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伝統は、現代にも生き続けている

『羊皮紙の世界―薄皮が秘める分厚い歴史と物語』は、羊皮紙にまつわる基礎知識を一冊にまとめた入門書です。

本書では、羊皮紙作りの工程から中世の写字職人が駆使したテクニックの数々、西欧以外の文化圏での活用法まで、羊皮紙にまつわる多彩な話題を紹介しています。

また、犬ガム羊皮紙や羽ペンの作り方など役立つコラムも収録されています。羊皮紙実物のおまけも付いているので、読者は羊皮紙の裏も表も毛穴までも知り尽くすことができます。

本書は、羊皮紙の歴史と展開、用例にとどまらず、大人も子供も楽しめるワークショップなど羊皮紙にまつわる多彩な話題を紹介しています。

欧米の美術館で羊皮紙製の豪華な彩飾写本を何冊も見たが、本の価値はともかく材料まで関心は及ばなかった。

そんな物言わぬ羊皮紙にも波乱万丈の長い歴史があり、生産工程から筆写、装丁に公文書使用例まで、西洋や中東の政治や宗教や文化は羊皮紙と深い関わりを持ってきたのです。

羊だけでなくヤギや牛革も使われ、書き間違いを削って訂正したり、本の美しい装飾はいかにして発展したかなど、その奥深い世界はまばゆいほど。

デジタル化の波で紙の本も消滅の危機にあるが、千年以上も紙に文字を書いてきた人の営みを消してはならないと思い知らされます。

このマガジンの運営元の『言の葉を綴じる杜』でも様々な本を出版させていただいており、ニッチな隙間を埋める情報を好んで発信しています。これは電子出版だからこそなせる業なのです。

例えば、これだとか。

紙の本では経費の関係上、到底できないのですが本書はそのあたりを超越しており、いろんな意味で興味津々でございます。

羊皮紙の歴史と魅力を読みながら、いくつかの考察ができると思います。

まず、技術革新は、人々の生活を大きく変えることができるということです。羊皮紙は、パピルスに比べて耐久性に優れた筆記用具として、古代から人々の生活を支えてきました。

しかし、活版印刷の普及により、羊皮紙の需要は減少しました。これは、活版印刷が羊皮紙に比べて大量印刷が可能であり、コストも安いというメリットがあったためです。

このことから、技術革新は、既存の技術や産業を淘汰する可能性もあるということを考えることができます。

次に、文化は、技術によって形作られるということです。羊皮紙は、写本芸術の発展に大きく貢献しました。写本芸術とは、羊皮紙に絵や装飾を施して、書物をより美しく、豪華なものにする芸術です。羊皮紙の耐久性と美しさは、写本芸術の発展を支えたと言えます。

このことから、技術は、文化の形成に大きな役割を果たすということを考えることができます。

やはり、”伝統は、現代にも生き続けている”ということでしょう。羊皮紙は、現在でも証書類や卒業証書などの重要な書類に用いられていますし、美術品や工芸品の材料としても注目されています。

このことから、伝統は、現代の生活にも根強く残っているということを考えることができます。

これらの考察は、羊皮紙の歴史と魅力を読み解く上で、重要なポイントになると思います。

以上、羊皮紙の歴史と魅力について解説しました。いかがでしたでしょうか?これらの考察を通して、羊皮紙の歴史や特徴に興味を持った方は、ぜひ一度実際に手に取って見てください。

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