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読書感想 横溝正史 蔵の中、鬼火

横溝正史の短編集です。
kindleUnlimitedで読み放題になっていたものを読みました。


久しぶりに横溝正史の作品を読みましたが、良いですね〜、読みやすいですね〜。一気読みしてしまいました。素晴らしいです。

金田一耕助シリーズはたくさん映像化されていますが、原作も読んでいる方って意外と少ない気がします。私も有名なタイトルしか読んだことがないのですが、原作の方が面白いですよね。

映画は、怖がらせてやるぜ!という気概がヒシヒシと感じられまして、そして実際に怖いのですが、(萩原健一さん主演の八つ墓村なんて、子供の頃に見てトラウマになりました……)
原作はどれも意外にも、そこまでおどろおどろしくないというか、個人の心理描写が充実しててホラー要素以外にも読みごたえがあります。面白いです。情景がとても美しく描写されているので、書いてあることはエグくても非常に読みやすいです。

さて、こちらの「蔵の中、鬼火」ですが、
鬼火
蔵の中
かいやぐら物語
貝殻館綺譚
蠟人
面影双紙

上記6つの短編が収録されています。どれも面白かったです。ハズレがないです。
すごく陰惨な殺人事件を描いた作品ばかりなのですが、人を殺めるに至った心理描写といいますか、そういったものがとても丁寧かつ繊細に描かれているので、妙に腑に落ちるといいますか、胸にしっくりくるいい感じの読後感です。
ミステリー小説にありがちな「いくらなんでもあり得ないでしょ」という感想が全面に出ない、読書を上手く丸め込むその手腕は見事だと思います。すごいなあ。

良ければぜひ一度読んでみてくださいね。






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