ってしまいます。風の谷のナウシカは、何ひとつ美化されて書かれていません。なので、余計にその物語やナウシカの存在が読者に感銘を与えるのだと思います。
長くなるので次回に続きます。
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