吉本ばなな 哀しい予感
数年ぶりに再読しました。一度読んでるはずなのに、結構きました。胸に響きます。なぜそんなに胸に響くかと申しますと、これは自分でもよくわからないのですが、おそらくはこの作品、というか吉本ばななさんの心理描写が奥深く繊細だからなのだろうなと思います。
どうすることも出来ない孤独感や、それに付随する寂しさや虚しさなどを絶妙な加減で表現してくださいます。ほんとに絶妙なんですよねえ。
最近気がついたのですが、私は女性作家の本や恋愛小説って基本読まないのですね。吉本ばななさんだけかもしれません。
悲しかったり寂しかったり、負の感情に苛まれると、心というか胸にあなぼこが空きます。その空洞を放っておくとよからぬものが侵入してくるのですね。その空洞は何で埋める(というか満たす)のが最良なのでしょうね。まあそりゃ〜あ愛に決まってますが、そんな手頃な愛は都合良く転がっておりません。私はときどきそんな事を考えます。吉本ばななさんの作品を読むと、私みたいな人間も少なからずいるのだなと少し安心します。でも、心にあなぼこが開くと妙に(自分的に)素敵な文章が書ける気もするから、あながち悪い面ばかりでもないでしょう。
読んでいただきありがとうございます。皆様の幸運をお祈り申し上げます。